第139回一斉行動 成田は戦争に使われる 住民から反対・懸念の声

週刊『三里塚』02頁(1154号01面03)(2025/02/24)


第139回一斉行動
 成田は戦争に使われる
 住民から反対・懸念の声

(写真 一斉行動朝の打ち合わせ【16日】)

 反対同盟と支援連絡会議は2月16日、139回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
 成田市天神峰の反対同盟会議室前に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った。この日は曇り空で航空機の音がいつもよりも響き、たびたび会話がさえぎられた。
 司会を務めた事務局の伊藤信晴さんは、「千葉県議会でも取り上げられたが、芝山町だけが主な死亡原因の1位が心疾患となっている。他の周辺市町村では1位はがんだ。県の担当者は高齢化のせいだなどと言っているが、それは他も同じだ。町の7割が騒音地区に指定されているのが芝山だ。WHO(世界保健機関)は騒音の影響で心疾患が増えると指摘している。騒音はまさに人命にかかわる問題だということがはっきりしてきている。周辺住民とともに機能強化反対を闘おう」と訴えた。
 続いて、市東孝雄さんが、「耕作権裁判でどんな判決が出ても、その後の闘い方についてみんなで考えていきたいと思います。周辺一斉行動でこっちの状況を知らせ、向こうの状況もいろいろあると思いますが、がんばってやっていきましょう」と呼びかけた。
 今回用意された反対同盟ニュース第134号は、耕作権裁判の判決日が指定されたことを受け、3・24千葉地裁包囲デモ・傍聴と3・30天神峰現地闘争への参加を呼びかける内容だ。2面に、「農民の犠牲の上に平和な社会を築くことはできない! 農民としての誇りにかけ農地を守り、農業を続ける」と最終弁論で力強く宣言した市東さんの意見陳述を掲載。4面の「周辺住民の声」は「空港ができてよかったことなど何一つない」と憤る横芝光町の農家から。
 打ち合わせを終えた参加者は、同盟ニュースを手にそれぞれの担当地域へと飛び出した。
 朝方ぱらついていた雨も昼にはすっかり上がり、農家はネギの収穫やじゃが芋の植え付け、トラクターの整備、畑にトンネルをかける作業などに汗を流していた。
 帝国主義としての利害むき出しの第2次トランプ政権の登場、その最大の同盟国として石破政権が大軍拡を進めていることへの怒りと危機感が、急速に農村にも広まっていることを実感した。
 成田市の農家は、「空港が戦争に使われるのは明らかだ。市東さんの農地を守る運動は重要なこと。戦争情勢の激化の中で、絶対反対の声を大きくしたい。生きている限り自分も戦争反対を貫くのが大事と思っている」
 芝山町の住民は、「これほど巨大な貨物基地が本当に必要なのか。軍事転用して、兵たん拠点にしようとしているのでは」と語った。
 今年から耕作を禁じられた芝山町菱田の田んぼにはユンボが入り整地作業が開始されている。森林の伐採も進んでいる。だが、複数の住民から「この調子だと工事は遅れる」との声。機能強化粉砕へ決意を新たにし、一日の行動を終えた。
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