ZENSHIN 2005/09/05(No2212
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週刊『前進』(2212号1面1)(2005/09/05)
郵政民営化粉砕・小泉打倒
戦争と労組破壊攻撃うち破れ
4大産別決戦の爆発かちとり11月1万人決起に突き進もう
日帝・小泉は解散・総選挙によって、自民党自体をファシスト的反革命政党に変えて戦争と民営化(労組破壊)攻撃に突き進もうとしている。小泉はイラク侵略戦争参戦を継続・拡大し、郵政民営化による全逓労働運動の破壊・解体を突破口に自治労・日教組などの公務員労働運動のすべてを破壊して、戦争体制を形成しようと踏み込んできたのだ。05年前半の「日の丸・君が代」闘争、「つくる会」教科書採択阻止闘争、都議選決戦、靖国闘争が切り開いた地平の上に、小泉の大反動と全力で対決しよう。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が「11・6全国労働者総決起集会」の呼びかけを発した(3面参照)。この熱い呼びかけにこたえて立ち上がり、11・6集会に1万人結集をかちとろう。
第1章 公務員労働者への許しがたい大反動
小泉が今回の解散・総選挙でたくらんでいるものは、戦争と民営化の道にトコトン突き進む自民党への反革命的脱皮ということだ。それは労働者階級への階級性絶滅攻撃でもある。
小泉は「古い自民党をぶっ壊す。改革を進める新生自民党をつくる」と称して党内権力闘争を激化させ、衆院で反対した37人全員の選挙区で、対立候補を立てた。さらにマスコミが郵政民営化推進のキャンペーンを張り、民営化賛成でなければ人ではないかのような宣伝が行われている。
この根底にあるのは、日本帝国主義のどんづまりの危機である。この危機を民営化の強行、市場原理、弱肉強食、国益優先、戦争賛美の「つくる会」教科書と靖国思想で突破しようとしているのだ。
小泉政権は01年4月の発足以来4年余で何をやってきたのか。まず何よりも自衛隊イラク派兵を強行し、北朝鮮・中国侵略戦争のために、周辺事態法に続いて、対テロ特措法、武力攻撃事態法、国民保護法などを制定した。同時に01年6月の「骨太方針T」以来、毎年の「骨太方針」で、財政改革・三位一体改革の名のもとに、郵政民営化攻撃、道路公団民営化、医療制度改悪、年金制度改悪、介護保険改悪、福祉破壊と「障害者自立支援法」制定策動、公務員人件費削減、財政制度改悪などの攻撃を推進してきた。さらに共謀罪新設を図る治安弾圧などの攻撃を加えてきた。
これらの攻撃の核心にあるのが民営化・労働組合解体の攻撃である。
郵政民営化は、何よりも郵政労働者27万人(非常勤含めて40万人)を非公務員化し、民営化後の「雇用継続は保証しない」という国鉄分割・民営化型のリストラ・大量首切り、全逓労働運動破壊の攻撃だ。
小泉は街頭演説で「郵政はなぜ公務員でなければならないのか、民間のサラリーマンではなぜいけないのか」と叫んでいる。
小泉は、40万人全員を民営化された郵政会社のサラリーマンに移すつもりなど毛頭ない。基本的にいったん全員解雇され、再雇用されるが、その時に差別・選別採用が行われ、組合活動家はパージされる大量首切りを行う。公務員のままでは「公務員の身分保障」があるからこれができない。だから民営化なのだ。
すでに大量の人員削減が始まっており、「深夜勤」に象徴される極限的な強労働・強搾取が蔓延(まんえん)しており、さらに過剰人員とされた労働者を「人活センター」に送り込むことが計画されている。小泉は、郵政労働者を「去るも地獄、残るも地獄」という事態に突き落とそうとしているのだ。
全逓労働運動は今日的には連合派指導部のもとで非常な困難を強いられているが、最大の国家公務員労働者を基盤に、戦後革命の頂点となった1947年2・1ゼネストへの闘いの先頭に立った輝ける歴史をもっている。以来、国鉄労働運動とともに官公労労働運動の両軸として戦後労働運動の中核を担い、帝国主義ブルジョアジーの支配を脅かしてきた労働者部隊である。そして78年には全社会を揺るがす越年物ダメ闘争を闘いぬいた。それは今も全逓4・28処分粉砕闘争に脈々と息づいている。全逓労働者の階級的な心棒はけっしてへし折られていない。
このことに今も小泉=日帝ブルジョアジーは心底から恐怖している。だから今回の郵政民営化攻撃をなりふり構わずごり押しし、全逓労働運動の息の根を止めようとしているのだ。
