11･3全国労働者集会へ
　農地死守の誓い新たに
　「軍事空港粉砕」叫び成田をデモ

　三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する全国集会が10月13日、成田市赤坂公園で開かれ、全国から４８０人が結集した。参加者は、天神峰で農業に励む市東孝雄さんの南台農地を実力で守り抜く決意を固め、成田空港の中国侵略戦争への出撃・兵站（へいたん）拠点化を粉砕する気概で、成田ニュータウンをデモ行進した。米帝の世界支配・国内支配の危機が決定的な崩壊局面に来ている。そこからの巻き返しをかけて米帝は「今なら打ち負かせる」と、中国スターリン主義を打倒する戦争を決断、開始している。問われているのは、排外主義・国家主義を拒否する「自国帝国主義打倒」の思想と闘いだ。中国侵略戦争阻止を真っ向から掲げて闘う労働運動、学生運動の登場、反戦デモとストライキにこそ、国会総翼賛情勢のもと政治に絶望する人々を獲得する力がある。階級的労働運動をよみがえらせ、国際連帯と自国政府打倒の闘いで戦争を止めよう。11・３全国労働者総決起集会・日比谷野外音楽堂を埋める６０００人の結集をかちとり、改憲・大軍拡、中国侵略戦争に突き進む石破政権打倒の巨大な反戦デモを実現しよう。
　正午、司会の婦人行動隊・木内敦子さんが開会のあいさつ。学生への期待を述べた。（発言要旨別掲）
　反対同盟事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつを行い、市東さんの南台農地を守り、成田軍事空港を粉砕する決意を述べた。

中国侵略戦争の兵站拠点に

　続いて東峰の萩原富夫さんが、基調報告を行った。①市東さんの営農を守り耕作権裁判に勝利しよう、②新たな巨大軍事空港建設を粉砕しよう。機能強化は中国への戦争を準備する兵站拠点への大改造、③農業と環境破壊の成田空港、④労農学連帯の力で空港廃港へ、との簡潔明瞭な基調に参加者から賛同の拍手が送られた。
　連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が立ち、11・３全国労働者総決起集会への結集を呼びかけた。
　関西実行委のあいさつに続き、天神峰の市東孝雄さんが大きな拍手に迎えられて登壇。「どんな判決が出てもみなさんとともに、三里塚58年の闘いをさらに盛り上げてがんばります」。市東さんの不動の決意に惜しみない拍手が続いた。
　続いて反対同盟顧問弁護団３人が発言した。耕作権裁判の争点を解説し、ＮＡＡ側の主張がすべて破綻したこと明らかにした。その上で、仮執行宣言付きの極悪の反動判決が下されることをも具体的に想定し、現地での実力闘争の準備を今から進めることを訴えた。
　群馬・市東さんの農地を守る会は９・23前橋集会の成功を報告した。
　全国農民会議の小川浩共同代表は、農民を戦争協力に動員しようとする食料有事法を弾劾し、日本農業の存亡の危機が「米不足」となって表れたことを暴き、日本農民の生きる道は三里塚との連帯にあると訴えた。
　婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピールを行った。
　川口真由美さんが登場し、ギター弾き語りでガザの現状を告発する自作曲を歌い、会場を盛り上げた。
　司会を反対同盟事務局の太郎良陽一さんに交代し、福島の椎名千恵子さんが発言に立った。「三里塚のように闘う時代が到来した」と喝破し、福島原発の汚染水海洋放出、廃炉作業での事故の頻発、再臨界の可能性などの現状を暴き、「キーンソード25」への陸上自衛隊福島連隊の参加に対し抗議行動に立つことを明らかにした。
　「市東さんの農地を守る会沖縄」は、石破政権による沖縄に対する差別・分断、辺野古基地建設推進攻撃を弾劾した。
　さらに、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、大坂正明さん救援会の小泉義秀事務局長、婦人民主クラブ全国協議会の荒井素子代表、全国水平同盟の田中れい子書記長、杉並区議会議員の洞口朋子さんなどが次々と発言に立ち、三里塚連帯を表明した。

全学連矢嶋新執行部に喝采

　矢嶋尋全学連委員長が、新執行部とともに登壇した。「南台農地死守の決戦を昨年の何倍もの隊列で闘う準備は万全に整った」と断言し、参加者の喝采を浴びた。
　最後に、太郎良さんが全力で訴えた。「戦争突撃情勢のもと『新しい成田空港』構想が打ち出され、地元の農地と自然と共同体をめちゃくちゃに破壊する空港建設が始まろうとしている。闘いはこれからだ。市東さんの耕作権裁判判決に対し臨戦態勢で構え、判決期日が決まったら全国から千葉地裁に総結集を！　われわれは強制執行と実力対決する陣形を作る」
　太郎良さんのリードで団結ガンバローを三唱し、反対同盟を先頭にデモに出発した。「機能強化粉砕」「農地死守・空港廃港」のスローガンを大きくとどろかせ、「空港のために作られた町」成田ニュータウンを行進した。