ZENSHIN 2008/11/24(No2369 p06)

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週刊『前進』(2369号1面1)(2008/11/24 )

 青年先頭に“生きさせろ!ゼネスト”へ

 闘う労働組合よみがえらせ民営化・道州制・改憲粉砕を

 獄中学生同志を直ちに奪還しよう

イタリアでゼネスト イタリアで11月14日、大学の教職員を先頭に労働者200万がスト。ローマは100万人の労働者・学生デモで埋めつくされた=関連4面

世界金融大恐慌は、実体経済全般に波及し激化している。これから米・日・EUを始めとする世界の帝国主義は奈落の底へどんどん転落していく。いよいよプロレタリア世界革命が求められる情勢だ。絶望的危機にあえぐ帝国主義は、労働者階級への攻撃を強めている。米大統領選で勝利したオバマは、アメリカ革命の現実性に対する予防反革命として登場した。ブルジョアジーの救済のためにプロレタリアートの闘いを必死に抑えつけようとしている。日本の階級情勢も大激動に突入した。とりわけ田母神前空幕長の論文と国会での発言は超重大である。自衛隊内部からの組織的な「反革命クーデター」だ。その矛先は労働者階級に向けられている。全力で対決し、階級的労働運動の白熱的実践に一切をかけて闘おう。

 11・2のかつてない地平

 この激しい階級情勢だからこそ、11・2労働者集会の大成功は決定的に重要である。11・2集会は、これまでとは次元を画するかつてない勝利と成果を実現した。革共同創成以来50年、われわれは全国の闘う労働者とともに、革命的共産主義運動の最高の地平をついに手にしたのだ。
 総括の第一の核心点は、世界金融大恐慌という歴史的情勢に対して、「資本主義はおしまいだ」「労働者に権力をよこせ」という時代認識で立ち向かう、労働者階級の国際的な団結を推し進めたことである。階級的労働運動の白熱的な展開をもって、日本と世界の労働者階級に世界革命を鮮明に提起したのだ。
 世界金融大恐慌に対置すべき回答は、プロレタリア世界革命以外にない。労働者階級には、没落する資本主義・帝国主義と闘いぬいて勝利する圧倒的な展望が開かれているのだ。
 民主労総ソウル地域本部のイジェヨン本部長はこう語った。「全世界の労働者よ、団結せよ。資本主義に対して闘おう」「労働者の世の中をつくるために、われわれ労働者はひとつに固まらなければなりません」「改良主義を克服し、資本主義の生産様式を打破し、社会主義へと進む変革的労働運動で自らを革新しよう」「全世界の労働者が労働者階級の国際連合をつくり、社会主義的変革運動へ」
 ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10執行委員のジャック・ヘイマン氏はこう発言した。「帝国主義戦争に反対し、私たち自身の利益のために闘う労働者階級の党、私たち自身の党を必要としている」「民営化、非正規職化、規制緩和、自由貿易協定、移民労働者の権利はく奪、労組破壊、失業、インフレそして帝国主義戦争に対する闘い――これらすべての闘いは、国際主義的労働者、革命的な労働者の党によって組織されるのです」
 社会主義革命と国際的階級的団結、国際的な労働者階級のひとつの組織、労働者革命党の呼びかけが真正面から発せられたのだ。これは、本当にすごいことだ。
 5700人の結集は、このような時代認識と路線による革命的国際的な団結だ。資本と非和解的に対決し職場生産点から決起した5700人の動労千葉派が、世界金融大恐慌情勢と対決してここに登場したのだ。
 世界大恐慌そのものが資本主義・帝国主義の大崩壊として爆発する。これを革命の勝利に転化することが、国際労働者階級の課題として提起されている。1930年代のアメリカと世界(日本も)がそうであったように、大恐慌下、労働者階級は生きるための闘いに猛然と立ち上がる。階級闘争は巨大なスケールで内乱化し革命化していく。労働者階級が全権力を握り、資本主義の全世界的な転覆の上に、まったく新たな、真の人間的共同性にもとづく社会(共産主義社会)を地球的規模で打ち立てる――今こそ、このプロレタリア世界革命を、断固としてかちとる時である。

 体制内勢力と対決貫く

 11・2闘争の第二の核心点は、国家権力と資本、「4者4団体」派や塩川一派など11・2集会の破壊を策した反動勢力と真正面から対決して勝利したことだ。とくに「4者4団体」派の10・24国鉄闘争幕引き集会か、それとも11・2集会かという、労働運動の死活をかけた党派的=路線的分岐を積極的にやり抜いて、階級的労働運動を力強く推し進めた。
 世界大恐慌が日に日に激化していく中で、この分岐と激突が進行した。国鉄1047名闘争は、最末期帝国主義の新自由主義攻撃の柱である民営化・労組破壊攻撃との最前線の闘いだ。解雇撤回を投げ捨てるのか、解雇撤回を貫くのかをめぐる対立と分岐は、大恐慌で崩壊のふちに立つ資本主義を救済するのか、それとも打倒するのかをめぐる対立と分岐でもある。
 動労千葉の田中康宏委員長は11・2集会で、日本労働運動の命運をかけて国鉄1047名解雇撤回闘争を訴えた。ここに日本と世界の労働運動の未来を決める重大問題があるからだ。
 そして全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長は、この11月集会の3労組共闘が「1047名の解雇を許してはならないという国鉄闘争として開始された」と述べ、1047名解雇撤回闘争を「集会参加者一人ひとりの課題として、各地の地域・職場で闘争を組織しよう」と訴えた。
 ジャック・ヘイマンさんも、「階級協調派のイデオロギーが世界中で労働運動を支配している」ことに対して、「労働運動内の国際階級闘争派の存在が差し迫った要求となっている」と訴えた。
 国鉄闘争は、労働組合と労働運動の現在と未来をかけた決戦だ。階級戦争そのものだ。だからこそ、広範な支援陣形が形成され、長きにわたって不屈非妥協で闘われてきた。勝利の展望は、今こそ開かれてきている。これが動労千葉派の、そして3労組共闘の情勢認識と確信だ。
 ところが、「4者4団体」路線派は、国鉄分割・民営化から21年間、ここまで激しく敵を追いつめてきたのに、「敵陣営は揺るぎなく、盤石だ。わが方はもう持たない」とか、「解雇撤回は玉砕主義だ」などと言って敗北主義を振りまき、団結を破壊し、階級性を曇らせ、闘いから逃亡しようとしているのだ。こんなことが許されるはずがないではないか!
 裏切りの「4者4団体」路線との闘いは、これからますます重要だ。世界大恐慌下の労働運動がどこに行くのかが、ここにかかっているからだ。徹底的に対決して、「4者4団体」路線を打倒し、4大(6大)産別−全労働者の闘いの陣形を強固につくりあげていこう。
 11・2集会では、”1047名を絶対に裏切らない。とことん闘う”と誓った5700人が日比谷野音に結集した。これは昨年とは決定的に違っている。あいまいなものは一切吹き飛んだ。吹き飛ばした。そして、この党派闘争と反動との闘いにかちぬき、鍛えられた青年労働者と学生が、2000万青年労働者の怒りと結合して、みずみずしく登場したのだ。

