婦人行動隊新年のアピール
婦人行動隊新年のアピール

女性が先頭に立って
宮本麻子さん

耕作権裁判においては、大学教授、現地闘争本部の同志、多彩な人たちが証言台に立ってくれました。NAAは、市東東市さんの署名・押印がある文書を偽造して「証拠だ」と主張し、その一方で、あるはずの重要文書を「ない」と言い張って隠し続けました。反対同盟顧問弁護団の追及に対し、NAAの代理人は噴飯物のけち付けやあらさがしに終始しました。18年もの裁判を通して市東さんが耕し続ける権利は揺るぎないことが、誰の目にも明らかになったと思います。
でも判決はまったく油断できません。これまでの三里塚裁判で千葉地裁は、NAAや国の肩を持つ判決を出し続けてきたからです。
「空港建設は公共の利益だ」というのが向こうのお決まりの主張ですが、実際にはどの大資本、企業がもうけるのかという問題です。農業をつぶして空港を造ることは許せません。
政府は28の空港・港湾を指定して、戦時にだけでなく日頃から自衛隊などが優先的に使えるようにしています。南西諸島では住民の暮らしを脅かして、ミサイル基地や弾薬庫が造られようとしています。成田空港拡張、機能強化も軍事空港建設です。ベトナム戦争の最中で反対同盟結成当初の1966年、北原鉱治事務局長は羽田空港を視察しました。米軍のチャーター機があふれ、米軍兵士の遺体袋が積み下ろされている現実を確認しました。以来、反対同盟は一貫して軍事空港阻止を掲げてきました。
反戦闘争の先頭に女性が立つ機運が高まっています。2・15強制執行との闘いでは、全学連の女子学生が重装備の機動隊に素手で立ち向かい、闘えば権力を負かすこともできると実証してくれました。今後も大いに期待しています。女性の置かれている立場はまだまだ生きづらく厳しいものです。ともに立ち上がってこの社会を変えましょう。反対同盟は市東さんの農地を守り、反戦・反核の闘いの先頭に立ちます。
先人に学び若者と共に
木内敦子さん

昨年の三里塚裁判の傍聴を通じて感じたのは、まず国やNAAの空港づくりのひどさ、でたらめぶりですね。それと対照的に弁護団の主張、証人の証言を通じて、三里塚闘争のさまざまな面に光を当て浮き彫りにし、正義がこちらにあることが明らかになったこと。人権、公共性、騒音被害、農地法の解釈、すべてのことが市東さんの耕作権を証明していて、これで土地明け渡しの不当判決を下したら、法をつかさどるべき裁判長のプライドはどこにあるんだと感じます。市東さん本人の陳述を聞き感動しました。
23年2・15の激突は、民衆が権力に対してこうやって闘えるんだということを、次の世代に向かって指し示したものでした。そしてその日に至る現地の継続的座り込みにも、数多くの人たちが交代で駆けつけてくれました。現地では寝泊りの環境をできるだけ整えてくれたと思いますが、特に今の学生さんにとっては、酷寒の中で暖房も十分でなく、今時けっして心地よいものだったとは言えません。そんな資本主義社会では体験できない不便で不自由な環境に身を置いてがんばってくれたことが、若い人たちの今後の財産になったらなと感じます。
日本は文明国だ先進国だと言われてますが、女性の地位は低いし環境は悪いし、みんなが幸せに暮らせるあり方は、空港の拡張の中にはないと思います。
反対同盟の戦争経験者の人たち、北原鉱治事務局長、市東東市さん、鈴木幸司さんなどが常に発していた「二度と戦争を許さない」というメッセージを今、しっかりと受けとめていきたい。気づいたら戦争のただなかにいた、ということがないように、戦争をやりたがる国の壁をどんどんたたき続けることです。たたけばそれが壊れる日が必ず来ます、ベルリンの壁のように。
全学連の闘いにはすごく期待しています。私も若い人から学びつつ、希望をもって闘います。
