団結街道

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1148号01面06)(2024/11/25)


団結街道


 四季の二季化が進む中、ようやく平年並みの寒さが戻ってきた。過去最高を記録し続けた暑さの収束にホッとしつつも、何かとんでもないおとし物を僕はしてきてしまったらしい▼行楽の秋…。今や消滅しつつある「季節の変わり目」だが、それに付き物の風邪は健在だ。少し前に僕もり患し、わが家で流行した。幸い高熱で寝込むような人はおらず、みな風邪「のような」症状で済んだ。ただ、順番的に見て僕が「うつした罪」を背負うことには、少しの配慮はあれど少なからぬ違和感がある▼風邪の原因は完全には解明されておらず、感染経路の特定は困難だ。戦時司法でもない限り推定無罪だろう。たとえ新型コロナのような感染症であっても、故意でなければ「うつす」のも「うつされる」のも両者無罪と僕は思う▼百歩譲って「うつす」のが有罪なら、「うつされる」のは無罪。「うつされる」のが有罪なら、「うつす」のは無罪。それでいいではないか。いずれも有罪として取り締まるいわゆる「自粛警察」には心の底から嫌悪感を覚える。少なくとも友だちにはふさわしくない▼「ともだちって/かぜがうつっても/へいきだって/いってくれるひと」「ひとりでは/もてない/おもいものも/ふたりでなら/もてる」「だれだって/ひとりぼっちでは/いきてゆけない/ともだちって/すばらしい」。先日92歳で亡くなった谷川俊太郎さんの詩「ともだち」の一節だ。
このエントリーをはてなブックマークに追加