 第2、第3の動労千葉を

 

11・2闘争の第三の核心点は、08年から09年へ、階級的労働運動を白熱的に実践していく出発点を築いたことだ。11・2闘争は、第2、第3の動労千葉をつくり出す可能性を圧倒的に示した。革命的労働組合をつくりだし、職場拠点、組合権力を強化・拡大し、地域を階級的労働運動で制圧するのだ。この飛躍と実践を、5700人が断固として決意した。ここに1万人結集の決定的なカギもある。
 中野洋動労千葉前委員長の『新版 甦(よみがえ)る労働組合』が出版され、11・2集会を組織する大きな力になった。このタイトルどおりに闘う労働組合を甦らせる闘いが、11・2に向かう過程で音を立てて始まった。この本には、生きたマルクス主義の実践がぎっしりつまっている。
 09春闘の「生きさせろ!ゼネスト」へ、職場生産点での実践を、11・2闘争の地平でやり抜こう。第2次国鉄決戦を先頭とする6大産別決戦を資本・権力と非和解的に対決して貫き、体制内派・階級協調派との党派闘争を激しくやりぬこう。道州制は自治労、日教組など労働運動解体の大攻撃だ。200万人首切りを狙う道州制と民営化攻撃を粉砕し、その先兵=橋下大阪府知事を打倒しよう。
 マルクス主義青年労働者同盟1000人とマルクス主義学生同盟1000人の建設を全力で推進しよう。11・2闘争の高揚は、青年労働者・学生が巨大な規模で決起を開始したことを端的に示した。『甦る労働組合』の学習会を組織し、職場細胞を建設しよう。労働学校をさらに充実させ、全国各地に広げていこう。
 そして、第2次国鉄決戦を先頭に6大産別の闘いを前進させ、とりわけ12・14国鉄集会の成功をかちとることである。4者4団体路線を許したら、全産別全職場が反動的に一変するのだ。怒りを燃やして4者4団体路線弾劾の闘いを全戦線で展開し、11月潮流への獲得戦を猛然と推進しよう。
 獄中同志奪還の保釈金1億円カンパ、冬期一時金カンパ闘争を、「生きさせろ!ゼネスト」に向かう階級決戦の一環として闘いとろう。カンパ闘争は、闘いのすそ野を圧倒的に拡大する価値創造的な闘いであり、組織建設的な闘いだ。
 富山大学の武藤淳範君と11・2デモ弾圧の全逓労働者の奪還に続いて、19人の学生同志を直ちに奪還しよう。高額保釈金攻撃を打ち砕こう。
 獄中34年の星野文昭同志が、世界大恐慌の革命への転化を徳島刑務所から激しく訴えている。「星野文昭さんを自由に!11・29全国集会」を圧倒的な結集で成功させよう。

動労千葉への不当捜索 弾劾する 動労千葉の声明=4面

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週刊『前進』(2369号2面1)(2008/11/24 )

 金融大恐慌―世界革命情勢の成熟にあたって 全世界の労働者階級に訴える

 労働者自己解放の思想であるマルクス主義を今こそ全面的に奪い返して闘おう

 革命的共産主義者同盟

「国境を越えた団結を!」日米韓の労働者が道いっぱいのデモ(11月2日 東京)

11・2全国労働者総決起集会とそれに続く訪韓闘争は、労働者階級の国際連帯の決定的な新地平を開いた。革命的共産主義者同盟はここにおいて、全世界の労働者階級に対して日米韓の3カ国語によるアピールを発し、世界金融大恐慌の爆発をプロレタリア世界革命の勝利に転化するために、マルクス主義の復権と世界単一の労働者党の建設に向けてともに闘おうと呼びかけた。その全文を掲載する。(編集局)

 資本主義・帝国主義の大崩壊が始まった。プロレタリア世界革命をやりぬく時代がついに来た

 1929年の大恐慌をはるかにこえる世界金融大恐慌が爆発した。最末期の帝国主義はこの数十年、新自由主義の規制緩和・民営化のもとで資本主義の弱肉強食の論理を極限まで満展開させてきた。労働者階級へのすさまじい強搾取・強労働と福祉はく奪、全人民の収奪、貧困化の上に、一握りの大ブルジョアジーが法外な利益をむさぼってきた。その結果がついに、資本主義の経済社会システムそのものの中心部からの瓦解となって現れた。
 今や、全世界の帝国主義者、資本家階級はパニックに陥っている。しかし彼らにできることは、この世界金融大恐慌の中で他を蹴落としても自分だけが生き残ろうとあがきにあがき、その結果、大恐慌を底無しに激化させていくことだけだ。最後は世界経済の完全な分裂・崩壊と新たな世界戦争の破局に突っ込んでいくしかない。彼らにとって、もはや出口はどこにもない。
 労働者階級にとっては逆に、待ちに待った決定的なチャンスの到来だ。長きにわたるブルジョアジーの支配を最終的に打倒し、終わらせる時がついに来たのだ! 全世界の労働者階級と、搾取され抑圧されているすべての人民にとって、いま必要なことは、資本家階級と一緒になって世界大恐慌から資本主義を救い出す道がどこかにあるのではないかと探し求めることでは断じてない。それは資本家とともに破滅への道を歩むことであり、第一、そんなことは不可能だ。いま起きているのは、1917年ロシア革命によっていったんその一角を打倒されながら、ロシア革命を変質させたスターリン主義の裏切りに助けられて延命してきた帝国主義が、ついにその終末を迎えたということだ。この資本主義・帝国主義の断末魔のあがきに終止符を打ち、社会を崩壊のふちから救い出すのはただひとつ、プロレタリア世界革命の完遂だけである。
 われわれ労働者階級が望むのは、この社会の部分的な改良ではなく、全面的な転覆だ。そもそも、資本主義体制になんらかの改善を加えることで搾取や貧困の問題は解決できるなどという幻想は、これまでの歴史がそのインチキをとっくの昔に暴いているではないか。われわれは単に、不平等に対して平等を、貧困に対して豊かさを求めているのではない。労働者階級に対する賃金奴隷制の廃止、人が人を搾取することで成り立つ社会そのものの廃絶を求めている。資本の利益の前には労働者の生命など虫けら同然とされ、金がすべてを支配しているこの社会を、根底からぶちこわすことを求めているのだ。
 社会の真の主人公である労働者階級が全権力を握り、資本主義の全世界的な転覆の上に、まったく新たな、真の人間的共同性にもとづく社会(=共産主義社会)を地球的規模で打ち立てること――これがわれわれの目標である。今こそこのプロレタリア世界革命を、断固としてかちとる時代が来たのである。

