北総の空の下で 無実の叫び 石川一雄さんと共に

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週刊『三里塚』02頁(1156号02面07)(2025/03/24)


北総の空の下で
 無実の叫び
 石川一雄さんと共に


 春と冬が行きつ戻りつ目まぐるしく変わる3月、産直としては端境期で、農作業はゆっくりしたペースで進んでいます。
 3月9日、現闘の竹尾さんが亡くなりました。私も竹尾さんも76年に始まった鉄塔決戦以来現地にいますが、竹尾さんと共同生活をするようになったのは91年に生活の拠点を北総センターに移してからです。私より21歳上で現闘の女性3人の長女的な存在として苦楽を共にしてきました。竹尾さんについては追悼文をご覧ください。
 もう1人、私の人生を変えた人が3月11日に86歳で亡くなりました。狭山闘争の石川一雄さんです。大学に入学した74年は、同年秋の東京高裁判決に向けて学内でアジテーションやビラまきが活発に展開されていました。部落差別による冤罪で死刑判決を受けた青年の存在は衝撃でした。狭山闘争支援連絡会議(狭支連)に入った私は10月31日、東京高裁を包囲した部落解放同盟の老若男女と共に、無期懲役の反動判決に怒る人波の中にいました。以来51年、獄中で文字を学び差別の構造を学び、無実を発信し続けた石川一雄さんの粘り強い闘いでこじ開けかかった再審の扉は、親族に引き継ぐことができない現行法の壁に一旦は阻まれました。しかし袴田巌さんが勝ち取った再審無罪の流れを押しとどめることはできません。
 大坂正明さんの控訴審、星野文昭さんの国賠訴訟、何より3月24日の耕作権裁判で、司法の反動化を打ち破りたい!
北里一枝
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