菱田地区で工事を弾劾 第3滑走路阻止の決意固く フィールドワーク
菱田地区で工事を弾劾
第3滑走路阻止の決意固く
フィールドワーク


「成田空港機能強化粉砕! フィールドワーク」が6月4日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで行われた。
出発前の打ち合わせで事務局の伊藤信晴さんが状況説明を行った。「NAAは本格着工のくわ入れ式を周辺自治体の長などを並べて仰々しく行ったが、工事がどんどん進んでいるという状況ではない。まだ民有地で26%が確保できてない。一昨年の市東さんの天神峰農地強制執行の時にわれわれが本気で徹底的に闘ったことが、拡張予定地の人々を励まし、追い出し攻撃を粉砕する力になっている。B滑走路北延伸関連では、東関道の地下化へ向けた付け替え道路には人数を動員しているが、それ以上の進展は見られない。また第3滑走路(C)で移転対象にされている他の地区でも田んぼに水を張り田植えを行っているところが出てきた。われわれの闘い方いかんで機能強化を止めることはできる」
参加者はまず横堀地区へ。第3滑走路と旅客ターミナルを結ぶ誘導路のための整地工事が、ローラー車などを使って進められている。道を隔てた反対側では、「文化財発掘調査」が手作業で行われていた。
「空港拡張阻止、工事やめよ」の横断幕を広げ、シュプレヒコールをたたきつけた。「第3滑走路粉砕!」「機能強化本格着工弾劾!」「戦争のための空港建設許すな!」
山武警察署が「危ないから」などと叫んで規制・妨害に入ってくるが、これをはねのけて工事を弾劾した。
そこから移動して菱田地区へ。5月の現地闘争の時と比べて様相はあまり変化していない。かつて一面豊かな田だった場所は雑草伸び放題で放置され、工事関連の諸施設や物資があちこちに置かれているが、「本格着工」を宣言した割には人影もまばら。工事が進んでいる感がまったく伝わってこない。対照的に、耕作禁止を打ち破って菱田で唯一作り続けられている田んぼは、水が張られ青々とした稲が育ち、生命の息吹を自己主張していた。
昨年4月に出されたNAAの機能強化パンフによれば、ステップ1の準備工事(高谷川等排水整備工事、工事用仮設道路整備工事)をとっくに終えて、ステップ2の準備工事(C滑走路北側トンネル整備工事、C滑走路南側管理用道路整備工事)に「24年度末」=25年初めに着手と記されている。だが、25年半ばの現在、ステップ1で足踏みしているのが実情だ。その先にあるステップ3の本格工事(滑走路造成)のめどなど全然立っていないということだ。
予定した工事が遅延を重ねていくことは、造る側にとっては少なからぬダメージになっていく。
フィールドワーク参加者は、閑散とした「工事現場」に向けて、再び怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。警察はなすすべなくたたずむのみだった。