 世界を変える力は労働者階級の階級的・国際的団結とその闘いの前進の中にある

 プロレタリア世界革命の条件はすでに圧倒的に成熟している。資本家階級はどこでも、もはや従来のやり方では労働者階級を支配できなくなり、統治能力を失っている。今や誰もが、現状の根本的変革を心の底から望んでいる。
 革命を起こす力はどこにあるのか。労働者階級自身の中にある! 団結した労働者の力だけが、社会を変革し、歴史を動かす力だ。資本の支配を打ち破る力は、実は一人ひとりの労働者の中に備わっている。この力は、労働者がバラバラに分断され、互いに対立・競争させられて、団結できない状態に置かれている時には認識できない。だが労働者がこの分断を打ち破って、この社会を動かしている本当の主役は自分たちだという誇りと自覚に目覚め、階級としてひとつに団結し、資本家階級との非和解の闘いに立ち上がっていく中で、それまで思いもよらなかった自己解放の力が労働者自身の内側から解き放たれてくるのである。
 しかも労働者階級は、国際的に単一の階級であることをその本質としている。プロレタリア革命は、本質的に世界革命である。国境や民族による分断と差別・抑圧は、帝国主義が、世界革命へ向けたプロレタリアートの国際的団結を破壊するために、意識的に作り出してきたものだ。だが労働者階級は、同じ敵に対して同じ闘いを闘っている仲間だと互いに認識しあった瞬間に、あらゆる分断をのりこえてひとつになれる階級である。そして労働者階級の階級的団結が、国境をこえた団結へと発展したとき、それはまさに全世界を変革する力を獲得する。
 そして今、「万国のプロレタリア、団結せよ!」という『共産党宣言』の言葉が文字どおりの現実になる時代がやってきたのだ。マルクスが「資本主義の墓掘り人」と呼んだ労働者階級の存在と闘いは、今や世界のあらゆる地域に、膨大な数で広がっている。世界中で労働者の「生きさせろ!」の叫びと嵐のようなストライキ、デモ、暴動が起こっている。とりわけ2008年5月1日のメーデーで起きたことは決定的である。アメリカの港湾労働者とイラクの労働者が連帯して戦争協力拒否のストライキに立ち上がった。労働者が国際的に団結して決起すれば、戦争も実力で止められる! 帝国主義は倒せる! ここにプロレタリア世界革命の圧倒的な現実性がある。
 世界革命へ向けた労働者階級の国際組織である新たなインターナショナルの創設に踏み出す時が来ている。日本の動労千葉が呼びかけ、毎年11月に開催されてきた日米韓3国労働者の国際連帯集会は、その母体となるものだ。ここで形成される団結をさらに強化・拡大・発展させ、世界の労働者を今こそひとつにつなげる闘いを開始しよう。

 労働者階級への不信と絶望をあおってきたすべての反動的イデオロギーを粉砕し、本物のマルクス主義を復権させよう

 プロレタリア革命の本質は、労働者階級が自分で自分を解放する、労働者階級自己解放の闘いである。そして労働者階級は、賃金奴隷制のくびきから自らを解放することによって同時に、階級社会の廃絶とあらゆる抑圧からの全人間の解放を可能にする。このことを明らかにしたのがマルクス主義だ。
 ロシア革命を変質させたスターリン主義はしかし、マルクス主義の核心であるこの労働者階級自己解放の思想を根本からゆがめ、否定した。世界革命を裏切り、放棄したスターリン主義が、その裏切りを「一国でも社会主義は建設できる」と言って居直ったことが歪曲と変質の出発点となった。ソ連スターリン主義は「労働者国家」を名乗りながら、実際には党と国家を私物化した一部の特権官僚が逆に労働者大衆を支配するという自己矛盾の中で、最終的に崩壊した。さらに、スターリン主義の破産はその対極に、「プロレタリア革命をやってもそれだけでは社会の矛盾はなくならない」として、マルクス主義以外のところに救いの道を求める様々な思想と運動を生み出した。20世紀の終わりには、それらは一種の「流行の思想」にまでなっていった。
 このすべては、労働者階級の革命性を否定し、「現実の労働者には社会を変える力はない」としていく点で根本的に誤っている。労働者を自己解放の主体ではなく、単なる「救済の対象」としてしか見ない。したがって、資本の支配を実力で覆す労働者階級の闘いが本格的に開始された時、その闘いに逆に恐怖し、敵対する存在へと転落するのである。
 世界革命情勢の急速な成熟は、労働者階級への不信と絶望を組織するこれらの反動的イデオロギーと徹底的に闘って、本物のマルクス主義を労働者階級の手に取り戻す闘いを絶対不可欠としている。動労千葉の中野洋顧問(前委員長)は、「僕は、労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てると確信している」と言い切っている。そのとおりだ。動労千葉は、1980年代以来の新自由主義攻撃の重大焦点であった日本における鉄道の大民営化攻撃に、真っ向から闘いを挑んで勝ちぬき、生き残ってきた、世界にもまれな労働組合だ。その強さの秘密はまさに、労働者一人ひとりのもつ自己解放の力に対する徹底した信頼と、それに基づく団結にある。言い換えるなら、本物のマルクス主義を労働組合の日常の実践の中に貫き通して闘ってきたことにある。
 プロレタリア革命とは、どこにでもいる「普通の労働者」が全員、プロレタリア権力の直接の担い手となり、名実ともに社会の主人公となって自ら全社会を支配することだ。それを可能にするのは労働者階級の団結だ。労働者階級は、その階級的団結の形成と発展をとおして、階級社会のもとで奪われ続けてきた人間本来の共同性を実力で奪い返していく。団結とは、コミューンの原基体だ。労働者階級はその団結した力をもって、職場生産点の支配権を資本家の手から奪い取り、さらに農民をはじめ帝国主義と闘うすべての勤労人民をも自らのもとに結集して、ブルジョア国家権力を打倒し、革命に勝利する。そこでブルジョア独裁に代わって打ち立てられるプロレタリアートの独裁は、いわば団結の究極の拡大なのである。
 そして支配階級となったプロレタリアートは、その瞬間から自己の「階級としての死滅」を準備し始める。すなわち、古い社会の解体と搾取なき社会の建設をとおして階級と階級対立の発生する物質的根拠を取り除き、その代わりに、一人ひとりの自由な発展が、すべての人びとの自由な発展の条件となるような真の共同社会を実現するのである。
 このように、プロレタリア革命とは労働者階級自身による壮大な事業である。その第一歩は、労働者階級が自らの思想であるマルクス主義を、あらゆる歪曲を取り払って自分自身の手に奪い返し、実践していくところから始まるのだ。