小泉の郵政民営化は、戦争と民営化攻撃の最大の中心軸であり、国家主義・排外主義の攻撃でもある。
「つくる会」会長の八木秀次は「民営化とは精神革命」だと言っているが、これは国家の中軸を担う公務員労働運動からマルクス主義と階級意識・階級闘争を一掃する攻撃だ。平和・民主主義・基本的人権を一掃し、学校、職場、地域で戦争賛美・天皇賛美の皇国史観を注入する攻撃だ。
この「上からの内乱」に対して闘って勝利する道は、「下からの内乱」の組織化である。「ランク・アンド・ファイル運動」を促進し、物ダメ・ストライキで闘うことである。
そして郵政民営化と真っ向から対決し、4大産別決戦を闘うことである。
その最大の攻防点が「連合7・14改憲見解」との闘いであり、10月連合大会での「7・14見解」を阻止する闘いである。そこに向けての自治労大会で「平和基本法」制定による改憲方針への転向を絶対阻止すること、さらに8・30、31国労大会がきわめて重大な決戦になっている。
第2章 反戦・反基地闘争を担う労組つぶし
ブッシュ政権は、米帝の危機の打開を帝国主義間争闘戦で突破することに全力をあげている。その核心が米軍再編(トランスフォーメーション)である。
米軍はすでにアジア・太平洋地域で、指揮統制組織の大規模な再編や新たな戦力の配置を進めている。これは直接的にも北朝鮮・中国侵略戦争突入体制の向上・強化を目指している。
背景にはいわゆる「不安定の弧」への対応という規定を超えて、中国の軍事大国化の動きなど戦略環境が悪化しているという認識に立っていることがある。日米安保協議の内容は、したがってきわめて具体的に、地球規模での日米枢軸の形成、座間・沖縄を始めとするすべての在日米軍基地の指揮系統と戦闘態勢の再編を狙ったものである。
こうした米軍再編の攻撃に対して、沖縄を先頭に米軍基地との闘争が激しく闘われている。沖縄の辺野古での海上ヘリ基地建設阻止の闘いや金武町の米軍都市型戦闘訓練施設阻止闘争、本土における座間、横田、横須賀、岩国、佐世保での基地闘争がある。
そしてこれらの基地闘争を担っているのが自治労や日教組などの公務員労働運動である。総評以来の反基地闘争の労働運動の伝統がここに存在している。
こうした現実を粉砕しようとしているのが、小泉の郵政民営化の攻撃であり、連合の「7・14改憲見解」をもってする戦争翼賛の路線である。自治労が8月大会で改憲の方向にかじを切ろうとしていることは、とんでもない裏切りで絶対に認められない。それは反戦闘争・反基地闘争の担い手から、戦争翼賛勢力への180度の転向である。
自治労大会の初日、8月23日に沖縄の代議員が「平和基本法制定の方針は沖縄の反戦反基地運動に冷水を浴びせるとともに、最小限防御力を認め海外派兵を容認するものであり、戦争基本法である。撤回すべきだ」と発言した。基地を抱える沖縄における労働運動が、自治労の改憲勢力化に立ちふさがっているのだ。
こうした反戦・反基地闘争を闘う自治労や日教組などの公務員労働運動を守り抜くためにも、郵政民営化阻止は重大な攻防である。
第3章 日米韓国際連帯に勝利の展望がある
日帝・小泉の郵政民営化攻撃に対して、徹底的に反撃すると同時に、一切の闘いを11・6労働者集会への1万人大結集に集約することで、戦争と民営化攻撃を粉砕する展望を切り開かなければならない。
そのためには、なんと言っても4大産別での闘いの前進を切り開くことだ。04年春の卒・入学式における都高教の教育労働者を先頭とする「日の丸・君が代」強制拒否の闘いは決定的であった。この闘いが「不当処分撤回」を柱にさまざな形で発展していること、全国化したことが、教労産別を揺り動かしている。
7月の日教組大会では、本部は当初、自治労本部と歩調を合わせ「論憲=改憲」への転換を画策していた。この動きは「日の丸・君が代」被処分者を先頭とする教育労働者の怒りの反撃にあって先送りにされた。闘いが本部の「改憲方針」への転換を粉砕した。
「つくる会」教科書採択阻止闘争では、杉並区丸ごと巨大な分岐・流動の渦を巻き起こした。左右の分岐が極点に達し、ファシスト「つくる会」派との激突をやりぬいた。撤回に向かってさらに徹底的に闘おう。
8・30、31の国労大会は、9・15鉄建公団訴訟判決を前に、国労再生と国鉄1047名闘争の命運を決する大会だ。酒田・革同体制打倒を掲げ、裏切り者を執行部からたたき出す組合員総決起の大会にしよう。
