北総の空の下で 「米騒動」 火消しに躍起の政府

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週刊『三里塚』02頁(1144号02面06)(2024/09/23)


北総の空の下で
 「米騒動」
 火消しに躍起の政府


 8月末から9月にかけて日本列島は台風10号に翻弄されました。偏西風に乗れずに超低速で西日本を迷走し、各地で豪雨災害を引き起こしたのです。驚くべきは、前線が刺激されて遠く離れた北海道にまで被害が及んだこと。萩原家では1日に稲刈りを予定していましたが、通過すると思っていた当てが外れて7日に延期。山側からしみ出す雨水が止まらずに田んぼがぬかるんで機械がフル稼働できず、私も急きょ手刈り部分を手伝いました。かくて1年分の飯米を確保するための稲刈りは猛暑の中2日がかりの大仕事となり、富夫さんの革共同集会での発言は市東さんと伊藤さんに託されました。
 政府は「今年の収量は平年並みで11月には新米が出そろう」と「令和の米騒動」の火消しに必死ですが、米農家の離農が止まらない現状こそ根本にある問題です。周辺の農家で「今年は米価が上がるようだが続く保証はないし、高齢化で止める農家が増え続けて、うちでも18軒引き受けている。半値以下になった米価が元に戻れば若い人も米を作るのに、偉い人は何を考えているんだか……」との話になりました。転作を強制され、自動車を売るための見返りに米国米の輸入が政策化され、逆風の中で踏ん張ってきた日本の米農家を守れなければ、労働者の食卓も守れません。戦争を前提にした政府主導の「食料安保」ではなく、社会を根底で支える労働者と農民が、国境を越えて生きるために団結しよう。
北里一枝
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