 労働組合こそ資本と闘う武器だ。資本の手先に転落した御用組合幹部を追放し、労働組合を現場労働者の手に奪い返して闘おう

 プロレタリア世界革命を実現していく最大のカギは、階級的労働運動の再生だ。その核心は、労働者階級の最も基本的な団結形態であり、資本と闘う決定的な武器である労働組合の、本来の姿をよみがえらせることである。
 これまで、スターリン主義や社会民主主義、あらゆる色合いの体制内改良主義が、世界の労働運動を長い間牛耳ってきた。他方で、組織された労働者の闘いにはもはや社会変革への希望を見出せないという、労働組合と労働運動への不信と絶望の思想がやはり世界にはびこってきた。これらが労働者階級の闘いへの妨害物となり、その怒りの爆発をおしとどめ、新自由主義のもとでの資本の無制限の搾取を助長し、膨大な労働者をワーキングプアに叩き込んできた元凶である。これと徹底的に闘い、打ち破ることが必要だ。組合を支配してきた御用幹部をランクアンドファイル(現場組合員)の決起によって打倒・追放し、動労千葉のような本当の闘う労働組合を、すべての職場によみがえらせていこう。
 体制内労働運動の幹部たちは言う。「会社がつぶれたら労働者も生きられない」と。資本家階級は言う。「自分たちなしでは社会は運営できない」と。大うそだ。確かに資本主義社会では、資本の存在がなければ労働者の賃金労働は成り立たない。だが実際に生産に従事して、この社会を動かしているのは労働者だ。教育や医療もすべて現場の労働者が担っている。資本家階級は労働者を搾取してそこから莫大な利潤を吸い上げているが、本質的には労働者階級の労働に寄生しているにすぎない。資本家階級を追放して、彼らの私有財産にされていた社会的生産手段のすべてが団結した労働者の手に移されれば、労働者はその団結の力で立派に社会を運営できるのだ。しかも搾取階級という寄生物がいなくなることで、労働者が生み出す巨大な生産力は、そのすべてを人間社会の発展のために役立てることが可能になる。
 労働組合は、労働者階級が資本の際限のない搾取と必死に闘って生きぬくために、自らつくりだした階級的団結の砦だ。それは、資本との日常的なゲリラ戦を闘いぬくと同時に、賃金鉄鎖をひきちぎる闘いに向かって労働者が自分自身を訓練し、準備し、自らの職場生産点をプロレタリア革命の拠点に変えていくための組織である。この階級的労働運動と革命運動は、限りなく一体だ。だからこそ全世界のブルジョアジーは、階級的労働運動の発展を阻むために、御用組合幹部をも手先に使って、労働者の団結破壊に必死になっている。これを打ち破って進むことが決定的だ。闘う労働組合の力強い姿を、今こそ歴史の前面に登場させよう。

 プロレタリア革命に勝利する労働者階級の党をつくりだそう

 革命的共産主義者同盟は、日本の地で、動労千葉と連帯し、ともに歩んできた共産主義者の組織である。われわれは、1950年代後半、当時のソ連に代表されるスターリン主義と決別し、日本共産党から分離独立して自らの組織を創立した。そして〈反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命〉の綱領を掲げ、国家権力の弾圧やファシストによる白色テロルと徹底的に闘い、様々な試練をくぐりぬけて半世紀を超える闘いを貫いてきた。われわれの同志の一人、星野文昭は、1971年の沖縄闘争でデッチあげ逮捕され、不屈・非転向の獄中闘争をすでに34年にわたって闘いぬいている。そして今、われわれは、資本主義・帝国主義への大反乱を開始した青年労働者や学生とともに、21世紀の革命を絶対にやりぬく決意に燃えて新たな進撃を開始している。
 労働者階級がプロレタリア革命に勝利するためには、労働組合と並んで、労働者の政治組織、党が必要である。革共同は、動労千葉の闘いに学びつつ、労働者階級の党、マルクス主義の党として自己を建設するために不断の自己変革を重ねてきた。われわれは、帝国主義やファシスト勢力との血みどろの闘いと、スターリン主義やあらゆる体制内運動との非妥協的対決の中で、本物のマルクス主義をつかみ直すための真剣な努力を積み重ねてきた。そして今日、その到達点を、『共産党宣言』『賃労働と資本』をはじめとするマルクス主義基本文献の学習に関する一連の本の刊行をもって明らかにしている。
 われわれは今、あらためて、全世界の労働者階級に呼びかける。本物のマルクス主義を今こそ復権しよう。本物のマルクス主義の党、世界革命に勝利する労働者階級の党をともにつくりだそう。全世界の労働者階級が一つの軍勢となり、資本主義社会を転覆する革命をやりぬく時代がついに来たのだ。1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命が切り開いた地平を真に継承し、発展させ、ともに最後の勝利に向かって攻めのぼろう。「プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。獲得すべきは全世界である」――この『共産党宣言』の言葉に、生きた魂を吹き込む闘いをやりぬこうではないか。

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週刊『前進』(2369号3面1)(2008/11/24 )

 関合労大阪東部支部 “派遣労働者の解雇を撤回しろ”

 森精機で24時間スト

 派遣元と派遣先を串刺しに

 「森精機は契約解除=解雇を撤回しろ!」
 11月13日、関西合同労組大阪東部支部・技能育成センター分会は、派遣先の森精機奈良第一工場において24時間ストを打ち抜いた。森精機構内での集会とデモを闘いとった実に感動的なストライキだ。やったぞ! 分会の仲間は勝利感でいっぱいだ。「生きさせろ!」ゼネストの突破口を切り開く歴史的な決起だ。 9人の仲間の偉大な決起、万歳!
 「おれたちはモノじゃない!」と怒りのストに決起(11月13日 奈良県大和郡山市)

