集会発言 天神峰で耕し続ける

週刊『三里塚』02頁(1146号01面02)(2024/10/28)


集会発言
 天神峰で耕し続ける

◎基調報告
機能強化粉砕し空港廃港に
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 反対同盟は軍事空港建設反対を掲げ58年間闘いぬいてきた。市東さんの農地を守り、戦争のための空港拡張に反対することが本集会の目的だ。
 ①耕作権裁判は9月30日、市東さんと弁護団の圧倒的正義の最終弁論をたたかった。齊藤顕裁判長は、判決日を指定できなかった。さらに千葉地裁を包囲して、必ず勝利判決を勝ちとろう。
 ②政府が進める国際物流拠点としての機能強化(第3滑走路建設、B滑走路1千㍍延伸、深夜早朝の規制緩和)・「新しい成田空港」構想は中国への戦争を準備する兵站拠点への大改造に他ならない。世界の反戦闘争と連帯し、新たな巨大軍事空港建設を粉砕しよう。
 ③機能強化は農地や里山を押しつぶす大規模環境破壊。国内農業を壊滅に追い込んできた自民党政権が「食料安保」を叫ぶとはお笑いだ。気候危機が進むなか、温暖化ガスの排出を半減させるどころか2倍化しようとする機能強化は犯罪だ。環境と命をかえりみない成田空港を資本主義もろとも葬り去ろう。
 ④われわれには闘う以外の選択肢はない。三里塚闘争は、農地強奪と軍事空港に反対し、日本政府を打倒し、戦争を起こすしかない資本主義を倒し、人間が人間として生きられる社会を目指す闘いの拠点だ。動労千葉はじめ闘う労働者、学生・市民と連帯し、あらゆる差別・排外主義とたたかい、沖縄・福島・三里塚を一つのたたかいとして共闘する。
 労農学連帯の力で耕作権裁判に勝利し、空港機能強化粉砕・空港廃港へ共に闘おう。

先人の闘いの炎を受け渡し
 婦人行動隊 木内敦子さん

 約60年前のことです。飛行機も空港も未知だった。何人かで羽田空港へ見学に行ったそうです。ベトナムから戻ってきた米軍機がずらっと並んでいた。そこで、反対同盟は自分の土地から戦争に向かう飛行機が飛び立つのはいやだ、戦争反対、軍事空港反対と反対運動を始めました。先人の心に燃えた戦争反対、空港反対の炎を私たちはしっかりとバトンのように受け継ぎました。そして、その炎を今ここにいる若い学生たちに受け渡せたと思います。大きな流れの中では小さな炎かもしれない。だけど、未来を開く明るい光だと思っています。今日の集会、炎を赤く照らして勝ちとっていきましょう。

住民無視する町当局を追及
 芝山町白枡 伊藤信晴さん

 耕作権裁判が結審したが、今後も千葉地裁を弾劾し続けたい。
 岸田は有事を想定した「特定利用空港・港湾」を28カ所指定した。米日帝は沖縄を中心に日本全土で軍事演習を展開。中国を敵視し、侵略戦争を構えている。破滅への道であり、絶対に阻止しなければならない。
 「新しい成田空港」構想、エアポートシティなどが声高に叫ばれ、芝山町は税収増で日本一の優良自治体になると喜んでいる始末だ。成田はLCC(格安航空会社)と貨物機が中心の空港になる。なぜ巨大な3本の滑走路がいるのか。
 芝山町では第3滑走路敷地内130戸、騒音下220戸の移転を強制。住民の声を無視し、金のみを求める行政が戦争を呼び込んでいる。市東さんの「金よりも命」の声を高々と掲げて、南台農地を守りぬき、軍事空港を粉砕しよう。

負けるわけにいかない裁判
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 18年続いた耕作権裁判は判決を待つのみ。私にとって農地は命、農地がなければ農民は本当に死んだも同然。何もこっちは悪いことはしていない。誰が見てもこの裁判負けるはずがないが、北原鉱治事務局長は「裁判は勝っていてもいざ判決になると三里塚は負けるんだ」とよく言っていた。しかし、耕作権裁判だけは負けるわけにはいかない。闘う労働組合との連帯、市民、学生との団結、国策と闘う沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして、これからも体が続く限りはあそこで畑を耕していきたい。それが今の私の思いだ。皆さまに、おいしい安全な野菜を食べていただき、「おいしかったよ」の一言を聞くことだけが私が今畑をやっている一つの誇りの結晶だ。どういう判決が出ても、皆さんと共に三里塚58年の闘いをさらに盛り上げてがんばっていきたい。

反戦は労組の最重要の任務
 動労千葉委員長 関道利さん

 市東さんは裁判で「空港会社の汚いやり方には絶対に屈しない。南台農地を守りぬき空港廃港へ」と誇り高く決意を語った。動労千葉も車の両輪として共に闘いたい。
 私たちは大会で自国政府の戦争政策と闘い、戦争を阻止することを労働組合の最も重要な任務として確認した。琉球弧に住む人々を犠牲にしてやろうとしているのは、中国への侵略戦争だ。石破は岸田に続いて、大軍拡とこの琉球弧の軍事要塞化をさらに進めようとしている。総選挙でも最大の焦点のはずだが、大手メディアは扱わない。立憲民主党も日米同盟基軸や対中国の侵略戦争では一致している。だからこそ、労働者の団結した闘いを登場させることが絶対に必要だ。階級的労働運動をよみがえらせ、国際反戦闘争として11・3全国労働者集会への結集を心より訴えます。

実力闘争への確信つかんだ
 全学連委員長 矢嶋尋さん

 5月辺野古土砂搬入阻止、8・6広島集会規制粉砕、10・7イスラエル大使館前での内乱的抗議闘争、これらの勝利の原点には三里塚闘争がある。昨年2月、市東さんが生まれ育った天神峰農地を奪った国家権力に対する煮えたぎる怒りを一生忘れることはない。同時に、機動隊の阻止線を何度も破り、12時間ぶつかった経験は、自分の中にまだあった権力万能神話を完全に打ち砕くものとなった。闘えば勝てる。あの場で強制執行と闘った学生、労働者が権力の限界をみて、数を集めて本気で闘えば、次は強制執行を許さない闘いができるという実感、確信を得たことが今の実力闘争の大爆発につながっている。日米が中国侵略戦争に突き進む中で、この反戦の砦、三里塚は中国侵略戦争阻止の最前線の決定的位置を持つ。全学連は新執行体制を確立した。南台農地死守の決戦を昨年の何倍もの隊列で迎え撃つ準備は万全に整っている。
 反対同盟と共に市東さんの農地を死守し、空港廃港まで闘いぬく。

このエントリーをはてなブックマークに追加