耕作権裁判勝利、南台農地守れ 新年団結旗開き盛大に 3・30天神峰現地闘争を呼びかけ
耕作権裁判勝利、南台農地守れ
新年団結旗開き盛大に
3・30天神峰現地闘争を呼びかけ
米トランプが1月20日、新大統領に就任した。「パリ協定」離脱、WHO脱退など26の大統領令に次々と署名。移民排除に向け南部の国境の非常事態の宣言、連邦議会乱入事件での訴追者への恩赦、中国へ10%、カナダ、メキシコに25%の関税をかけると言い放つなど、危機ゆえの凶暴な姿をあらわにしている。トランプ反革命と闘う労働者人民と連帯し、日米安保粉砕、石破打倒の大反戦闘争を巻き起こそう。その先頭に立つ気概に燃える三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する新年デモと団結旗開きが1月12日に行われ、59年目の三里塚闘争がスタートを切った。
朝から小雨が降り、冷え込む中、反対同盟は新年恒例の東峰神社のしめ縄の交換を行った。この神社は東峰部落の「総有」であり、Bの南延伸を阻む「空港阻止」の闘争拠点だ。手際良く作業を終え、市東孝雄さんの南台農地に再集合した。
太郎良陽一さんが、この畑は耕作権裁判の焦点であり成田空港会社(NAA)が強奪を狙っていると説明し、シュプレヒコールを上げて、直ちに120人がデモに出発。
反対同盟宣伝カーには婦人行動隊の宮本麻子さんが乗り、「空港反対・農地死守」の訴えを一帯にとどろかせた。デモ隊は国道295号線(空港通り)を空港に向けて力強く進み、NAA本社に「農地強奪を許すな!」「南台農地を守り抜くぞ!」のシュプレヒコールをたたきつけた。
午後からは、芝山町の福祉センター「やすらぎの里」で、新年団結旗開きが開催された。
前半の司会を婦人行動隊の木内敦子さんが務め、最初に芝山町白桝の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った(発言要旨別掲)。米トランプと二人三脚で戦争に突進する石破政権を弾劾し、南台農地強奪阻止に日本農民の未来のかかった決戦として立とうと訴えた。
実力阻止態勢を
続いて、東峰の萩原富夫さんが「闘争宣言2025」を読み上げた。世界戦争の危機の中、「戦争のための空港機能強化と市東さんの農地強奪に立ち向かい、成田軍事空港粉砕へ闘おう」と訴え、耕作権裁判で不当判決が出た場合は、直ちに実力阻止態勢に決起しようと呼びかけた。
市東さんが「乾杯の音頭」で登壇した。「耕作権裁判の判決が間近ですが、闘いはこれからです。負けたわけじゃないし、私の気力のあるうちは闘います。25年も楽しく闘っていきましょう。乾杯!」と盃を上げた。
連帯のあいさつの最初に、動労千葉委員長の関道利さんが立ち、反対同盟と「反戦の砦(とりで)」「車の両輪」として、市東さんの南台農地をともに守り抜く決意を表した。
関西実行委に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員の西山直洋さんがあいさつに立った。労組として当たり前の組合活動への不当極まりない弾圧事件の判決が今年次々と4件下されることを報告し、三里塚と連帯しながら25年を反転攻勢の年にするとの決意を述べた。
反対同盟顧問弁護団は、耕作権裁判で実現した8人の人証調べの意義を振り返り、NAA側が証拠として提出している「同意書」「境界確認書」の証拠価値がゼロであることを解説し、勝利判決をもぎとるべく全力を尽くすと誓った。
トリオ「いなのとひら・のとこば」が、風刺を利かせた楽曲で、会場を盛り上げた。
集会は後半の諸団体の発言に入った。「群馬・市東さんの農地を守る会」の労働者は、三里塚との連帯にかけて昨年「戦争反対」を掲げて職場ストに立ち、日系ブラジル人労働者と言葉の壁をのりこえて団結していることを報告した。
全国農民会議共同代表の小川浩さんは、農民にとって三里塚のような闘いが今必要だと訴え、農民会議が先頭に立つ気概を表した。
婦人民主クラブ全国協議会代表の荒井素子さん、全国水平同盟書記長の田中れい子さん、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、杉並区議会議員の洞口朋子さん、関西新空港絶対反対泉州住民の会代表の中川育子さんの連帯発言が続いた。
