新版・現闘員奮闘中!日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 農地取り上げを許さない 百円の大根作り続け 三里塚現地闘争本部員 平井雅也

週刊『三里塚』02頁(1155号02面04)(2025/03/10)


新版・現闘員奮闘中!日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 農地取り上げを許さない
 百円の大根作り続け
 三里塚現地闘争本部員 平井雅也

(写真 大軍拡予算国会粉砕! 【2月21日 国会前】)

 3月3日、三里塚現地ではほぼ1カ月ぶりにまとまった量の雨が降りました。出荷のための収穫作業などがこの日はできなくなったぶん、翌日はちょっと大変ということはあったものの、砂漠化ともいうべき極限的な乾燥状況で出荷できる野菜がこの先もうほとんどなくなってしまうかもしれない瀬戸際まで来ていたので、予報どおり雨が降ってホントに良かったです。今の時期の畑は、保温のためにトンネル(ビニールハウスのミニ版)をつくってある作物が多いのですが、ビニールをまくり上げて存分に雨を浴びられるようにしておきました。
 いま、野菜がもししゃべれるとしたら「プハーッ、生き返る〜」といった言葉が聞かれるでしょうか。もちろんそれは、風呂上がりのビールとかの場面ではなくて、砂漠を放浪した末に命からがらオアシスにたどり着いて泉の水をすくって飲んだ時のような場面での言葉です。そこに至るまでには、隣の仲間が命を落としてさえいるわけです。この雨でどうにか命をつないで、元気を取り戻してほしいなと思います。この先、何回か雨の日がありそうな予報ですし、砂漠化状況から脱却できることを期待しています。
 野菜価格の高騰といった形で、農業をめぐる自然的・社会的環境の厳しさは、労働者人民大衆にとっても身近な問題として広く認知されるようになってきています。こうした中だからこそ、反対同盟の市東さんと萩原さんが完全無農薬の有機栽培で野菜をつくり、産直で消費者とつながりながら営農していることの持つ意義は絶大です。
 安心・安全、何よりおいしい三里塚の野菜の素晴らしさは、日頃から寄せられる消費者の声が証明してくれています。また今年の白菜は特に、葉っぱの奥に潜んだたくさんの虫付きで消費者に届いたものが多かったようで、三里塚の野菜は招かれざる先客の虫たちにも大人気となっています。ある消費者さんによると、この白菜についていた虫を試しにスーパーで買ってきた野菜に強制移転してみたところ、虫は死んでしまったのだとか。虫も食わない、死んでしまうから寄りつきもしない、そんな野菜が大多数を占める労働者人民の食生活や農業のあり方を思うと、心底からゾッとします。三里塚闘争は、こんな現実に対する怒りを労農同盟で共に闘う力に転化していくことをしっかり担っている闘いでもあるのです。
 「お金で買えないものがある。私は1本100円の大根を作り続ける」—中国侵略戦争へと突き進む日帝国家権力と一体となった空港会社の攻撃をはねのけて語られたこの市東さんの言葉は、まさに金言ですね(ちなみに、青首大根が100円で三浦大根と聖護院大根は200円となっております)。
 農地を守りぬくことには圧倒的な大義があることが、端的に言い表された言葉だと思います。これと対比すれば、耕作権裁判における空港会社の主張など、およそ問題にもならないと思います。耕作権裁判では、法廷での闘いとしても市東さんに耕作権があることを完全に明らかにすることができました。3・24千葉地裁包囲デモに結集し、日帝・石破政権と空港会社を串刺しにして「農地取り上げは絶対に許さない」という労働者人民による審判をたたきつけてやりましょう! 不当判決攻撃を打ち砕き、南台農地を守りぬこう!
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