3・30発言から 農地は命、控訴審へ

週刊『三里塚』02頁(1157号02面01)(2025/04/14)


3・30発言から
 農地は命、控訴審へ

(写真 反戦春闘で48時間ストを打ちぬいた動労千葉)

(写真 隊列を増やし駆けつけた全学連の白ヘル部隊)

(写真 南台農地を奪うな! NAA本社に迫るデモ)

常識はずれの齊藤の判決文
 事務局員 白桝 伊藤信晴さん

 3月24日、許すことのできない反動判決が下ろされました。農地の場所の特定は賃貸借契約書にはない、あるのは面積で、それで契約が結ばれているから農地の明け渡し請求は適法だと。しかし、これは暴論です。農地の場所の特定がなければ面積も出ないんですよ。それが常識です。
 市東さんがA、C、Dの土地を不法耕作しているとNAAがののしり始まったこの耕作権裁判。裁判所の文書提出命令になぜNAAが従わなかったのか。位置が特定されてしまうからです。NAAは市東東市さんの署名を偽造し、同意書、境界確認書をでっち上げ、裁判を起こしたんです。こんなデタラメな裁判は本当にありません。私たちは司法のこれほどの腐敗を徹底的に弾劾すると同時に、この腐敗は日帝の中国侵略戦争という、この戦争策動と無縁ではありません。本日も日米の防衛大臣が会談を行っています。中谷防衛大臣は、日米の指揮権の統合・強化がより一層進んだと語った。この戦争情勢と対決しなければ、控訴審にも勝てないだろうと思います。こうした情勢を受け止めて、控訴審闘争勝利に向け成田軍事空港粉砕、農地死守・実力闘争の原則を徹底的にうち固めて闘いぬいていきたいと思います。

成田機能強化を粉砕しよう
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 24日に判決がありました。一生懸命、農地の場所特定のために証人をお願いし、時間を割いてもらったのに、まったく関係なく面積だけなんだと。だったら最初からそう言え! 本当に腹が立ちます。19年の努力、闘いを無にする本当に許しがたい判決です。
 われわれは現地で泊まり込み体制も含め、人の城、人の石垣を作り、ここで踏ん張って封鎖攻撃と闘うぞと決意を固めていました。しかし、仮執行宣言は付けられなかった。これから控訴審を闘います。東京高裁への傍聴闘争をぜひよろしくお願いします。
 成田空港の更なる機能強化、「新しい成田空港」構想で、成田を大規模な物流拠点として造り変えようと、山が削られ造成が進み、ふるさとが破壊されています。許せません。空港で金もうけをする連中と、このふるさとを守りたい、自分たちの生活を守りたいという思いは完全に対立しています。ですから、反対同盟・市東さんの闘いが、周辺住民にとっても希望の星です。
 世界では戦争を止めることができていない。イスラエルはガザへの空爆を再び始めた。本当に許せない思いです。
 農家は一揆しかないと追い詰められ、食料危機が迫っています。畑を離れていろんなところに行くことも中々出来ないですが、成田を軍事空港にさせない、世の中を変えるために、自分たちの農地を守り闘い続けます。

認められない裁判所の作文
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 耕作権裁判の19年は何だったんだと。裁判所は「事実を出せ」というのでこっちは弁護士さんはじめ支援の方々も一生懸命調べて出したんですよね。しかし、24日の判決は、結局裁判上で争点となりこちらが立証してきたことはまるっきりないんですよ。それで、うちのじいさんの時代に契約がなされていないと決めつけるとか、そういうような裁判所の作文でした。農地法裁判のときの多見谷寿郎裁判長もひどかったですが、今回の齊藤顕裁判長もやっぱりお前もかとあきれました。
 私たちは農地は命だと訴え、自分なりに一生懸命やってきたつもりです。それをあのような形で否定され、A、B、C、Dの位置関係はどうでもいい、南台41の1はどこを耕してもお前には権利はないと。絶対に許すわけにはいかない。
 高裁でもっとひどい判決が出るかもわからない。ですけど、みなさんとのきずなを大事にして、この畑で作ったおいしい安全な野菜をこれからも作り続けたい。これからも頑張りますので、みなさんどうかよろしくお願いいたします。