11・6労働者集会に向かって、こうした闘いを自分の職場で組合で一人でも開始しよう。小泉反革命と闘うということは実践的にはこのことだ。動労千葉に学ぶということも実践的にはこのことである。
情勢は革命的情勢への急接近というべきものである。小泉の8・8解散はこの情勢をさらに加速した。
帝国主義は今や体制的に破産している。この時、労働者階級が労働組合に基盤を持たなければ帝国主義を打倒することができない。11・6に1万人を集めることが一切の土台である。
11・6集会には韓国・民主労総、アメリカの労働者が大挙参加しようとしている。戦争と民営化に反対する点で一致し日本の労働者との熱い連帯を求めている。国際連帯の旗のもとに大結集しよう。
1万人結集を実現するためにも機関紙拡大を意識的計画的に進めよう。世界情勢を語り、日本の情勢を語り、階級闘争と労働運動を生き生きと語る『前進』を労働者人民に販売しよう。ここに最も先進的な闘いがあり、最も実践的な闘いの方針が打ち出され、労働者階級の自己解放の道が鮮明に提起されている。
11・6集会への最大の武器として活用しよう。
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週刊『前進』(2212号2面1)(2005/09/05)
杉並 「つくる会」教科書採択撤回を
闘う教育労働者・杉並区民とともに新たな闘いへ進もう
05年教科書闘争の意義と地平
東京・杉並を最大の激突点として闘いぬかれた「つくる会」教科書採択阻止の闘いは、真に歴史的な大闘争へと発展した。杉並の山田区長による「つくる会」歴史教科書の力ずくでの採択強行は、「つくる会」として組織された新たなファシスト勢力の追いつめられた姿とその不正義性をはっきりと示した。怒りと白紙撤回を求める声は今や区内に渦巻き、恐怖した山田はその後も区庁舎をバリケード封鎖して抗議の声を必死に封じ込めようとしている。決着は何ひとつついていない。さらに猛然と決起し、採択撤回を絶対にかちとろう。8・12に至る激突が切り開いた地平を確認し、戦争と民営化攻撃粉砕の11月労働者総決起へと進撃しよう。
全国動員のファシストと激突し圧倒した闘い
戦後60年の節目に当たるこの夏、杉並を先頭に全国で闘われた「つくる会」教科書採択阻止の闘いは、8・15靖国闘争とともに、日本の階級闘争をまったく新たな段階に押し上げるものとなった。
日帝・小泉政権はこの05年、新たなアジア侵略と戦争、改憲への扉をこじ開けるために、戦後史を画する攻撃に出てきた。「戦争のできる国民」をつくりだすために、戦後の「平和と民主主義」の価値観をたたきこわし、帝国主義的ナショナリズムと排外主義・愛国主義に全社会を染め上げていこうとする攻撃である。その決定的な推進軸が「教科書」であり「靖国」であった。ファシスト分子を全国動員してしかけられたこの攻撃に、闘う労働者階級人民の渾身(こんしん)の決起がついに爆発し、大反動への流れを実力で押し返す闘いが本格的に始まったのである。
とりわけ杉並での「つくる会」教科書粉砕の闘いは、「つくる会」派との最先端での決戦を真正面からぶちぬくものに発展してきている。
そもそも杉並は、日帝と「つくる会」の側から、05年の教科書採択のかぎを握る最大の戦略的拠点と位置づけられていた。「つくる会」は今年、「全国で10%の採択」を目標に掲げ、そのために東京都で50%の採択を狙っていた。ファシスト石原都知事―横山都教委体制のもとでなら暴力的突破は可能とみていたのだ。その突破口とされていたのが「改革派」を装うファシストたる山田区長が権力を握る杉並であった。
実際に山田は、自分の腹心である元区長室長の納冨を区の教育長にすえ、教育委員の多数を「つくる会」派で制圧し、教科書採択要綱をもこっそりと変えて、「つくる会」教科書採択へのいわば“万全の体制”をしいて臨んでいた。まさにこの杉並での攻防が全都・全国の情勢を決める位置にあった。事実、本年4月から8・12に至る闘いはそのことをまざまざと示し、歴史教科書の採択を許したとはいえ、敵の戦略を大破産に追い込んだのである。
既成政党の屈服のりこえた決起
4月に文科省が「つくる会」の作成した扶桑社の歴史と公民の教科書を検定合格させた後、直ちに怒りの行動に立ち上がったのは中国・韓国を始めとするアジア人民であった。小泉政権はこれに敵意をむきだしにし、この教科書攻撃が一部の極右勢力にとどまらず、日帝中枢の意思であることをあからさまに示した。だが日本共産党や社民党などの既成の野党や「市民派」を名のる勢力は、議会内でも街頭でもまったく動かず闘争を放棄し続けた。逆に中国人民の抗日デモを帝国主義者と一緒になって非難するなど、許しがたい屈服をさらけだしていた。
