第134回周辺地域一斉行動 コメ不足、軍事空港、地域破壊 住民の怒りの声相次ぐ

週刊『三里塚』02頁(1145号02面02)(2024/10/14)


第134回周辺地域一斉行動
 コメ不足、軍事空港、地域破壊
 住民の怒りの声相次ぐ

(写真 一斉行動打ち合わせ)

 反対同盟と支援連絡会議は9月22日、134回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半、成田市天神峰の反対同盟会議室前に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った。
 最初に市東孝雄さんがあいさつ。「マスコミは連日、成田空港の大宣伝をしている。国、県、NAAは一体となって国策を語り、新しい人を呼び込もうと言う。だけど、そこに住んでいる人を追い出しておいて、新しい人が来るわけがない。こちらは今いる住民の話をしっかりと聞いてがんばろう」
 続いて、伊藤信晴さんがNAAと芝山町の動向について報告した。
 この日用意された反対同盟ニュース第129号は、10・13三里塚全国集会への結集を呼びかける内容だ。解雇撤回・正規職での職場復帰を勝ちとった韓国民主労総金属労組・旭硝子支会との天神峰での交流、「機能強化反対は町民の総意。なぜ利権を得る一部の人のために人柱として犠牲を払い続けなければならないのか」との横芝光町住民の声、10・13全国集会で第2次集約をする成田拡張反対署名への協力の呼びかけが掲載されている。
 岸田首相は8月26日、「国家プロジェクトとして成田空港を中核とした国際物流拠点建設を加速させる」と関係省庁に支援策をまとめるように指示した。成田拡張で大型の貨物機を深夜早朝もどんどん飛ばし、空港周辺も含めて有事の際には兵站(へいたん)・出撃拠点となるということだ。機能強化、「新しい成田空港」構想は、成田を大軍事基地へと変貌(へんぼう)させるものであり、住民の命と暮らしと真っ向から対立する。打ち合わせを終えた参加者は、それぞれの担当地域へと飛び出した。
 この日は蒸し暑く、午前中に少し雨が降ったがおおむね曇り空。農家はさつまいもの掘り取りや出荷準備、遅めのじゃが芋の作付け、人参の草取りなどを行っていた。
 稲刈りを終えた多くの農家と「米不足」の話題で真剣な議論がされた。
 「高齢で田んぼをやれなくなった人の分も引き受けているので大変だ。今年の米価は昨年より高くなっているが農協によってかなり値段は異なる」「よくなったとは言え、資材や燃料の値上げも激しく利益はない」「温暖化で野菜もうまくいかない。米が店頭から消えたのも政府が農業を大事にしないからだ。自民党総裁選をやっている場合か。農業については真剣な議論がない」
 田んぼを貸して地代として米をもらっている野菜農家は、「米が高くて大変というがせめて今年くらいないと作る人がいなくなる。米がなくなったらどうするのか」
 年金暮らしの住民は、「勤めていた時の仲間から米を買っているが、来年はもう作れないと言われた」
 80代の戦争経験者の女性は反対同盟が訴えてきた軍事空港絶対反対に共感を示した。「税金が軍事費2倍化に使われる。そんな金があるなら能登でまた被災した人とか困っている人たちのために使うべきだ。戦争は絶対にやっちゃいけない。もうこりごりだと言っていたのに、とんでもない方向に進んでいる」
 また別の住民は野党批判を強調した。「立憲民主党の野田が日米安保が基軸と言っていたが、戦争をやろうという連中がうごめいている。これを変えるには相当な力が必要だ。沖縄は戦争で最前線になると思う。空港は戦争の際の攻撃対象。ウクライナでもそうだった」
 また「墓じまい」の増加など、空港建設による地域共同体の破壊が墓の管理問題まで進んでいる現実も明らかになった。
 私たち自身に、戦争を止め、社会を変える力がある。10・13全国集会の大結集でそれを示すことをあらためて決意する行動となった。
このエントリーをはてなブックマークに追加