革命的女性解放の旗立てよう 関西で女性解放学習講演会

発行日:

週刊『前進』04頁(3424号04面01)(2025/12/01)


革命的女性解放の旗立てよう
 関西で女性解放学習講演会

(写真 大行進呼びかけ人の洞口杉並区議が講演。参加者が熱心に聞き入り、活発な質疑が行われた【11月22日 大阪市】)


 関西女性反戦集会実行委員会の主催で11月22日、「革命的女性解放闘争と反戦闘争」をテーマとする女性解放学習講演会が大阪市で開催されました。会場いっぱいの130人が参加し、関西女性反戦集会実行委員長の谷口恭子さんが主催者あいさつ(別掲)を行い、続いて改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人で杉並区議会議員の洞口朋子さんが講演を行いました。講演後、活発な質疑応答が行われ男性からの発言も多数あり、充実した学習講演会になりました。洞口さんの講演(要旨)を紹介します。この間、関西では運動内部の女性差別・性暴力事件の襲撃を組織した指導部を打倒し、運動の根底からの変革をかけて闘ってきました。高市政権が一気に中国侵略戦争を加速させる中、情勢にギリギリ間に合いました。集会の最後に、主催者である「当事者の会」の女性労働者が、来年の3・8闘争を断固勝ち取ろうと訴えました。

講演(要旨)
差別の元凶=帝国主義倒そう 
 改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人杉並区議会議員 洞口朋子さん

今こそ反戦闘争に立つ時

 今日の闘いを革命的女性解放闘争と反戦闘争、そして帝国主義を打倒する革命を真っ向から勝ち取る出発点にしていきたいと思います。私自身も女性差別と闘うということからの屈服や差別を内面化していたあり方から脱却して、革命家として生まれ変わる決意で話をさせていただきます。
 まず冒頭に訴えたいことは、中国侵略戦争絶対阻止の反戦闘争の爆発で高市政権を倒そうということです。18日の8・6広島暴処法弾圧の反動判決を徹底弾劾します。これこそ、まさに戦争を決断し、戦争に反対する者を一人残らず弾圧するという⽇本帝国主義の国家意思・階級意思そのものだと思います。
 高市が国会で、首相として初めて「台湾有事は存立危機事態」と明言したことは画歴史的な事態です。自衛隊が中国に戦争を仕掛けるということを公言しました。これに対して中国が激しく非難し抗議するのは当たり前のことだと、私たちはきっぱり言い切らなければいけない。街頭でもどこでも、「中国に味方するのか」と言われようが、右翼・反動から空き缶を投げられようが、つかみかかられようが、私たちは断固として、「戦争を仕掛けているのはこの国の政府だ」ということを訴えきらなければいけないと思います。
 そして今、中国に対するけたたましい非難、排外主義の大合唱に対して、与野党がこぞって「中国総領事を追放しろ」「中国は謝れ」と言っている。挙国一致の戦争翼賛体制がつくられている。これに対して日本共産党のように、高市に対話だとか平和だとか外交努力を要求しても全く何の意味もない。始まっている戦争に絶対反対を貫くのか、それともその手先になるのか。中立なんてない。すべての党派、運動体がふるいにかけられています。私たちは断固、前者を選び、中国侵略戦争阻止を真っ向から訴え、反戦闘争を組織していきましょう。