 「派遣」300人に突然解雇通告

 10月9日、森精機は突然、奈良第一工場で働く俺(おれ)たち派遣労働者全員の契約解除=解雇を通告してきた。11月10日には、技能育成センター(技能)から派遣された4人の仲間が首を切られた。12月末までに全員が首を切られるのだ。派遣元である技能は、技能に戻るか辞めるかを迫ってきた。技能に戻っても、来年1月には技能は同じ系列の派遣会社・プレミアラインに統合される。何割かの労働者は「プレミアラインに行けない」と言われており、統合の過程で労働者が次々と首を切られていくんだ。これで黙っていられるか!
 森精機は世界に名の売れた工作機械メーカーだ。この5年間で大幅に増収しているが、リーマン・ショックに端を発する金融恐慌、円高で輸出が減ったとして派遣労働者300人を突然削減すると発表した。森精機には5社もの派遣会社が入っている。元々禁止されていた製造現場への派遣が解禁されたことを悪用し、大量の派遣労働者を正社員の半分以下の賃金でこき使って、景気が傾けばいつでも首を切る対象としてボロもうけしてきた。森精機の莫大(ばくだい)な富はすべて労働者が働いて生み出したものだ。突然の契約解除など絶対に許せない!
 そもそも俺たちは派遣元である技能にものすごい怒りをもっている。低賃金である上に、手当や一時金など約束どおり支払われたことがない。俺たちは職場の仲間に声をかけ、労働組合に入って闘おうと呼びかけた。その最中に森精機による突然の全員解雇だ。ふざけるな! 俺たち派遣労働者はモノじゃないぞ! 工場を回しているのは俺たち労働者だ!
 俺たちは森精機と技能を串刺しにする闘いを決意し、10月15日、関西合同労働組合技能育成センター分会を結成した。そして10月29日と11月7日の2回、技能に団交をたたきつけたが、技能はまったくのゼロ回答だ。上等だ! 交渉で何とかなるなんて最初から思っていない。

 分会を結成後1カ月でスト

 ストライキで闘おう!
 俺たちは、仕事を終えてから連日の分会会議をもち、議論に議論を積み重ねた。みんなそれぞれ不安や葛藤(かっとう)と闘いながら、技能育成センター分会は急速に団結を固めた。ほんのこのあいだまで「労働組合って何?」という仲間がほとんどだった。一人ひとりが「13日の蜂起」に向かって、ものすごい飛躍と転換をかちとっていった。分会結成から一月もたっていない。これが「革命」だ!
 この日、分会の仲間、支援の仲間は朝7時半出勤時からのビラまき、スト通告、構内でのシュプレヒコール、構内デモ、集会、近鉄奈良駅前での情宣、退勤時のビラまきと終日ストをやりぬいた。退勤時、「ストライキを貫徹したぞ」という分会員のアピールに満面の喜びを示す労働者が増えていた。拳を上げて応える労働者が何人も出てきた。
 働き盛りの労働者を派遣や期間工や社外工として正社員の半分や3分の1の低賃金でこき使い、空前の収益を上げてきた自動車や電気、機械などの大企業の資本家どもよ! 森精機派遣労働者のストライキの前に戦慄(せんりつ)するがいい! 労働者はあらゆる分断をのりこえて団結して立ち上がる。
 大恐慌の時代は、労働者が社会の真の主人公として立ち上がり資本家から権力を奪い取る時代だ! 資本家どもの時代はもう終わった! 京品ホテルの闘いが示すように、資本家などいなくても労働者はこの社会を動かすことができるんだ!
 闘いはこれからだ! 11月末に森精機から首を切られる仲間がいる。12月末には全員が切られる。俺たちは、第2波、第3波のストライキをたたきつけてやる! 関合労は闘うぞ! 技能育成センター分会は闘うぞ!
 (投稿/関西合同労組大阪東部支部・長田徹)

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週刊『前進』(2369号3面2)(2008/11/24 )

 道州制=200万人首切り粉砕を

 先兵・橋下大阪府知事を打ち倒せ

 日本経団連 「09年に基本法の制定を」

 「2015年導入」へ第2次提言

 世界金融大恐慌―世界同時不況のもと帝国主義間争闘戦が激化しているなかで、日帝・支配階級はその延命をかけて一斉に道州制導入に向かって動きを加速させている。
 道州制とは何か。端的にいえば公務員200万人首切り、公務員労働運動解体、改憲・戦争の攻撃だ。直接には@都道府県を廃止して全国を約10の道または州に分割し、道州に国の権限を移譲するA市町村合併で最終的に300の基礎的自治体に再編するB国の役割を外交・軍事などに特化する――国家大改造だ。戦後民主主義から戦争国家体制へ転換する改憲クーデターだ。
 日本経団連は11月14日、「道州制の導入に向けた第2次提言」を発表した。2009年に「道州制推進基本法」を制定し、2015年に道州制を導入すべきだと主張、道州制導入を麻生政権と「軌を一にして前に進めたい」と強調した。
 自民党道州制推進本部も11月13日、道州制基本法案を検討する委員会の設置を決め、基本法案の来年の国会提出を目指す方針だ。年内に道州制の理念や移行目標などを定めた基本法案骨子をまとめる。
 麻生首相は、政権発足時に公明党と「道州制に関する基本法の制定に向け、内閣に『検討機関』を設置する」ことで政権合意を交わし、所信表明演説でも、国の出先機関を地方に移すなど地方分権を進めた上で「最終的には地域主権型道州制を目指す」と表明していた。
 政府の道州制ビジョン懇談会(江口克彦座長)は3月の中間報告で2011年の通常国会に基本法案を提出するとしていたが、2年早めるのだ。
 新たに設置された自民党の「道州制基本法制委員会」の杉浦正健委員長は、次期衆院選の政権公約(マニフェスト)に「『道州制実現』と踏み込み」、「3年以内に基本計画策定」と盛り込むことを明らかにした。
 一方、民主党も11月13日の分権調査会で、市町村合併を進めて全国を700〜800の自治体に再編し、最終的には都道府県を廃止して小沢一郎代表の『日本改造計画』(1993年)がうたう「300程度の基礎的自治体」からなる地域主権型の国家を目指す方針を打ち出した。
 とりわけ橋下徹大阪府知事は道州制導入の最先兵だ。橋下は、関西財界の手代として大阪府廃止・関西州設置が目標だと宣言し、そこに向かって大阪府丸ごと民営化の攻撃を強行している。

