明日も耕す 農業問題の今 おこめ券に批判が殺到 一時しのぎの物価高対策

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週刊『三里塚』02頁(1174号02面03)(2025/12/22)


明日も耕す 農業問題の今
 おこめ券に批判が殺到
 一時しのぎの物価高対策

(写真 評判の悪いおこめ券)

 政府は今年度補正予算で自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」を2兆円拡充し、うち4000億円を「おこめ券」の配布を含む食料品価格高騰に対応する特別加算とした。今おこめ券に批判が殺到している。
 政府が物価高対策として推奨するおこめ券。鈴木農水相は、11月28日の記者会見で「食料品の中でお米が一番価格が上がっている。どんなやり方でも、できるだけスピーディーに消費者の負担感を和らげていくことが大事だ」と強調した。
 だが、「おこめ券は絶対に配らない」という自治体があらわれ、「おこめ券は時間がかかり手数料がかさむ」「満額を現金で振り込んだ方がよっぽどいい」など自治体、マスコミから批判が続出し、国会でも論議の的となった。

なぜ米が高い?

 また、おこめ券は全国農業協同組合連合会(JA全農)と全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)が発行しているので、「利益誘導」という疑念まで持たれている。
 そもそも、なぜいま米が高いのか。農家が出荷した米に対してJA等が前払いする「概算金」の高騰が小売価格に影響しているからだ。
 昨年の米不足で、JAも業者も競って今年の米に高値を提示した(農家にとっては全然高値ではないが)。需給ひっ迫が解消されても、高く仕入れたものを安く売るわけにいかない。価格高騰の主因は「減反政策」による供給不足なのだ。だが、鈴木農水相は「米価は市場が決める」として増産を行わず「精緻(せいち)な需要予測で対応する」という方針を貫く。余計な金は使わずに「ギリギリの需給」で決まった価格を消費者(労働者)にも生産者(農民)にも押しつける。
 こうした方向性の下で、価格への不満に対する一時しのぎのバラマキがおこめ券だ。

軍事費拡大優先

 「精緻な需要予測」などおよそ不可能だ。そもそも、インバウンド需要や小麦高騰による米回帰を読み違えた結果が「令和の米騒動」ではないか。
 気候変動が激しくなる中で、加速度的な農業人口の減少を放置して「ギリギリの需給」などありえない。
 今回のおこめ券の配布金額は、1人当たり3000円と言われる。それだけでは1袋5㌔の米も買えない。
 デタラメな米政策の背景にあるのは軍事優先だ。軍事費のために、従来の農業を支えるような予算など削りたいのだ。
 高市政権は、補正予算で物価高対応に8兆9千億円の大風呂敷を広げて目先の人気取りを策しているが、内実はおこめ券のような小手先の経済対策にすぎない。
 しかしながら、それを隠れ蓑(みの)にして、防衛費GDP比2%からさらなる軍拡と戦時体制づくりに突き進もうとしている。
 26年、中国侵略戦争絶対阻止で高市打倒へ立ち上がろう。
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