共産党にいたっては、教科書攻撃と闘うことは「過激派」だという犯罪的なキャンペーンをも展開した。
この重大情勢の中で、あらゆる困難を突き破って立ち上がったのは、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会に代表される闘う杉並区民であった。その牽引(けんいん)車となったのは、「日の丸・君が代」強制拒否を闘いぬいてきた都の教育労働者であり、またファシスト石原都政と山田区政の打倒を一貫して訴えてきた都政を革新する会の闘いであった。
革共同は、1〜3月の「日の丸・君が代」決戦を継続・激化・発展させる闘いとして、闘う杉並区民とともに、教科書攻撃粉砕へ党の総力を挙げて闘った。この真っただ中で闘われた都議選に都政を革新する会の長谷川英憲氏を推し立て、「つくる会」教科書採択絶対阻止、石原・横山―山田体制打倒を真正面から訴えて、教科書決戦を同時に都議選決戦として、また都議選決戦を教科書決戦そのものとして闘った。このことは全情勢を一変させた。杉並の区内全域で、闘う区民と「つくる会」派との対峙・対決が生み出され、教科書問題が最大の政治焦点となり、ついには全党派を引きずり込んでの大激突となっていった。
日帝政府・自民党や石原、山田らと「つくる会」はこれに危機感をもち、巻き返しに全力を挙げた。自民党の安倍幹事長代理や都知事石原が自ら杉並に乗り込んで長谷川候補つぶしと教科書闘争圧殺に動いた。とくに石原は、この渦中で明るみに出た都政の危機と腐敗を、浜渦副知事の辞任と引き換えに横山教育長を筆頭副知事に引き上げることでのりきり、石原・横山体制をよりファシスト的に強化して教科書攻撃をあくまで押し通そうとした。都教委は、扶桑社の教科書採択を有利にするよう仕組んだ資料を市区町村教委に配布。さらに杉並区教委は、扶桑社に否定的な意見を記した現場教員の調査報告書を書き換えさせるという不正にまで走った。
しかし、こうした大反動が教育労働者の命がけの告発と決起を生み出し、怒りの決起は一挙に拡大した。採択反対署名の拡大につぐ拡大。区役所包囲の「人間の鎖」行動への全都の闘う労働者の決起と、闘いの全国への波及。杉並区教職員組合を始め区内の労組・諸団体の決起と区役所前の闘いへの合流。――こうした動と反動の激しいぶつかりあいの中で、8・4―8・12の決戦を迎えたのだ。
破産の瀬戸際で無法な採択強行
8月4日、杉並・親の会を先頭に区役所を包囲した区内外のべ1千人の労働者人民の決起は、この日の採択をもくろんでいた山田区長と区教委を断念に追い込んだ。「戦争教科書絶対反対」の圧倒的な声の前に採択強行はできず、かろうじて継続審議に持ち込むのが精いっぱいというところに追いつめた。
大打撃を受けた「つくる会」派は、全国のファシスト勢力に「非常事態」を訴えて必死の反撃に出た。阿佐ケ谷駅頭の制圧をたくらみ、また警察権力と結託して、権力による闘う杉並区民への弾圧と襲撃を策動した。さらに卑劣にも、「つくる会」教科書に反対の意見を述べた教育委員への露骨な個人攻撃と脅迫を行い、再審議の8月12日には、全国からかき集めた部隊数百人を徹夜で区役所前に動員した。その先頭で指揮をとったのは、「つくる会」副会長であり扶桑社の歴史教科書の代表執筆者である藤岡信勝であった。
だが闘う区民と労働者人民、とくに「つくる会」との攻防の先端にいる学生や青年労働者が、これに一歩も引かず真っ向から対決しぬいて闘った。その怒りと気迫は「つくる会」派を圧倒した。署名はついに3万に達した。追いつめられた山田区長と納冨教育長ら「つくる会」派の3人の教育委員が、藤岡らと事前に謀議を行い、公民はあきらめるが歴史教科書だけは扶桑社版を何がなんでも押し通すと決めたことは明白である。そして12日、1千人の傍聴希望者がつめかける中、藤岡自身が法を破ってわずか20人の傍聴席に公然と乗り込み、最後の恫喝を加えて、3対2で歴史教科書の採択を最終的に強行させたのだ。
無法に無法を重ねて強行されたこの杉並での「つくる会」歴史教科書採択は、本当に怒りに堪えない暴挙である。断じて認めることはできない。直ちに白紙撤回あるのみだ。