 大資本の利益と繁栄図る

 「道州制導入に向けた第2次提言」は、@道州制導入による公共投資の効率化など国内全体で少なくとも約5兆8500億円の行政経費の削減が可能A地方の農政局、整備局など国の出先機関の原則廃止などで、新たに国と地方で約3万3000人の公務員削減が可能――として、道州制の効果を「試算」してみせ、アピールしている。
 日本経団連はこのように、国から道州への行政権限や税財源の大幅移譲、行政経費の節減など行財政改革を行い、「分権型国家を構築し、広域経済圏を形成」すれば、地方が活性化し、日本経済全体の成長力、国際競争力を向上し、日本の繁栄が保証されると描く。資本が直接統治する道州制の導入で帝国主義間争闘戦に勝ちぬき、生き残ろうとしているのだ。
 道州は、公務員の定数削減・賃金削減、公共投資削減でひねり出した財源で私企業向け産業政策を展開し、経済を成長させ、基礎的自治体は、住民福祉・医療・介護などを住民の相互扶助・共助、自己責任・連帯責任にまかせる、という計画だ。つまり道州制導入は大資本の利益の増進と繁栄のためにのみ行われるのだ。その結果は日本の貧困大国化だ。
 道州制導入で、1000兆円に上る累積債務を抱える国・地方の矛盾は基礎的自治体に押し付けられる。自治体の事務・事業は市場化テストなどで丸ごと民営化され、人員削減、正規職の臨時・非常勤への置き換えが進む。分限免職も発動される。200万人首切りだ。
 この200万人首切り攻撃は、日本経団連の「道州制導入に向けた第1次・第2次提言」では隠されているが、2006年4月の関西経済同友会の提言「5年後に『連邦的道州制』に移行せよ」ではより露骨に主張されている。

 ストライキで団結守ろう

  関西経済同友会の提言は「国・地方合わせて55兆円の歳出削減」「新たな政府で働く人材は『半分の人員で倍の仕事』を」と明記している。「410万人の公務員のうち自衛官・警察を除く360万人弱を関係法を制定の上、いったん(全員)解雇する。85万人を削減した上で……新たなエリートを中央・道州政府に登用する」「教育公務員など126万人の現業公務員は、国立・公立学校を私学化するなど組織を公設民営化した上で再雇用の機会を与える」
  85万人プラス126万人、計211万人の公務員が首になる。失職する85万人は国鉄分割・民営化時の人材活用センターや国鉄清算事業団と同様の「公務員支援事業団」に送られる。国鉄分割・民営化=20万人首切り攻撃をも上回る大攻撃だ。動労千葉のようにストライキで闘う以外にない。
  この提言を実行に移しているのが橋下徹・大阪府知事だ。橋下は「半分の人員で倍の仕事をする能力」のあるものだけが関西州で採用されるとうそぶき、「財政非常事態」「教育非常事態」「大阪維新」を叫んでリストラ・民営化を強行している。府職員の賃金を4―16%、393億円削減し、「だめ教員は分限免職にする」と叫び、学力テストの結果公表を決め、教育民営化を強行しようとしている。道州制の先取りとして大阪府と大阪市の水道事業統合=民営化を始める。
  橋下は「怠け者の労働者が社会を悪くした」と転倒した観点から労働者階級を攻撃する。労働者階級の怒りと団結の力を甘く見ているのだ。労働者が誇りと怒りをもって決起すれば橋下を打倒することができる。金融大恐慌で彼らの足元はぐらぐらなのだ。体制内労働運動を打倒し、階級的労働運動の力で道州制導入、自治体丸ごと民営化、200万人首切り、人事評価=査定給、労組破壊、改憲・戦争国家化を阻止しよう。

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●日本経団連「道州制導入に向けた第2次提言」(骨子)

・2015年に道州制への移行を提案
・行政経費を年間5兆8483億円削減内訳は公共投資4兆3353億円と地方公務員人件費1兆5130億円
・国と地方で3万3000人の公務員削減
・全国を10程度に区割りし、道州を設置。北海道と沖縄は単独の「特別型道州」とし、国が時限的に財政支援
・地方の自立や活性化で格差を解消
・全国1800弱の市町村を合併で約1000に集約し、道州傘下の基礎的自治体に移行
・東京の首都機能は移転せず、経済都市として国際化し、地方に富を分配

●関西経済同友会提言「5年以内に『連邦的道州制』へ移行せよ」(骨子)

・憲法を改正し、5年以内に「連邦的道州制」へ移行
・国、地方合わせて55兆円の歳出削減
・国債・地方債の発行を停止
・改憲し参議院を「道州代表制」に改組
・議員を2万1000人削減
・公務員はいったん解雇、85万人削減
・教育公務員等126万人を民間に

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週刊『前進』(2369号4面2)(2008/11/24 )

 労働組合への弾圧許すな

 警視庁の不当捜索 動労千葉が弾劾声明

  警視庁公安部が11月10日、動労千葉への不当家宅捜索を行った。11・2労働者集会の成功に対する反動であり、断じて許せない労働組合弾圧だ。しかも、民主労総の労働者大会に参加するために田中康宏委員長を先頭に本部役員が訪韓した留守を狙った悪らつなものだ。国際的な抗議の声が寄せられている。英独のレイバーネットが「日本では戦闘的労働組合に対して系統的な弾圧の政治がある」と抗議の報道を行った。11月14日付「日刊・動労千葉」に掲載された動労千葉の弾劾声明を紹介します。(編集局)
 11月10日、警視庁公安部公安第一課は、11・2全国労働者総決起集会後のデモ行進において「公務執行妨害」で1名を不当逮捕したことを口実にして(被逮捕者は12日釈放)、集会のよびかけ団体であった動労千葉に対する不当な家宅捜索を強行してきた。しかも、本部役員が韓国・ 民主労総労働者大会出席のため訪韓の最中を狙ってやって来たのだ。
 家宅捜索は、警視庁公安部公安第一課の私服警察官約60名及び機動隊でDC会館を包囲し、10時前から12時過ぎまで2時間半にわたって行われた。
 彼らは7月4日の家宅捜索で捜索場所の名称すら間違い、そのことを指摘されたことに逆上して「そんなの関係ない」と本部役員を暴力的に排除して違法な捜索を強行した。今回彼らは、そしらぬ顔でこっそり「DC会館」と書き直してきたのだ。警視庁と令状を交付した東京地裁裁判官は前回と今回の捜索場所の相違になんと応えるのか。
 しかも、「組合事務所」とは、全く関係のない貸し会議室や借り主が全く別の個人の住居なども令状なしに捜索し、会議室を借りていた人を外で待たせるなどの営業妨害を行うなど、違法の限りを尽くした。重ねて令状発出の東京地裁裁判官の責任が問われなければならない。
 さらに、組合事務所から事件と全く関係のない組合大会議案書や機関会議資料、支部の大会資料、日刊なども号数ごとに洗いざらい押収し、外部からの電話の応答を遮断し、あからさまな組合業務妨害を行った。さらに押収できない組合の連絡表や任務分担表などのメモをこっそりとろうとするなど、捜索はデタラメきわまりないものであった。また、私物の携帯電話や手帳、ノートパソコン、カメラのメモリーカードなどを根拠なく押収しさった。断じて許せない。
(写真 不当な家宅捜索を行う警視庁公安部の私服刑事)