生まれ変わるほどの変革

 関西の蜂起から1年間の激闘が、革命的女性解放の扉を開いたということを訴えたいと思います。女性差別・性暴力を絶対に許さない運動体への生まれ変わりは、反戦闘争を闘う運動体への生まれ変わりと完全に一体の過程であったと思います。私としても大行進呼びかけ人として、そして一人の女性活動家として、女性差別・性暴力が運動内で実に長きにわたって繰り返され隠蔽され、告発に決起した女性を「団結破壊」と言って絞殺する組織と運動であったこと、そして当該女性たちに今もなお血を流させていることを、心から謝罪したいと思います。
 私たちの運動自体が根っこの部分において資本主義・帝国主義の支配に屈服し腐敗を深めていたことを深刻に総括しなければなりません。まさに戦争と革命の時代に、私たちはこの生まれ変わりをできるかどうかが本当に問われてきた過程だったと思います。
 私は2008年から活動を始めたのですが、「差別・分断―再団結」という、「階級的団結」の名のもとに現実の女性差別を抹殺していくあり方が、私自身にも染みついてきたと思います。具体的には、運動内での女性差別を見逃す、曖昧(あいまい)にする、あるいはなかったことにする。「相手も仲間である」「相手も労働者階級である」として、「団結すれば乗り越えられる」という、マルクス主義を名乗る者にはありえないあり方だったわけですが、そうやって差別への屈服、内面化、居直りの論理が、関西のみならず運動全体にまかり通っていたということです。そして実際には「『優秀な』運動のリーダー」「彼を潰したら運動の痛手になる」と言って女性の告発をわい小化し、男性活動家、とりわけ指導部の女性差別を容認し、男性活動家の変革を迫らない、温存するあり方が繰り返されてきたのです。
 それは、差別・抑圧の元凶である帝国主義との闘いからの逃亡を、団結とか組織防衛を振りかざして自己合理化する、そういう腐りきったあり方だったと思います。またそれは、労働者階級が差別・抑圧を打ち破り、変革・飛躍して、革命の主体として決起することへの否定でもありました。これに対し、昨年末の関西における女性差別・性暴力の告発が、当該女性たちの渾身(こんしん)の決起によって、このような組織と運動のあり方のベールを容赦なくはぎ取り、根底から打倒し、生まれ変わり的な変革と飛躍を勝ち取る闘いを実現してきました。
 告発に至るまでの1年間の苦闘、格闘、そして告発後から現在に至るまで1年間の死闘の連続。当事者の会の女性たちの血と涙のにじむ闘いに応えて、一人ひとりが例外なく自らのあり方をえぐり出し、七転八倒しながら組織と運動を生まれ変わらせる闘いをしました。そうした闘いの到達地平が6・15国鉄集会、さらに11・2全国労働者総決起集会での動労千葉・関道利委員長の基調報告で示されたことだったと思います。
 私たちは、女性差別・性暴力の加害者とその擁護者たちがのうのうと前面で活動する一方で、被害を受けた女性たちが泣き寝入りさせられ絶望し、闘い続けることができなくされて運動から去っていくようなことをもう二度と繰り返してはいけない。私たちがいま革命的女性解放闘争の創生を、当該女性たちを先頭とする全国の女性たちの血の通った団結でつくり出す闘いの出発点に立っていることを断固として確認したい。この地平を一歩も後退させずに前進させていくことが必要だと思います。

石田らの敵対・腐敗許さず

 そして、関西の蜂起から1年の闘いの中で、大行進事務局かつ全学連運動の指導者であった石田真弓の女性差別・性加害と、石田グループによるその容認という全学連運動の恐るべき変質があぶり出されました。私たちは石田グループによる組織破壊、運動破壊を絶対に許さず闘い抜くことを皆さんと共に決意したい。
 石田が行ったことは明々白々な女性差別・性加害であり、絶対に許せません。石田は運動の幹部であり、当該女性とは大きな年齢差があり権力差がありながら2人の関係を恋愛関係、家族関係であるとして性加害行為を繰り返してきた。当該女性たちが血を流し切り開いた地平とは絶対に相いれないものです。
 学生戦線こそが女性解放の最先端だと名乗ってきた石田グループが、実は女性差別との闘いを「これは女性差別だ、これは女性差別じゃない」と、運動内を支配する道具として、極めて恣意(しい)的に利用してきたのです。核心的には、関西の当該女性たちの闘い、当事者の会の闘いへの敵対、裏切りです。結局石田グループ自身が批判してきた「差別・分断―再団結」論の決定的誤りを、形を変えてやってきたのが石田グループだったのです。
 この過程で問われたことは、「当該が告発を撤回したら、なかったことにしていいのか」ということでした。これについて私たちは、被害当該の主体性が全てという立場は取りません。もちろんそれは十分に尊重されるべきですが、しかし当該が性被害の主張を撤回したからといって、女性差別・性加害の事実は決して消えない。それは個人問題・家族問題ではなく、運動と組織全体の問題です。石田の女性差別・性加害が組織問題に発展したまさにその時に当該が動揺し、これに石田が乗っかり利用して、学生指導部が石田の免罪のために追従して逃亡した。このことを私たちは絶対に許しません。やはり「当該の意思」に全てを流し込んでしまえば、差別の根源である階級支配、帝国主義の支配を打倒する原点的な立場は蒸発してしまうわけです。
 関西の当事者の会の闘いは、この石田グループの変質と腐敗の対極にあります。当事者の会がこの10・11集会から11・2に上り詰めて、本日の闘いを主催している。ここにこそ、革命的女性解放闘争の道があることを示しています。