だがそれは同時に、「つくる会」派の不正義性と反人民性を満天下に暴き、その大破産を刻印するものとなった。杉並の闘いが全国を揺るがし、各地に飛び火する中で、公立中学校で今回採択を決定したのは、杉並以外ではわずかに栃木県大田原市と、都教委直轄の都の中高一貫校や「障害児」学校だけである(8月25日現在)。杉並を突破口に全国10%の採択率をめざすと豪語していた「つくる会」と日帝のもくろみは、実際には1%にも満たずに完全破産したのである。
国家主義・排外主義との全面対決が始まった
「つくる会」教科書粉砕の闘いが戦時下のあらゆる困難と重圧をはねのけ、既成の政党や諸団体の闘争放棄をものりこえた労働者人民自身の下からの大衆的決起をもって、日本の政治闘争・階級闘争の重い扉をついに革命的にこじ開け始めたことの階級的意義はきわめて大きい。
何よりも、闘いは完全に永続化した。杉並・親の会は直ちに「採択撤回」を呼びかけて新たな闘いを開始した。杉教組は「白紙撤回」「教科書は使わない、使わせない」闘いを総力で呼びかけている。攻防の決着は何ひとつついてはいない。否、8・4―8・12をもって逆に「つくる会」教科書粉砕の闘いは一挙に大闘争化した。教科書闘争が「日の丸・君が代」強制拒否の闘いと並ぶ、それと一体化した恒常的・永続的な闘いとして、日本階級闘争の中心軸にすわったのだ。それも教育労働者を先頭とした労働者階級のかつてない分岐・流動・再編・高揚を生み出す革命的な大衆闘争として、一層の拡大と発展を遂げていく過程に入ったのである。
「つくる会」の歴史と公民の教科書の核心は何か。それは、「平和と人権」を柱にしてきた戦後の教育を根本からひっくり返し、戦争肯定・戦争賛美に転換させるために作成された教科書である。日本が再び国家を挙げた侵略戦争・世界戦争に突入するために、戦争のできる国とその「国民」をつくりだすための教科書なのである。
その特徴は第一に、歴史を民族間・国家間の弱肉強食の歴史として描き、その中で明治以来の日本の侵略と戦争を日本が生き残るための「自衛戦争」であった、「アジア解放戦争」であったと、すべて正当化し美化するものだ。第二に、戦後の民主主義や基本的人権の考え方を否定し、逆に明治憲法と戦前の天皇制国家を限りなく美化し、「日本は天皇の国」とする天皇制イデオロギーを再び全面展開するものだ。第三に、階級対立の存在を徹底的に否定し、一切の階級闘争の圧殺を狙うものである。第四に、現憲法を否定して改憲を公然とあおり、中国や北朝鮮への排外主義と新たな侵略戦争を露骨にあおるものである。
それらを貫く最大の核心は、マルクス主義の絶滅、一切の左翼思想の根絶と労働者階級の階級的解体だ。そのためにはブルジョア民主主義をも一掃して、天皇と国家のもとに再び全人民がひれ伏す社会をつくりだそうとしているのだ。
日帝は今日、自衛隊のイラク派兵と有事立法制定を強行し、さらに米軍再編に伴う日米安保の大改定と、憲法9条破棄=改憲に全面的に突き進もうとしている。日本を完全に戦争のできる国に転換させ、世界大恐慌と世界戦争の時代に、帝国主義としての生き残りをかけて新たな15年戦争に乗り出そうとしている。
だがそのためには、法制度や国家のシステムを変えるだけでは済まない。労働者階級を実際に戦争に動員し、国家のため(実はこの国を支配する帝国主義ブルジョアジーのため)に進んで一切を犠牲にするように仕向けることが不可欠である。労働者階級の階級的団結を徹底的に破壊して抵抗の基盤を物理的に奪うだけでなく、その意識をも根幹から解体・変質させて国家主義・排外主義に丸ごとからめとることが絶対不可欠となっている。
「つくる会」教科書の学校現場への大量持ち込みの攻撃は、こうした観点から小泉=奥田路線の全体重をかけた攻撃として、とりわけこの05年、一個の反革命的決断をもってしかけられてきたものだ。単に「つくる会」という新たなファシスト勢力の策動にとどまるものでは断じてない。杉並での決戦は、日帝の総力を挙げたこの攻撃を真っ向から迎え撃ち、実力で押し返すものとなったのだ。
さらに、8・15靖国闘争がこの教科書闘争と完全に一体となった闘いとして爆発したことも重要である。天皇制右翼がこの日全国から組織し、小泉政権の閣僚や石原らも参加した靖国神社大参拝運動は、全学連の学生の決死の実力糾弾の闘いと、キリスト者らの呼びかけのもとに国際連帯を貫いて闘われた大衆的抗議行動によって粉砕された。朝鮮・中国・アジア人民の激しい怒りと糾弾の声を正面から受け止め、連帯し、靖国粉砕を日本の労働者階級の基本課題に位置づける第一歩が踏み出されたのだ。
戦争教科書粉砕を貫き11月労働者総決起へ!