 11・2労働者集会と労働運動爆発の予兆に脅える権力

 今回の不当家宅捜索は、11・2労働者集会が新たな階級的労働運動爆発の突破口を切り開いたからこそ襲いかかってきた弾圧だ。
 世界中で金融恐慌が始まり、世界大恐慌へと突入しようとしているなかで、全世界で労働者人民の決起が始まっている。ドイツでは、空前の「資本論」ブームが巻き起こっている。
 この時代に唯一これと立ち向かう労働者の国際的団結勢力として11月労働者集会があること、そしてその予兆を権力者の嗅覚でかぎ取ったからこそ、彼らは闘う労働組合を弾圧の対象として措定し、違法な家宅捜索を強行したのだ。
 われわれは今回の不当家宅捜索を徹底的に弾劾する。労働組合に対する弾圧を断じて許さない。これを強行した警視庁公安部、東京地裁の責任を徹底的に追及する。そして、階級的労働運動の再生と国際的労働運動の爆発に向けて全力で闘いぬく決意である。

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週刊『前進』(2369号4面3)(2008/11/24 )

 世界は革命情勢 大恐慌にヨーロッパで闘いが爆発

 鉄道握り社会止めるスト

 鉄道・教育労働者、学生が最前線に/『資本論』が売り切れ、゙階級闘争を!”

  米国発の金融大恐慌が猛威を振るう欧州で労働者階級のストライキが再びの高揚局面に入っている。鉄道と教育労働者、学生の闘いが顕著だ。

 フランス

  パリで11月13日、約2万人の鉄道労働者がEU(欧州連合)の鉄道民営化政策に反対してデモを行った。EUの鉄道民営化は、すでに貨物輸送から始まり2010年までに国際旅客輸送にまで広げられる。デモには15カ国以上の鉄道労働者が集まり、民営化による労働条件や生活条件の低下に抗議した。横断幕には「鉄道民営化にノー」というスローガンが仏英独語で掲げられた。
 英RMT(鉄道・海運・運輸労組)の労働者は「サッチャーによって開始された英国の鉄道民営化は、公共サービスにおける質や安全面を悲惨なものにした。1996年に英国が犯した誤りをくり返すな」と語った。仏CGT(労働総同盟)鉄道部門の労働者も「鉄道民営化は安全輸送義務を無にしかねない」と危惧する。
 11月5〜7日にはフランス全土で鉄道ストが行われた。今回は貨物部門の労働条件の改悪に反対するもの。貨物と旅客の運転士がともに決起した。ストは6日午前8時から24時間の計画だったが、実際にはスト準備として5日晩から前倒しで突入。事実上36時間ストとなった。運転士の55%以上がストに参加した。TGV(新幹線)の3分の2がストップ。地方の急行列車やパリ市街の鉄道なども2分の1から3分の1が止まった。
 ストに入った運転士たちは、貨物の労働時間の改悪に反対している。当局は、夜間の最大労働時間を現行の6時間から最大7時間半まで延長しようとしている。組合は「夜間における7時間半もの運転は労働者の肉体的限界を超え、安全を脅かす」と指摘している。
 国鉄総裁は「私鉄と同じくらい能率よく働き、競争力をもつことが大切だ」と公言する。当局は、組合側との交渉が不調に終わり、自発的協力者(裏切り者)を募った。当局によれば800人が新しい労働条件に応じた。分断・切り崩し攻撃だ。フランス国鉄は約16万が働く。運転士は1万6千人、うち4千人余が貨物だ。
 国鉄当局は赤字の貨物輸送部門の再建を目標の一つにしている。規制緩和・市場開放政策で貨物輸送部門を国際的な民間資本との競争に投げ込む。労働強化で生産性を上げ、赤字を解消しようというのだ。
(写真 「鉄道民営化反対」の横断幕【11月13日 パリ】)

 ドイツ

  ドイツで11月12日、ついに全国学生ゼネストが敢行された。大学生だけでなく小中高校生も一斉決起した。学校当局による処分の脅しを振り切っての大反乱だ。教育労働者や保護者も合流。参加者は40都市で実に10万人に上る。
 首都ベルリンでは数千人のデモ隊がベルリン大学を包囲、数百人が大学に突入して占拠、2階バルコニーとキャンパスを結ぶ大集会を実現した。
 学生らの要求は、教育予算の増額、1クラスあたりの生徒数削減、正規教員の増員、授業料の低減・教育の無料化など。
 「競争社会・蹴落としあい反対」「銀行ではなく教育に金を」などに加えて、「階級闘争を」「資本主義を廃止しよう」というプラカードも見られた。新自由主義のもとで進行する公教育の解体と教育の民営化に怒りが爆発している。「大学で『資本論』を読もう」というユニークなスローガンもあった。
 デモに参加した高校生は「すべての大学・高校がストをやるべきなのよ。先生と生徒が一緒になってね」「銀行に大金を投入し、国の未来を担う俺たちには一文も出さない。許せない」「ストだけじゃ解決しない。大学や学校を占拠するくらいしなきゃ」と語る。
 スペインで13日、イタリアでは14日、それぞれ数十万人の大学生・高校生のゼネスト的闘いが起きている。1968年の国際的な学生大反乱のような事態が予感される。労働者階級の「生きさせろ!ゼネスト」と一体であり、世界革命を急速にたぐり寄せる。
(写真 バルコニーとキャンパスを結ぶ大集会【12日 ベルリン大学】)

 イタリア

  イタリアで10月30日、再びゼネストが打ち抜かれた。17日に続くもの。教育労働者数十万人が参加した。前日29日の教育改悪案可決に反撃するものだ。政府は、国立大学の民営化や3年間で教職員13万人以上の解雇、教育予算7%削減などを狙う。この非常事態に圧倒的な教育労働者が決起、学校の9割以上が閉鎖になった。ローマのデモには、労働者や学生が全土から貸し切りバスや特別列車で乗り込んだ。ストとデモで都市機能が停止した。
 ベルルスコーニ右派政権は、上下両院で圧倒的多数を確保している。だが、労働者が職場・生産点でストに決起した時、権力者にはなす術がないことが明らかになった。法案は上下両院を通過したものの、政権は完全に危機に陥った。ローマでは極右がデモ隊に鉄パイプで襲いかかった。だが分厚い隊列に阻まれ、素手で応戦した労働者や学生によってたたき出された。