共産主義実現こそ

 最後に、革命的女性解放闘争とは何かということを改めて提起します。
 私たちは、女性解放の道は帝国主義打倒、共産主義の実現にこそあることを何度も何度も確認しなければいけないと思います。革命的女性解放闘争とは、女性差別・抑圧への怒り、差別者と差別の元凶への根底的怒りを爆発させ、女性が奪われてきた政治と暴力を奪還する闘いであり、そうして女性解放・全人間解放を実現するプロレタリア世界革命、共産主義実現へ突き進んでいく、荒々しい闘いであると思います。
 革命的女性解放闘争のエネルギーを大爆発させ、来年の3・8闘争を断固、関西と東京、そして全国で闘いましょう。
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主催者あいさつ
隅々まで女性解放闘争を
 関西女性反戦集会実行委員長 谷口恭子さん

 10月11日に行った女性反戦集会は画歴史的な闘いとして勝ち取ることができたと思います。集会の冒頭で私は、「侵略戦争を不可避とする帝国主義そのものを打倒していく、帝国主義戦争を内乱に転化する革命的女性解放闘争の旗を何としても打ち立てたい」と述べました。そして本日の女性解放学習講演会は、この1~2年の間、運動体内での女性差別・性暴力事件、組織問題を告発し、先頭で闘ってきた被害当事者や告発当該の女性たちがここまで団結を崩さず闘い抜き、本集会を主催していることがものすごい勝利だと思っています。
 隠蔽(いんぺい)されてきた組織内性暴力が1年前に明らかになって以降、はっきりしたことは、私たちの運動が女性解放なき女性解放運動であり、女性解放なき反戦運動であり、女性解放なき労働運動であったということです。そのことが突き出されました。運動の指導的存在、男性幹部による性暴力が何度も繰り返され、被害当該が抑圧・圧殺され、運動の現場に立ち続けることすらできなくさせられてしまう、そういう「女性解放」でしかなかった。
 そしてまた、私たち自身が、3・8国際婦人デーの前くらいにしか女性解放闘争の課題を提起してこなかった。口にすらしてこなかったのが現実でした。しかし今、こうしたこの運動体の中からきら星のごとく立ち上がっているのが「当事者の会」の仲間たちです。女性差別への屈服を無自覚に強制されてきた女性たちが政治と暴力を奪還し、いきいきと反戦闘争、組織変革の先頭で闘っている。ここが本当に勝ち取ってきたことだと思います。
 中国侵略戦争に全面的に突入し、戦時下の動と反動が逆巻くこの内乱の時代に、私たちはさらなる闘争の激化で応えていく。そういう革命的女性解放闘争をこの手に、我と我が手で、自分の力でもぎりとってきたと思います。
 運動体の中から脱落・逃亡・敵対する者も現れています。望むところです。私たちは女性差別・帝国主義イデオロギーへの屈服という汚物を払いのけて、断固プロレタリア革命へ向かって前進しようと思います。女性解放運動、反戦運動、労働運動の中に隅々まで革命的女性解放闘争を推し広げましょう。全世界の女性たち、差別・排外主義と闘う仲間たち、闘う中国人民・朝鮮人民・アジア人民と連帯し、日本帝国主義を打倒する労働者階級の内乱を、革命的女性解放闘争の力で勝ち取りましょう。

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