教科書と靖国をめぐって開始された極右勢力、ファシスト勢力とのこの激突は、今日の日本階級闘争を、これまでとは次元を異にする巨大な分岐と大流動の渦中にたたき込んでいる。今始まったこの1930年代的な左右の分岐と激突を、闘う労働者階級の側からさらに促進し、拡大して闘っていくことが求められている。その大激動のただ中で、労働組合と労働運動のもつ本来の階級的で戦闘的な力を圧倒的によみがえらせていくべき時が来ているのだ。
またとりわけ、青年・学生の中で、「つくる会」派と正面対決して大学キャンパスを二分する決戦を展開し、戦闘的学生運動を今こそよみがえらせて闘おう。
帝国主義の危機が絶望的に深まる中で、日帝はますます国家主義・天皇主義・排外主義・愛国主義をあおりたて、それをテコにして戦争と民営化(労組破壊)の攻撃に突っ走っている。「つくる会」に代表されるファシスト勢力が新たにその先兵として台頭し、政権政党との結託による社会的制圧への動きを強めている。連合中央、自治労や日教組の指導部は、その重圧のもとで改憲勢力への総転向を開始した。日本共産党中央のスターリン主義の本質をむきだしにした排外主義・祖国防衛主義への転落も深まっている。
だがこれらは、事の半面にすぎない。他方では、労働者大衆の中にはこのままでは生きられないというせっぱつまった思いと、言葉にならない激しい怒りが渦巻いている。右翼のばっこと支配層全体の雪崩打つような戦争への傾斜、それへの総翼賛状況の進展に、非常な危機感と歯ぎしりする思いが満ち満ちているのだ。この思いに具体的・現実的で大衆的な闘いの水路が与えられるならば、全情勢を根底から揺るがし、覆していく労働者階級の闘う力が生き生きとよみがえってくるのは間違いない。杉並の教科書決戦とその中での区民大衆、学生や労働者の決起の爆発的な拡大は、その一端をはっきりと示したのである。
「つくる会」教科書粉砕の闘いは今や第2ラウンドに突入した。杉並・親の会の呼びかけにこたえ、山田区長と区教委の不正・不法を徹底的に暴き弾劾し、歴史教科書の採択撤回を求める闘いを断固として推進しよう。区内外の闘う力をいま一度結集すれば、白紙撤回は絶対に可能だ。徹底抗戦を宣言した杉教組の闘う労働者とともに、「つくる会」教科書の使用を許さない闘いをつくりだそう。この教科書決戦を「日の丸・君が代」決戦の発展と一体の闘いとして、さらなる爆発をかちとろう。
衆院解散・総選挙をバネに一層の凶暴化と反革命的な純化を深める小泉政権を、怒りを込めて打倒しよう。それらの一切を11・6労働者集会1万人の大結集に集約し、日韓米労働者の国際連帯の飛躍的強化と、日本労働運動の階級的再生への一大突破口を切り開こう。
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週刊『前進』(2212号2面2)(2005/09/05)
杉並区教委 「歴史」採択に怒り 審議のやり直しを要求
8月12日に「つくる会」歴史教科書の採択を強行して以降、初めての杉並区教育委員会が8月24日午後から開催された。「つくる会」教科書採択の撤回を求める労働者・市民が駆けつけて、断固闘いぬいた。
「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会は、昼前から区役所前に登場してアピールした。「納冨教育長が『戦争はなくならないという立場だから、扶桑社が一番いい』と言って採択を決定したのは、本当に許せません」「4年前から教育委員を入れ替え、採択制度も改悪して『つくる会』教科書採択へ向かってきた山田区長。現場教員が提出した調査報告書まで書き換えさせて強行した採択は、まったく不当です。採択のやり直しを求めます」。職場から駆けつけた女性も「8月12日の採択は違法です。これまで数々の違法行為をはたらいてきた扶桑社と『つくる会』ですが、ここ杉並では『つくる会』教科書に反対した安本教育委員に個人攻撃を加えて誹謗(ひぼう)・中傷し、最後は教科書執筆者の藤岡信勝さんが傍聴までして圧力をかけて、採択を強行しました。こんな違法行為は許せない。採択をやり直すべきです」と訴えた。
また並行して教育労働者を中心とする区役所前集会も行われ、「白紙撤回しかない」「こんな教科書は現場では使えない」「ともに闘おう」と訴えられた。
区民から逃げ回る納冨教育長
この日も20の傍聴席に対して109人の傍聴希望者が抽選に並んだ。ほとんどが「つくる会」教科書に反対している人である。
