明日も耕す 農業問題の今 現代の農民一揆が胎動 「農業への危機感が充満」
明日も耕す 農業問題の今
現代の農民一揆が胎動
「農業への危機感が充満」
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昨年末、世界で激発する農民デモを取り上げたが、トランプの再登場と韓国ユンソンニョル大統領の逮捕で幕を開けた2025年は、動と反動がぶつかり合い、さらなる実力決起の年となる。その動きは始まっている。
1月19日、非常戒厳宣布でクーデターを画策した韓国大統領ユンソンニョルがついに逮捕された。この情勢をつくり出したのは、百万人規模の実力闘争をたたきつけてきた民主労総を先頭とする韓国の労働者人民だ。その中には、もちろん農民の決起もある。
日本のマスコミ報道でも、昨年12月22日に大統領官邸のそばで大規模なデモが行われ、農民が横断幕などを掲げたトラクターを路上に並べて抗議したことが伝えられた(12月23日付毎日新聞夕刊)。
怒りの実力決起
12月18日には、日本でも島根県吉賀町で22台のトラクターを連ねたデモ行進が行われ、40人が「農業、すなわち食料を守れない国に未来はない」と訴えた。
そして1月12日に開かれた反対同盟団結旗開きでは、全国農民会議共同代表の小川浩さんが「今、山形の菅野さんという農家が中心になって、もうこうなったら農民一揆しかないと呼びかけている。世界でもそうですけども、日本全国で農業に対する危機感がものすごく充満している」と紹介した。
山形の菅野芳秀さん、新潟の堀井修さんら農民が中心となって実行委をつくり、3月末には東京でトラクターデモとシンポジウムを行い、その後全国をまわるという。その一連の過程を「一揆」と呼んでいる。
菅野さんは「実力行使を伴うものではなく穏やかな取り組みだが、ただチラシ配布だけ、シンポだけで癒えるほど傷は浅くない。土と共に生きるための連携を呼びかけたい」と語る。
菅野さんは「穏やか」と言うが、トラクターデモは実力決起の始まりだ。「今を逃したら農村はなくなる。農民を殺すな!」という怒りの胎動が始まっている。
こんな政府倒せ
食糧管理法(食管法)の廃止から30年。国は米価を市場に委ねる政策を推し進めてきた。その結果、コメ農家がコメを作っても食えない状況が生まれた。「EUや米国では手厚い保護があり、市場価格=農家の収入とはなっていない。日本は裸の市場価格に農家が投げ出されている」(菅野さん)。
コメは流通に支配され、ぎりぎりの需給均衡を保とうとした生産調整・減反政策は、「令和の米騒動」にも対応できない事態を招いた。
政府の無責任ぶりがあらわとなったが、それでも戦時財政に突き進む中で、財務省は財政負担の軽減を優先するとして、国産米の備蓄水準を減らせとまで言い出した。
こんな政府は倒そう。
韓国の労働者農民と連帯して闘おう。全国の農民決起と連帯し、その先頭で市東さんの農地強奪阻止を闘おう。
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