第136回空港周辺一斉行動 住民に戦争への危機感 「絶対ダメ、勝っても負けても」
週刊『三里塚』02頁(1148号02面01)(2024/11/25)
第136回空港周辺一斉行動
住民に戦争への危機感
「絶対ダメ、勝っても負けても」
(写真 朝の意思一致【17日】)
反対同盟と支援連絡会議は11月17日、136回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。成田市天神峰は、前夜からの雨が上がり、市東孝雄さんはさつまいも掘りの準備に余念がない。反対同盟会議室前に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った。
最初に、芝山町白桝の伊藤信晴さんが周辺住民による夜間飛行差し止め訴訟の進行状況について報告。現地の仲間が、日米共同統合演習「キーン・ソード25」が終了したが、陸上自衛隊の実動演習は続いていること、13日から米原子力空母「ジョージ・ワシントン」や第5世代戦闘機のF35などが参加する日米韓による共同訓練「フリーダム・エッジ」が今年6月に続いて強行されていること、14日には米軍のオスプレイが民間空港の鹿児島県の奄美空港に2機、福岡県の福岡空港に4機相次いで着陸していることを弾劾。「中国・北朝鮮への戦争挑発、日米両政府によるなし崩し的な民間施設の軍事使用の拡大を許さない闘いを周辺住民に呼びかけよう」と訴えた。
この日用意された反対同盟ニュース第131号は、12月24日に千葉地裁で開かれる空港拡張差し止め裁判への傍聴と成田拡張反対署名への協力を呼びかける内容だ。2面で、住民が現に使用している市道を成田市が廃道にした前代未聞の暴挙を追及している団結街道裁判への傍聴の呼びかけ。3面で、11・3全国労働者集会での萩原富夫さんの連帯あいさつを掲載。4面で騒音訴訟に立ち上がる芝山町住民の声を紹介している。
打ち合わせを終えた仲間はそれぞれの担当地域へと飛び出した。
芝山町のある農家は「夏の暑さにやられて5回も種をまき直した。水やりをしたらかえって土の中で蒸れてしまいダメになった。ハネ出しも多くて大変」と気候変動への危機感を表明した。さらに、「昔反対同盟から追放されたカクマルへの家宅捜索の報道が最近あったね」という話をきっかけに、「自分は全学連の秋山勝行委員長(当時)と反対同盟の戸村一作委員長が集会の壇上で共闘を宣言し、日本共産党を追い出す宣言を発したところも見た」と、闘争の経験を語った。秋山さんが今なお戦争情勢と闘い続けていることを伝えると、少々驚きつつも心弾んだ様子だった。
別の芝山町民は、「闘争初期、市役所前での闘いの際につるはしでコンクリートをはがして学生さんに運んだ」と誇らしげに語った。
差別があおられ排外主義が強まっていることへの危機感を表明した芝山町民は、「この間の総選挙では空港推進の候補しかいないので入れようがなかったよ」と。
11・3労働者集会の成功を知った芝山町民は、「戦争反対で若い人が多く集まったことは大きい。石破打倒は当然。期待している」
B滑走路の北延伸による騒音移転対象地域の成田市民は「この歳にもなって他へ移る気はない。市東さんも大変だと思うが、がんばってください」。
C滑走路新設で移転対象となる成田市民は「騒音は風向きで大きく変わる。拡張するなと言いたい」。
戦争への危機感も広がっている。中学1年生の時に敗戦を迎えたという成田市民は、機銃掃射を避けるため通学にも山道や木の下を歩いた苦労などについて語り、「戦争は絶対ダメ。勝っても負けてもいいことは一つもない」と訴えた。
また別の住民は、米トランプ再選の下で「成田は米軍基地にされかねない」懸念を表明した。
また、空港内外の建物について「二次製品(コンクリートを大きな工場で成形し、現場で組み立てる)の方が安上がりなので主流になってきている。生コン会社が撤退するところも出ている」との情報も寄せられた。
参加者は手ごたえを感じつつ行動を終えた。