午後2時過ぎに開会。教科書採択で「つくる会」教科書をごり押しした大蔵委員は欠席。教科書採択をめぐる問題には何ひとつ触れないまま、1時間もたたずに議事が終わった。
閉会と同時に、傍聴者は一斉に教育委員に「審議をやり直してください」「不当な採択は認められません」と訴えた。とりわけ納冨教育長には「あなたの一言で扶桑社の教科書採択が決まった」「教育長は自分のしたことに責任をとってください」「あなたには区民に説明する義務があるはず」などと抗議の声が殺到したが、職員に守られるようにして退室していった。
傍聴者が面会を求めても納冨教育長は出てこず、しばらくたつと職員が「教育長は出張した」と言い出す始末。揚げ句の果てに納冨の伝言として「教科書採択については公開の場で行われた審議で話している。会って話すことはない」と伝えてきた。「こんな横暴は許せない」と5時近くまで抗議が続けられた。
杉並区当局は教育委員会のフロア数個所にいまだに防火扉や机でバリケードをつくり、ガードマンを配置している。山田区長―納冨教育長は、自らの大罪に恐れおののいているのだ。
全国の採択区で「つくる会」教科書の不採択が続々決定されている。杉並の「つくる会」歴史教科書採択撤回へ、さらに力を強めて闘いぬこう。
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週刊『前進』(2212号3面1)(2005/09/05)
日米韓国際連帯の旗高く
11・6全国労働者総決起集会
3労組が呼びかけ
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかける11・6全国労働者総決起集会に向けて、同集会の第1回実行委員会が8月21日、東京都内で開かれた。集会名称、日程が確認され、主催者は同集会実行委員会とすること、集会の成功に向けて賛同署名とチケット販売運動を重視することなどが決定された。呼びかけ3労組が発した「11・6全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い」を紹介します。(編集局)
11・6全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合港合同
国鉄千葉動力車労働組合
全国のたたかう労働者のみなさん!
歴史は大きな曲り角にたち、日本の労働者はいま暴風雨のなかにいます。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧をはじめとした労働運動への相次ぐ刑事弾圧や民事仮処分、損害賠償請求、「日の丸・君が代」に忠誠を誓わなければ処分という石原都知事による戦前と寸分違わぬ教育労働者への攻撃、郵政や東京・大阪での自治体労働者への攻撃など、労働者の団結権の行使、行政機構のなかに労働組合が存在することそのものを許さない攻撃がエスカレートしています。
JR尼崎事故は、労働組合が団結を破壊され、市場原理が暴走したときに何がもたらされるのかを衝撃的に示しました。動労千葉は、JR東日本による処分攻撃と対決し、安全運転行動を闘いぬいています。
今、何よりも求められているのは、小泉政権による激しい労働組合破壊攻撃と対決し、労働運動の現状を変革することです。団結をとり戻し、労働組合を甦らせることです。不一致点は留保し、一致点を拡大して真の闘う統一戦線を創りだそう。闘う労働組合の全国ネットワークを創りあげよう。
教育基本法―憲法改悪攻撃の切迫、自民党・財界ぐるみの「つくる会」教科書採択に向けた反動的運動の組織化、国家主義の急速な台頭、日米安保の飛躍的強化、共謀罪新設策動をはじめ矢継ぎ早に進む治安弾圧立法の制定など、小泉政権は、ブッシュ政権と一体となって戦争につき進もうとしています。
これと一体で、郵政をはじめ、国や地方自治体業務の全面的な民営化攻撃が開始されようとしています。民営化とは、社会の隅々まで弱肉強食の市場原理を貫いて、「9割の労働者を非正規雇用化する」という奥田ビジョンを貫徹しようという攻撃であり、何よりも激しい労働組合破壊攻撃です。
現にあらゆる産業の現場の中心は非正規雇用労働者になっています。非正規雇用労働者の闘いの組織化は、労働運動にとって避けて通ることのできない課題です。
日本経団連は「労働基準法は工場法時代の遺物だ」といって、労働時間法制や労働契約法制の抜本改悪を要求しています。また、社会保障制度の解体や大増税攻撃が激しく進められています。