ひときわ熱い拍手に迎えられた全学連の矢嶋尋委員長は、耕作権裁判で仮執行付きの反動判決が下された場合、直ちに現地行動隊を編成して闘うことを約束した。
革共同の秋月丈志書記長は、「日本帝国主義は三里塚のような闘いを残しておいて中国侵略戦争に踏み出すことはできない」と現在の攻撃の激しさの核心を述べ、反対同盟との血盟にかけて立ち、トランプ反革命登場と対決し、中国侵略戦争を阻止すると断言した。
全員で「反対同盟の歌」を斉唱し、会場の熱気は最高潮に高まった。
最後に太郎良さんが「もしまた強制執行となったら、2・15の比じゃない、もっとすごい闘いをやると決意しましょう! 3・30天神峰現地闘争と判決期日への大結集を」と訴え、団結ガンバローを三唱し、三里塚の勝利を誓い合った。
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空港拡張は戦争のため
発言から
皆の力借りて闘いは楽しく
敷地内天神峰 市東孝雄さん
毎年決戦、決戦という始まりですが、今年も同じようなことになると思います。しかし、私一人じゃ何もできないんです。今日ここに集まられた皆様の力、それで私の農地も守られています。反対同盟59年の闘いも皆様との団結の力でここまで続けて来られました。本当に感謝しています。
判決が間近だということですが、まだまだ闘いはこれからです。負けたわけじゃないし、私の気力のあるうちは闘います。今年も皆様とともに頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。25年、今年も楽しく闘っていきましょう。
目前に迫った世界戦争危機
芝山町白桝 伊藤信晴さん
新年早々から耳を疑うようなトランプの発言が続いています。映画のギャングが話しているようです。ある面では真実なんです。米帝を先頭に争奪戦、戦争に向かって進んでいる。石破はこのトランプと二人三脚でこの戦争情勢に突進しようとしている。世界戦争が目の前に迫っています。
耕作権裁判は結審から3カ月以上経っても判決期日が明らかになっていません。判決を書くのに何を迷うことがあるのか。迷うことなんて全然ないんです。市東さんの正当性は明らかです。はっきり言えば裁判長は反動判決をどのようにうまく書くのかだけを悩んでいる。市東さんの農地を守る闘いは日本農民の未来のかかった闘いです。全力で反戦闘争を爆発させ、成田軍事空港粉砕の59年の歴史をかけて闘いぬきましょう。
2・15上回る決戦に立とう
事務局員 太郎良陽一さん
みなさんの発言を聞いて、われわれ反対同盟も背中を押されました。一昨年の2・15強制執行との闘いの比じゃない、もっとすごい闘いを決意しましょう! 千葉地裁が反動判決を出すことを許さない! 強制執行、来るなら来い!
三里塚闘争は反戦闘争の砦(とりで)だと言われました。そういう闘いをみなさんの力を借りて、この少ない人数ですけれども先頭でやります。この旗開きによって私は決意しました。
3・30天神峰現地闘争へ! 耕作権裁判の判決日が決まったら、千葉地裁への大結集もお願いします。
2025年闘争の勝利に向けて、われわれ全国労働者人民は三里塚の団結で権力を倒すまで、空港をつぶすまで、団結して闘うぞ! 勝利するぞ!
分割・民営化の破綻あらわ 動労千葉委員長 関道利さん
市東さんの南台農地を断固死守する、そういう気持ちで25年決戦を迎えたいと思います。市東さんは耕すことが命だと常々おっしゃってます。
三里塚は反戦の砦と言います。私たち労働組合も反戦の砦として、戦争にまい進する国家を打倒して、市東さんの南台農地を守りぬきましょう。
25春闘を組織拡大、反戦春闘として闘おうと団結旗開きで宣言しました。1月1日に、幕張支部で1人の組織拡大がありました。この1人が次から次へ、とさせるために日々闘いたい。1047名解雇撤回・JR復帰の高裁あて署名への協力をお願いします。JRは去年の暮れに運転士を1年で促成栽培的につくると提案してきました。ここに国鉄分割・民営化の破綻があらわれています。今年1年、市東さんと共に車の両輪として、闘いたいと思います。
三里塚は農民闘争の羅針盤
全国農民会議共同代表 小川浩さん
農家の平均年齢は69歳。後継者がいない中で日本の農業はどうなるのか。本当に今、危機的な状況を迎えています。
石破は「個別所得補償をやれば農家は努力しなくなる。生産性も上がらず農地の集積も進まない」。総裁になって逆のことを言っています。
