全国農民会議総会開く 「広範な農民の怒りと結びつく時」
週刊『三里塚』02頁(1154号02面01)(2025/02/24)
全国農民会議総会開く
「広範な農民の怒りと結びつく時」

(写真 伊藤亮司さんが記念講演)
2月12日に全国農民会議の第11回総会が宇都宮市内で開かれました。全国から会員が集まり、「農業消滅」的な危機にある農民の闘う方向を議論しました。
最初に新潟大学農学部助教の伊藤亮司さんから「日本の農業情勢と農民運動の課題」と題した記念講演がありました。
伊藤さんは、「令和の米騒動」で加工資本、輸入資本が金もうけしていることを暴露し、それへの怒りを表明します。マスコミ報道は本質に迫らず、政府は農産物輸出立国論をふりまいて農業補助金削減へ導こうとしていると批判します。米需要にギリギリの規模でしか作らなければ、天候不順で必ず米不足を繰り返すのだから、多めにつくることが最大の対策。日本農業・農村の疲弊が限界まで来ている中で、スイスのように農民を直接支援しなければ壊滅すると警告し、日本政府の食料安保政策を批判しました。今山形の農家などから全国の農民に呼びかけられている「令和の百姓一揆」(3月30日に都内でトラクターデモ)について、物価高で困難な暮らしに直面している人たちにも共感を広げるチャンスだと訴えました。
これに呼応する形で、執行部から以下の内容で議案が提起されました。①トランプ登場でますます拡大する帝国主義の戦争、②安倍農政=新自由主義農政で作りだされた農家が食っていけない現実、③いま噴き出している農民の怒りに方向性を示すのが農民会議の役割、④広範な農民の怒りと結びつき、いま一度しっかりと運動をつくっていこう。
討論の中で、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんが発言に立ち、耕作権裁判の判決が3月24日となったことを報告し、「油断することなく身構える。判決がどうなろうと体が元気なうちは農業を続ける」と不屈に闘う決意を表明。さらに福島支部からは3・11反原発福島行動への結集が訴えられました。
議論の中で小川浩共同代表は、「『令和の百姓一揆』には積極的継続的にかかわって、参加する農民たちに三里塚のように闘おうと訴えよう」と提起し、3月30日には三里塚現地集会に参加することを全体で確認しました。
議案と予算・決算報告を承認し、最後に小川共同代表は「戦争の時代は変革の時代・革命の時代だ。始まる前に戦争を止めよう、そして地域の中で農民として生きていく社会をつくるために、全国農民に運動を広げよう」とまとめました。
変革の時代に対応する全国農民会議に生まれ変わることを確認する総会となりました。
(全国農民会議 山口敏昭)
