10・13全国集会に集まろう 三里塚反対同盟は訴える 農地死守、軍事空港粉砕へ

週刊『三里塚』02頁(1145号01面01)(2024/10/14)


10・13全国集会に集まろう
 三里塚反対同盟は訴える
 農地死守、軍事空港粉砕へ

 石破茂新内閣が10月1日、発足した。石破は9日に衆議院を解散し、27日に総選挙を行うと表明している。だが、「自公連立政権の継続か政権交代か」の中にわれわれの選択肢はない。与野党一体で日米安保を強化し、中国侵略戦争を推進する国会総翼賛情勢と対決し、11・3全国労働者集会に6千人を集め、首都を揺るがす石破政権打倒デモを闘う中にこそ、われわれの生きる道がある。中国侵略戦争阻止の最先頭で闘う三里塚芝山連合空港反対同盟は10月13日に成田市赤坂公園で開催する全国総決起集会への大結集を呼びかけている。反対同盟事務局3氏から10・13全国集会への結集アピールをいただいた。市東さんの南台農地強奪阻止、機能強化粉砕へ共に闘おう。

天神峰で農業続ける
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 全国の皆さんのご支援に心から感謝します。
 反対同盟は結成以来58年、権力の攻撃によってもつぶされることなく存在し続け、今日でも多くの方々からの支援や期待が三里塚に寄せられています。やはりこの闘いが大事なところを担っているからだと思います。
 今、成田空港は「機能強化」策でB滑走路を1千㍍北延伸して3500㍍にして、また芝山町の住民を追い出して第3滑走路3500㍍を造ろうとしています。深夜早朝の制限を取り払って、年間で50万回発着させるとしています。
 でもそんな空港が実際に誰にとって必要ですか。「右肩上がり」で外国からの旅行客が増える、あるいは成田を国際的航空貨物の物流基地にすると。需要が増えたらいいなというNAA(成田空港会社)の願望、机上の空論であり、結局は軍事空港として使う流れになる。
 私の南台農地をめぐる耕作権裁判は18年を経て、先日結審しました。こんなに長くなったのはNAAが自分たちの主張にかかわる文書を一切隠しているからです。彼らは父・東市と「同意書、境界確認書を交わした」と言いながら、それを裏付けるような書面は一切ないとしらを切り続け、裁判所の文書提出命令にも応じず、それで18年たったわけです。祖父の代から100年耕し続けてきた農地を奪われるわけにはいきません。
 気候変動の影響も厳しいですが、苦労して育てた作物が消費者の方々から「おいしかったよ」と言われることが私の生きがいであり誇りです。
 どんな判決が出ようと、体が続く限り私は天神峰でがんばります。
 動労千葉をはじめ労働組合との労農連帯を大事にし、沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして、学生、市民運動との共闘を大切にし、成田を軍事空港にさせない闘いを続けます。10・13集会でみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。

空港機能強化阻止を
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 NAAは今「新しい成田空港」構想をぶち上げ、貨物空港としても本格的整備を進めようとしています。
 成田はこれまで、農民の農地を奪いながら安全を無視して継ぎ足しで施設を増やす、欠陥空港としての無様な姿をさらしてきました。そこに追い込んだのは三里塚闘争の力です。
 そして今度は芝山町を大規模に破壊して、町民を追い出し、第3滑走路を造り、敷地面積を倍にしようとしている。この巨大な「物流拠点」が、戦争となれば武器や兵員の輸送・移動のために稼働することは目に見えています。
 日本は今、沖縄・南西諸島に中国をにらんだ自衛隊のミサイル基地を造り、武器の輸出まで解禁し、戦争準備を進めています。中国との軍事的緊張を高め、排外主義をあおっています。議会内野党はことごとく自民党に協力・屈服し、日本共産党も中国から「国を守れ」などと叫んでいる。
 三里塚は農地強奪と軍事空港に反対し、日本政府を打倒し、戦争を起こすしかない資本主義を倒し、人間が人間として生きられる社会をめざす闘いの拠点です。
 この夏はかつて経験したことない猛暑でした。畑にはクーラーはないので、特に気候危機、「地球沸騰化」を体感しました。これもまぎれもなく資本主義が生み出した危機です。
 戦争情勢とあいまって、日本の農業危機も深刻化しています。
 全世界でイスラエルのガザ大虐殺を弾劾し、パレスチナに連帯する実力闘争が続いています。10・13全国集会もその一環の闘いです。市東さんの農地と営農を守り、機能強化を粉砕することが、全世界の反戦闘争と普遍的につながる、それが三里塚闘争です。仮執行宣言付きの反動判決を絶対に許さず、耕作権裁判に勝利しましょう。
 2・15天神峰強制執行に対し、夜を徹して最先頭で闘った矢嶋新委員長が率いる全学連に、大いに期待しています。
 10・13集会に全力で集まってください!

労農学連帯一層固く
 芝山町白枡 伊藤信晴さん

 成田が巨大滑走路3本を持つ空港となれば、中国侵略戦争の兵站(へいたん)基地としての姿を現す。機能強化策はそういう思惑、野望を持って進められています。「特定利用空港・港湾」の指定拡大など戦争の具体的準備が進む中で、成田軍事空港粉砕の闘いを強化しなくてはなりません。
 今NAAは「共存共栄」と、周辺市町当局は「地方活性化のためにも空港は必要」と、互いに大声で騒いでいます。だけど昨年の2・15強制執行を思い出せば、「何が共存共栄か。ふざけるな!」ということです。住民も「夜間に飛行機飛ばすな、眠らせろ」と訴訟を起こしました。
 芝山町は機能強化で日本一優良な財政を持つ地方自治体となるとうそぶいています。他方で、地方自治体の存続の危機が叫ばれ、芝山町も「消滅可能性自治体」に分類されています。空港によって「共存共栄」どころか、空港頼み一辺倒の町政の姿勢が農業と住民生活を衰退させ、破壊してきたということです。
 芝山町は、細菌兵器の人体実験を中国で行っていた731部隊の石井四郎中将が出たところです。この痛苦の歴史をのりこえ突き破るのは簡単ではないが、8月6日朝に広島原爆ドーム前集会を守り抜いたみなさんの核と戦争への怒りを共有し、私も闘います。
 反対同盟は沖縄の人々の「二度とこの地を戦場にさせない」という闘いに連帯します。動労千葉、関西生コン支部、港合同の闘う3労組との労農連帯がますます重要になっています。11・3日比谷野音を満杯にしましょう。時代を的確につかみ自分の言葉で路線を語る全学連の矢嶋新委員長の就任あいさつに感動しました。
 労農学連帯の力で耕作権裁判の反動的判決を許さず南台農地を守り、機能強化を粉砕しよう。10・13全国集会に結集をお願いします。

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