高市設置の「有識者会議」先兵に 総力戦体制構築へ突進
高市設置の「有識者会議」先兵に
総力戦体制構築へ突進

高市政権が年内に強行しようとしている安保3文書の改定は、中国侵略戦争を遂行するための総力戦体制=国家総動員体制を早急に構築しようとする攻撃だ。だがそれは、労働者人民の中に根強くある反戦意識と、戦争反対の闘いを根絶しなければ完成しない。今秋は中国侵略戦争を阻止できるか否かをかけた歴史的な決戦だ。
継戦能力の確保へ「軍民融合」を叫ぶ
安保3文書改定に向けて高市が設置した「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の第1回会合は、日米安保同盟を「有事の際に共に戦うというコミットメントを確保する」ものに転換し、そのために「日本の防衛能力の向上」を図ると大上段に確認した。実際に中国と戦火を交えることを前提に、外交方針も国内政策も根本から組み直すと断言したのだ。
同会議は「ウクライナ戦争の最大の教訓は有事における国家の総力戦の重要性」だと述べ、「国、地方公共団体、指定公共機関、民間組織、国民が一体となって活動するための、有事を想定した『国と社会の強靭(きょうじん)性』」を確立せよと叫ぶ。ドローンや人工知能(AI)を駆使し、「後方」をも攻撃対象にする「新しい戦い方」は、第2次世界大戦時とも全く異なる総力戦体制を求めている。それに即応した「継戦能力」を急速に確立することが、日帝にとって緊急かつ絶対不可欠の課題になったのだ。
有識者会議の第2回会合では、「現代戦においては軍事と非軍事の境はなく、軍民は一体化しなければならない」と公然と語られた(表参照)。実際、南西諸島から中国軍をミサイルやドローンで攻撃する「遠征前進基地作戦(EABO)」では、民生インフラを軍事転用することが半ば公然と予定されている。
「軍民融合」という言葉で意識されているのは、「新しい戦い方」にとって不可欠となったドローンなどの大量生産だ。兵器の生産拠点は当然にも敵国の攻撃対象になる。自民党はドローンの生産能力を2030年までに年間約8万機に拡大すると言うが、そのために各地に設置される工場は、それ自体が軍事施設とみなされる。空港・港湾や通信施設、ほとんどの企業が関係するサイバー空間も攻撃の対象だ。ウクライナ戦争が示したように、商業施設も戦火にさらされる。「第一線と後方地域」の区別はない。だから有識者会議は、兵器の生産に直接携わる者だけでなく「後方」に位置するすべての者も戦闘要員であり、その自覚を持てと言い放ったのだ。
同会議では、非核三原則のうち「持ち込ませず」を撤廃することや、原子力潜水艦の保有も公然と語られた。改定される安保3文書が、これを反映したものになることは明らかだ。安保3文書改定の中身はすでに先取り的に実施されているが、同文書の明示の改定は、さらに格段と中国侵略戦争を激化させるのだ。
実戦を通じた兵器の性能向上も強調
26年版防衛白書は「防衛生産・技術基盤の強化」を「防衛力そのもの」と位置づけた。これに応じ有識者会議の第3回会合は「防衛生産」と「経済安保」について重点的に議論した。
そこでは、レアアースの輸出禁止などの中国の措置に対し、同盟国・同志国が共同で対抗する「集団的経済安保」の必要性が唱えられた。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の名のもと、経済面でも中国の脅威をあおり立て、中国包囲網をさらに強化するということだ。
防衛生産を巡っては、ウクライナ戦争を教訓に、実戦を通して兵器の性能を向上させること、攻撃を受けた兵器生産拠点を早期に復旧させる能力や、ドローンや弾薬など大量に消費される兵器を継続的に大量生産する能力の獲得が強調された。ここでも実際の戦争発動が大前提にされている。
これらすべての実行にとって必要なのが、人民の中に根強くある反戦意識の解体だ。有識者会議は「国民の安全保障リテラシーの向上」や中学や高校での「安全保障教育の充実」を何度も確認し、「認知戦」への対処を強調する。「認知戦」とは、中国への戦争を侵略戦争と断罪する言論を徹底的に抑圧し、侵略を正当化する政府と反動の言い分だけをまかり通らせるということだ。国家が主導して中国脅威論が叫ばれ、排外主義があおられる。こうして、支配階級の危機を自らの危機と認識し、国家と一体化して自ら兵士となることを望む人間をつくり出そうとしているのだ。中国・アジア人民への血債にかけて、この攻撃を打ち破ることは日本の労働者階級人民の歴史的な責務だ。
中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、現代戦が求める新たな国家総動員体制の確立を狙う国家権力との真正面からの激突になる。この闘いに襲い掛かる激しい弾圧を打ち破った時に、帝国主義打倒はリアルな課題として浮上してくるのだ。その展望を開くものとして、「連帯し、侵略を内乱へ」を貫く今秋決戦に全力で立ち上がろう。
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「軍民融合」を公然と語る有識者会議
現代戦の特徴は、第一線と後方地域を区別できないこと、自衛隊の行動地域は限定できないこと、軍事と非軍事の境がない軍民融合の時代が到来していることである。ウクライナ戦争を見れば明らかである。有事においては、必要に応じ、国内のどの場所においても、自衛隊と民間力が連携し、一体化して行動することが求められる。
(議事要旨に記載された発言)