米が高くなっていますが、農家にとっては30年前の値段に戻ったに過ぎないんです。労働者の賃金が30年で半分になったらどうでしょうか。農家はそれを強制されてきたんです。山形の農家を中心に、もう一揆しかないと農民一揆が呼びかけられています。
戦争と農業は無縁ではなく、農民は満蒙開拓として戦争に動員されていった歴史があります。三里塚の闘いこそ農民の生きていく羅針盤です。農民会議はまだ微力で力不足ですが、三里塚に寄り添って、三里塚のような闘いをやっていきたい。
隊列を倍加し農地死守する
全学連委員長 矢嶋尋さん
耕作権裁判の判決日まで千葉地裁を包囲し必ず勝利判決を勝ち取ろう。
市東さんの天神峰農地を強奪したNAAと国家権力を私たちは未来永劫(えいごう)許しません。市東さんの命である農地をブルドーザーと機動隊が踏みにじった怒りと悔しさを忘れることはありません。もう一つ、忘れることができないのは、国家権力と体を張って闘うことのとてつもない楽しさと解放感でした。農民と労働者、学生が団結して闘えば必ず勝てると、あの日確信を持ったことが昨年の大衆的な実力闘争、反戦闘争の一切の土台をなすものでした。次々に新たな仲間が合流して11月集会ではついに学生3桁の部隊を実現しました。また強制執行をやるというのであれば全学連は天神峰決戦よりも隊列を倍加させて必ず実力で阻止します。南台農地死守のために共に全力で闘いましょう。
中国侵略戦争阻止の先頭で
革共同書記長 秋月丈志さん
革共同は今日の反対同盟の決意を共にして血盟にかけて2025年の南台農地死守の闘い、三里塚決戦を断固闘いぬくことを宣言します。
戦後80年の実に4分の3。日本の階級闘争、農民運動、反戦運動の中軸にこの三里塚がずっとあったということはものすごいことだと思います。
三里塚の二期工事、成田空港を完成させるということと、国鉄分割・民営化を完全にやり切って改憲をやるという、日本帝国主義の2大国策を私たちの力で、反対同盟と動労千葉を先頭としたここに結集している力で粉砕してきたと思うんです。革共同はこの三里塚と動労千葉を先頭とする人民との血盟の闘いの真価にかけて、この25年、中国侵略戦争阻止、トランプ反革命粉砕、石破政権打倒に向かってここに集まったみなさんと共に先頭で闘いぬきたいと思います。
闘争宣言2025
三里塚芝山連合空港反対同盟
2025年、ウクライナ戦争が3年、パレスチナ人民虐殺も終わりが見えない中、アメリカ第2次トランプ政権発足によって世界は混乱と衝突が激化し、世界戦争の危機が深まっている。シリア・アサド政権の崩壊、ドイツ連立政権崩壊、韓国・ユン大統領の戒厳令発動、米中対立の激化など世界情勢が激動する中、少数与党に転落した石破自公政権は総翼賛体制構築へと向かい、戦争準備を加速させている。
われわれは帝国主義による侵略戦争と環境破壊に立ち向かう世界の人民と共に闘う。59年目の三里塚闘争は、戦争のための空港機能強化と市東さんの農地強奪に立ち向かい、成田軍事空港粉砕へ闘わなければならない。
23年2月の天神峰農地強制執行から2年、成田空港会社は鉄板フェンスで囲い込んだ市東さんの農地を破壊し、荒れ地にしたまま放置している。これは農民(市東さん)と農業に対する冒涜だ。市東さんの営農と生活を破壊し、騒音をあびせて追い出しにかかる成田空港会社の攻撃を跳ね返そう。
18年間闘ってきた耕作権裁判は証人尋問を闘い抜き、昨年9月結審した。予想される3月の判決日まで気を緩めることなく千葉地裁を包囲し、必ず勝利判決を勝ち取り、南台農地を守り抜こう。仮執行など不当な判決が出た場合は、ただちに実力阻止態勢に決起しよう!
成田空港会社は「新しい成田空港」構想で、効率化し、巨大物流拠点として改造して空港間競争に勝ち抜くというが、実態は国家プロジェクトとしての軍事拠点造りに他ならない。対中国戦争をにらんだ沖縄・南西諸島でのミサイル基地建設から九州、全国へとひろがる空港・港湾の軍事化と弾薬庫建設など、戦争準備と一体だ。辺野古、宮古島など死活をかけて闘う沖縄と連帯して、軍事空港粉砕する反戦闘争に立ち上がろう。
「夜間飛行差し止め訴訟」を闘う周辺住民と連帯し、空港拡張反対署名に取り組み「空港拡張差し止め裁判」を闘おう。3・30天神峰現地闘争に総決起しよう! 反対同盟は全ての闘う仲間と共に闘うことを宣言する。
2025年1月12日