とくにこの間の際立った特徴は財界の反動的な突出です。日本経団連は、膨大な意見書を乱発し、「憲法9条2項を廃止せよ」「教育基本法を改正せよ」「東アジア自由経済圏の形成と日米安保の強化を外交政策の軸とせよ」「徹底した規制緩和と民営化を断行せよ」と政府に迫っています。
差し迫る憲法改悪攻撃との闘いの焦点は、労働組合をめぐる攻防戦です。この夏〜秋にかけて開催される大会で、日教組や自治労までが、激しい攻撃に膝を屈して「護憲」方針を投げ捨て、連合が改憲勢力に転落しようとしています。現場からの怒りの声を結集し、労働運動のこの危機的現状を打破しなければなりません。
政治反動と平和の危機―生活の全てをのみ尽くすような攻撃への怒りの声は満ち、労働運動の再生を求める声は、いたるところで響き始めています。
昨年の11月労働者集会は、韓国・民主労総の闘いやアメリカにおけるミリオン・ワーカー・マーチと固く連帯し、日・米・韓労働者の国際連帯集会として大成功をかちとり、石原都知事の恫喝や組合本部の制動をはね返して「日の丸・君が代」不起立・不斉唱の闘いが全国に大きな波紋を広げ、教育基本法改悪反対の闘いや陸・海・空・港湾20労組の闘いがナショナルセンターの枠をこえた統一行動を実現し、全金本山闘争は34年の闘いを貫いて、解雇撤回−職場復帰の歴史的な勝利をかちとりました。また、国鉄1047名の解雇撤回闘争も画期的な統一行動を実現しています。
今、労働者は全世界で、団結し、連帯して新しい時代を見いだす力をとり戻そうとしています。今こそ、戦争と民営化−労組破壊の大攻撃に抗し、労働運動の再生を実現しよう。
私たちは、表記集会に全国の地域・職場で奮闘する多くの仲間たちのご参加をいただき、怒りの声をたぎらせて、支配の厚い壁を突き破る、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりあげたいと考えております。
志を同じくするすべての皆さんの賛同と参加を心よりお願い申し上げます。
2005年7月
11・6全国労働者総決起集会
たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!
戦争と民営化―労組破壊にたち向かう労働者の国際的団結を!
と き 11月6日(日)正午開会
ところ 東京・日比谷野外音楽堂
主催 11・6集会実行委員会
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週刊『前進』(2212号3面2)(2005/09/05)
大結集実現へ決意
集会成功へ第1回実行委
8月21日の11・6集会第1回実行委員会では、呼びかけ組合の全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合からそれぞれに提起が行われた。
関西地区生コン支部の高英男(コヨンナム)副委員長は、武建一委員長を始め6人の執行委員がいまだに勾留されている大弾圧との闘いについて報告し、「関西生コン支部だけが狙われているのではない。これは戦争国家体制づくりの準備だ。他の組合のことと見過ごしていると自分に降りかかってくる。その共通認識をつくりたい」「今度は反撃に打って出る。それを11月労働者集会と連動させたい」と語った。
全国金属機械港合同から南労会支部の大野ひろ子さんが、大阪市労連への攻撃やJR尼崎事故に触れ、「団結権を復権させる闘いが必要だ」と強調した。
動労千葉の田中康宏委員長は、解散・総選挙に打って出た小泉政権が戦争と民営化の攻撃を一挙に強めていることを指摘して、「現場で本気になって仲間を組織しよう」と訴えた。
また、アメリカから運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんが参加し、大幅人員削減と賃金引き下げ提案に抗して闘うノースウエスト航空労働者への支援を呼びかけるとともに、「全世界の労働者階級の闘いの柱を打ち立てよう」と11・6集会をともに闘うアピールを発した。
参加者の討論を経て、動労千葉の中野洋前委員長が11・6集会1万人結集へ全参加者の奮起を促した。
呼びかけ3労組と実行委員会の訴えを支持し、その決意にこたえて11・6集会の成功へ全力で闘おう。
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