明日も耕す 農業問題の今 世界で激発する農民デモ このままでは生きられぬ

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1150号02面05)(2024/12/23)


明日も耕す
 農業問題の今
 世界で激発する農民デモ
 このままでは生きられぬ

(写真 英トラクターデモ【ロンドン】)


 トランプの再登場、自民党支配の崩壊、ドイツ、フランスにおける政権の再編など、帝国主義の世界支配が崩壊する中で、世界中で労働者、学生の反戦デモやストが闘われ、農民もまた実力デモに立ち上がっている。
 ヨーロッパでは、環境対策を理由にした農薬使用や家畜の飼育をめぐるEU規制、ウクライナ戦争をきっかけとする燃料費の高騰、関税停止措置による安価なウクライナ産の農産物の流入などで、農民の不満が高まっていた。
 フランスで政府が環境対策として農業用ディーゼル燃料に対する減税措置の打ち切りを発表したのをきっかけに、1月から抗議の動きが広がり、農民のデモは12カ国にまで及んだ。
 そのヨーロッパで、再びデモが闘われている。
 フランスでは11月中旬、EUと南米南部共同市場(メルコスル)の自由貿易協定(FTA)に反対し、80カ所以上でデモが発生した。

トラクター集結

 この協定は、EUと南米諸国の貿易促進を目的に関税を撤廃するもので、2019年に交渉は妥結した。
 ドイツやスペインなどは製造業の輸出拡大につながると期待する一方、フランスは農業への打撃を懸念して反対を続け、締結に至っていない。
 しかし、反対の意向を示すのみのマクロン大統領に、農民は「政府の対応は不十分」と批判。「フランスの農業は危機にひんしている」として、各地でトラクターで道路をふさぐなど抗議の実力行動に立っている。
 イギリスでスターマー政権が財源確保のために、2026年4月から農地に20%の相続税を課す方針(「トラクター税」と呼ばれる)を表明したことに反発し、11月19日、首都ロンドンに数千人の農民がトラクターなどで押し寄せた。
 現行の相続税では、農地などの農業資産は100%の控除を受けられるという。農民は「相続税を払うために土地の売却を迫られることになる」と怒り、「農家がいなければ食料も未来もない」と書かれたプラカードを掲げて撤回を求めた。

石破打倒デモを

 インドでは2月13日、首都ニューデリーで、コメや小麦などの主要な農作物を政府が買い取る際の最低価格の法制化を求め、農民や支持者の大規模なデモが行われた。
 最近では「農民抗議団体が、本日12月2日(月曜日)正午から、新農業法における保証と給付を要求し農民抗議デモ活動を実施する」「インド治安当局は交通規制及び警戒態勢を敷く予定」だと外務省の「海外安全ホームページ」が掲載する状況が続いている。
 資本主義が行き詰まり、各国で支配の危機乗り切り・矛盾の押しつけが農業に向けられる中で、農民は「このままでは生きられない」と決起している。
 中国侵略戦争のための食料安保・農業へ舵を切る石破農政への回答は、石破打倒の実力デモだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加