北総の空の下で 赤っ風 気候危機の現段階

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週刊『三里塚』02頁(1154号02面07)(2025/02/24)


北総の空の下で
 赤っ風
 気候危機の現段階


 〝赤っ風〟は、早春の三里塚のありがたくない風物詩です。この辺はさつま芋の産地で収穫後は空き畑となるため、強風が吹くと表土が舞い上がって空気全体が赤っぽくなるのです。13日の赤っ風は15㍍超え。砂嵐を浴びながら収穫作業は何とかやりましたが、保温マルチや不織布がはがされても宙を舞うに任せるしかありませんでした。昨年12月から低温と乾燥が続いて、葉物が育たず玉ねぎの定植や種まきが遅れています。追い打ちをかけるような強風は、気候変動とも関連していると思います。太平洋側の乾燥は日本海側の積雪と一体ですが、局地的な豪雪は線状降水帯の雨が雪に変わったものだそうです。
 東京湾に沖縄の魚、北海道に落花生とさつま芋の特産地等々、気温と海水温の上昇を体現する出来事に事欠きません。今年の産直・農業・米の生産量はどうなる? 気候危機は農家の努力のみではこれまで通りの食料を維持できないところまで来ていると思います。
 それなのに、世界はトランプの登場で戦争と分断、飢餓が加速の一途です。日本では、自給10円(!)の米農家の現状にも無策のままです。まして、気候危機と基地強化を促進する成田空港の機能強化のために、市東孝雄さんの優良農地を取り上げるなど、あってはならないことです。23年2月に強制執行で囲い込んだ農地を荒れ地のまま放置する空港会社の、さらなる暴走を許さないために、3・24耕作権判決に集まってください。
北里一枝

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