 ギリシャ

  ギリシャでも大規模なデモとストが闘われている。10月21日のストには200万人、全労働者の3分の1が参加した。ギリシャの人口は1065万人で文字どおりのゼネスト。公共交通は完全に止まり、経済活動はほとんどストップした。ギリシャでは2週間前の10月8日にも国営オリンピック航空の民営化や生活費の高騰に抗議して10万人が24時間の全国ストを打ち抜いたばかり。

 世界は革命情勢

  世界大恐慌情勢の中で、欧州鉄道労働者のストとデモは、鉄道民営化攻撃への大きな反撃となった。欧州各国の国鉄は、運輸交通網の中で依然として大きな比重を占める。鉄道労働者のストライキは数百万、数千万人の労働者の出勤を止め、社会全体をストップさせる力を持っている。欧州の鉄道は国境を越えてつながっており、一国のストが周辺国の貨物・旅客に影響を与える。
 各国の国鉄労働運動は、欧州労働運動の戦略的拠点、根幹を形成している。鉄道という社会で最重要の基幹産業を労働者が掌握する闘いとして欧州のスト情勢が急展開しているのだ。
 昨年来の欧州鉄道労働者のストライキの継続と発展は「労働者こそ社会の主人公」「労働者こそが世の中を変革する力を持つ」という見地から見た時、とてつもない意義を有している。
 攻防の核心は、労働組合の破壊だ。組合員の切り崩し工作との闘いが焦点となっている。今回の全国ストは、世界大恐慌情勢で危機に陥るサルコジ政権への強力な打撃となった。
 学生や教育労働者の闘いは歴史を画する新局面を迎えた。独伊などでは学生運動に火が付いた。書店ではマルクス『資本論』が飛ぶように売れ、大学で読書会が行われている。「階級闘争を」「資本主義を廃止しよう」など、スローガンも歴然と変わった。デモも戦闘的だ。警官隊と激しく衝突している。
 各国のデモは1930年代におけるナチスとの街頭戦を想起させる様相だ。極右やファシスト勢力の白色テロと対決して、欧州の労働者階級は革命の力量を蓄えつつある。

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週刊『前進』(2369号5面1)(2008/11/24 )

 星野奪還11・29集会に結集を

 階級的団結で再審勝利へ

 全国に「救う会」を結成しよう

  「星野文昭さんを自由に 第2次再審勝利へ 11・29全国集会」が、「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」の主催で行われる。デッチあげ無期攻撃と対決し、34年間獄中で不屈に闘いぬく星野同志を奪還するために、総結集しよう。職場、学園、地域で闘うあらゆる仲間に参加を呼びかけよう。
 11月14日、「沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会」と「京滋星野さんを救う会」の仲間と金山克巳同志が、星野同志との面会に行ったところ、なんと徳島刑務所は、沖縄と京都の2人の仲間の面会を拒否してきた。06年5月に友人面会をかちとって以降初めての事態である。3人は、怒りを爆発させて猛然と抗議した。刑務所当局は「新しい制度になった。受刑者から出された面会者リストの一人ひとりを精査して許可する。2人は保留」と言う。ふざけるな! 3人は「星野さんと面会したい人は世界中にいる。34年も獄中に閉じ込めて、1カ月に3回だけの面会も自由にさせないというのか」「もっと人間扱いしろ」と、必死に面会を求めた。しかし、この日は金山同志しか面会できなかった。
 10月には、星野同志が「工場」で使っているミシンのライトに落書きがあったことを口実に、星野同志に対して取り調べが強行された。落書きは星野同志が書いたものではなく、結局「懲罰」をデッチあげることはできなかったが、「見つけた時に申告しなかった」と言いなして「統括訓告」なる処分をしてきた。
 帝国主義の危機の中で、刑務所では暴力的支配、管理強化、許しがたい非人間的処遇が一層強化されている。星野同志は、そういう中で生きかつ闘いぬいているのだ。この闘いの勝利の根源について星野同志は次のように言っている。
 「無期の重圧・分断に屈せず跳ね返し、自他の自己解放の思いと力を信頼し、獄中・家族とすべての労働者人民の解放をかちとるものとして闘い、その内実と力を蓄積することによって勝利してきました。だから、それは常に、動労千葉、沖縄、三里塚をはじめとした闘いとつながり、一体の闘いでした」「11・2労働者集会によって、新自由主義を打ち破り、労働者自己解放=人間解放の勝利を開く動労千葉、3労組、日米韓の闘いを圧倒的に発展させるという新たな闘いが開始されています。その闘いの中で、青年・学生を先頭に、星野のように闘おう、星野を取り戻そうという声が広がっていることに、心からの一体感を感じています」
 星野同志との団結を強化し、なんとしても獄壁を打ち破り奪還しよう。
 第一に、階級的労働運動の猛然たる前進だ。世界金融大恐慌情勢に、労働者階級の怒りが根底から噴き出している。資本・権力・体制内勢力と非妥協に闘い、資本主義・帝国主義の崩壊を革命へ転化させよう。その力で、星野同志を奪還するのだ。
 第二に、再審闘争の大前進だ。星野同志に加えられた国家権力による極悪のデッチあげを暴き、第2次再審闘争へ力強く進もう。そして、星野同志の闘いと奪還を労働者階級に訴えよう。プロレタリア革命と革命党を求めて決起した労働者階級は、星野同志の闘いの中に革命を見て取り、絶対に星野奪還の声を上げる。
 法大弾圧を跳ね返して獄中で闘う学生19人の同志は、星野同志と完全に一体となった。獄壁を越え、世代をこえた革命家同士の固い団結だ。
 徳島の青年労働者は、星野同志と面会した日に「職場で逃げずに闘うぞ」と腹をくくった。3日後に解雇されたが、「やっと胸が張れるようになりました」と門前闘争に入った。さらに、青年自治体労働者は「星野さんとの面会から帰った私は今、星野奪還=革命の闘いをしています。星野さんとともに闘っていると胸を張って言いたいと思います」と言って職場闘争の先頭に立っている。
 革命情勢の到来の中で、星野奪還闘争が、階級的労働運動とひとつになり、奪還勝利に向かって荒々しく前進を開始した。
 塩川一派は、星野同志と星野奪還闘争への敵対・破壊のために介入を策動している。塩川一派は血債主義丸だしで、「取り戻せていない無力さ」ばかりを強調する。感傷にひたって自己満足しているだけならまだしも、それは結局、「絶望」「屈服」「分断」の道であり、星野同志の奪還を永遠のかなたにおいやるものでしかない。
 塩川一派を粉砕し、労働者階級の力で星野同志を奪還しよう。全国に「救う会」を結成し、広範な統一戦線を形成しよう。11・29全国集会を大成功させ、星野同志奪還の展望を力強く押し開こう。

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