全国各地から現地へ結集を
 事務局員 太郎良陽一さん

 空港会社とわれわれは水と油、絶対非和解です。三里塚闘争はずっと実力闘争で世の中を変えていくんだと闘ってきました。司法だとか民主主義なんかあてにならない。反対同盟はコンクリートを引っぺがして資本主義社会を変えようと言ってきた。エアポートシティ、「新しい成田空港」構想とか言って、この成田空港を拠点に戦争に突撃するというのも、将来的にはあると思います。空港とはそういうものです。しかし、その前に、この北総台地を流通・産業拠点にして農業をつぶそうとするのは、空港そのものなんです。これをつぶさないで、われわれの将来はない。だから、市東さんの農地を守る。市東さんは自分の命だと言う。農地はみんなの命なんです。このことがない限り生きていけない。地球は安泰じゃない。資本主義をつぶして空港をつぶす。これがわれわれの生きる道だと思います。
 ぜひみなさん。全国の人たちで三里塚を闘う中身を各地で作ってもらって、要望があればわれわれが飛んで行って交流会、決起集会を開き、全国の人と結びついて、全国から三里塚へ。そういう運動をつくって、強制執行に立ち向かおうじゃありませんか。23年、2・15強制執行との闘いの数倍、数十倍多い団結を全国に作らなきゃ勝てません。世の中を変えられません。機能強化・第3滑走路粉砕へ、頭をひねりながら共に闘っていこうではありませんか。

地方ローカル線廃止許さず
 動労千葉書記長 渡辺剛史さん

 千葉地裁での判決には動労千葉からも傍聴に駆けました。まったくのこの不当判決を許すことはできません。
 動労千葉は三里塚の反対同盟と車の両輪として闘ってきました。農地は命という言葉。この農地がなくなると苦しむのは都会で野菜を食べたり、米を食べたりする方たちです。この命を守るために市東さんは先頭に立って闘っている。
 われわれ動労千葉も赤字だろうが、地方・ローカルの鉄路を守る闘いを今後も続けていきます。3月14~16日に、48時間のストライキを貫徹しました。みなさんのご支援、ご協力に御礼申し上げます。
 JR東日本は鉄道を軽視する政策をどんどん進め、新幹線の連結器が半年で2回も分離するありえない事故が発生している。各路線でいろんな事故、乗務員の体調不良も発生しております。
 鉄道で働く労働者として三里塚反対同盟と共に今後も闘い続けます。

三里塚戦士を新歓で組織し
 全学連委員長 矢嶋尋さん

 国家権力と私たちは絶対に非和解であるということを三里塚闘争を通じて学んできました。今こそ、成田軍事空港阻止の闘いがその真価を発揮するときだと思います。
 今回裁判所は仮執行宣言を付けることができなかった。裁判長は温情をかけてやったかのように言っていますが、実際には三里塚59年の闘い、この19年間の裁判闘争、そして一昨年の強制執行阻止の闘いが確実に裁判所と国家権力を追い詰め、仮執行宣言を付けられなかったんだということです。私たちの世代の多くの仲間が語っているように、一昨年の強制執行との闘いが活動家人生の転換になり、この間の実力闘争の発展がかちとられてきました。強制執行阻止の闘いを見て、全学連に加わった学生がいます。3・24判決日闘争に飛び入りで参加し、駆けつけた学生が今日も来ています。今回の不当判決に対しても必ず人々の怒りは爆発します。これを組織して一昨年を何倍にもさせる闘いを全力で組織したいと思います。南台農地収用阻止決戦はもう始まっています。80年代の10・20世代のように、三里塚戦士をこの新歓闘争を通してどんどん組織していきたいと思います。仮執行宣言に備え全国から組織した全学連現地行動隊は判決日闘争からこの1週間、7~8人そのまま現地入りして本日まで闘ってきました。成田駅前での街頭宣伝でも署名がガンガン集まっています。この力で南台農地収用を絶対に阻止しましょう。

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