「原告適格なし」に反論 第3滑走路の違法を追及 拡張差止裁判

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週刊『三里塚』02頁(1151号02面02)(2025/01/13)


「原告適格なし」に反論
 第3滑走路の違法を追及
 拡張差止裁判


 千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で12月24日、空港拡張差し止め裁判が開かれた。
 空港の存在そのものを問い直すこの裁判で、被告の国はこの間、原告の一人である伊藤信晴さん(芝山町・白枡地区在住)について「原告適格がない」と難癖をつけ、「いかなる財産権を有しているか明らかにしろ」などと求めてきた。
 反対同盟顧問弁護団は、準備書面を陳述し、伊藤さんが1979年に土地を賃借して家を新築し、現在までそこに住み続けてきたこと、地主に地代を支払い、芝山町に固定資産税を納税し続けてきたこと、2024年に建物の登記が行われたことを明らかにした。さらに伊藤さんが住む白枡集落にはNAAによる「全戸移転攻撃」とも言うべき買収交渉がかけられていることを述べ、伊藤さんの居宅と第3滑走路予定地との位置関係を明確にするために、空港機能強化=第3滑走路建設にかかわる2500分の1の計画図面の提出を国に求めた。
 次回期日を3月14日として閉廷。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に司会の伊藤さんが、79年から住み続けてきた自身の家について語った。「反対同盟の1983年3・8分裂で、土地所有者の方は熱田派に加わり、私は敷地内とともに闘う道を選び、考え方では袂(たもと)を分かった。だが引き続き自分が白枡に住み続けることを認めてくれた」と当時の事情を説明した。
 続いて弁護団がそれぞれ発言し、被告の国とNAAに対して再度怒りを表した。年度内判決が予想される市東さんの耕作権裁判についても、全体で勝利を誓い合った。
 集会後、反対同盟と支援連は千葉地裁前に陣取って情宣活動に立ち、「齊藤顕裁判長は農地強奪判決を出すな!」と訴えた。(写真)
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