米不足の原因は減反政策だ 群馬で市東さん招き集会 「お米さえなくなった!戦争と食・農業」 10・13への結集を誓い合う

週刊『三里塚』02頁(1144号02面01)(2024/09/23)


米不足の原因は減反政策だ
 群馬で市東さん招き集会
 「お米さえなくなった!戦争と食・農業」
 10・13への結集を誓い合う

(写真 市東さんが闘う決意を表明【9月16日 前橋市】)

(写真 群馬合同労組がカンパを手渡した)


 三里塚反対同盟の市東孝雄さんを招き、前橋市の群馬県庁昭和庁舎を会場に9月16日、「お米さえなくなった!戦争と食・農業講演会」が、実行委員会、一般社団法人「高階(たかはし)文庫」の呼びかけで開かれた。
 高階文庫理事長の高階ミチさんが主催者あいさつに立った。「市東さんの農地を守る集会として今回で18回を数えます。琉球弧の急激な軍事化に危機感を持っています。国の政策に立ち向かうための仲間づくりは難しいが、団結の力を育てられる会にしていきたい」
 農業と農村共同体にちなんだ「田植」「村の鍛冶屋」の歌唱に続き、この日のメイン企画として田島俊昭さんが講演を行った。
 「店頭から米が消えた」という今日の事態を掘り下げ、米不足は今突然始まったわけではなく、農家に減反が強いられ、労働者の低賃金化のために米価が低く抑えられてきた結果であることを解き明かした。そして全国と群馬県の米生産の実情を歴史的に振り返りつつ、「日本農民は1300年かけて耕地を広げ米の収穫を上げてきた」ことを強調した。今日の資本主義・帝国主義の時代において、農業機械、化学肥料、除草剤などの開発と普及が戦争と密接に関係してきたことを説明した。
 そして戦争準備が進められる今こそ、「シベリア出兵を終わらせた1918年の米騒動のような、戦争反対の闘いをよみがえらせよう」と訴え、10・13三里塚全国集会、11・3全国労働者総決起集会への参加を呼びかけた。
 大きな拍手に迎えられ市東さんが発言に立った。
 「反対同盟の闘いは58年続いています。国とNAAはこの闘いをつぶしたくてもつぶせなかった。今成田は機能強化でB滑走路を3500㍍に延長し、第3滑走路を建設し、29年に完成させるとしていますが、空港需要が右肩上がりで伸びることはありえない。そんな新滑走路はいらないと、空港機能強化に反対する新たな闘いも起こっています」
 「9月30日に最終弁論を迎える耕作権裁判は、一審だけで18年続いてきました。うちのおやじをだまして同意書・境界確認書を偽造し、自分らにつごうが悪い文書は、裁判所の提出命令が出ても隠し続ける。そんなことで18年もたったわけです」
 「最近の気候変動の影響を受け、作物を育てるのはとても大変ですが、農業は自分の誇りです。昨年の強制執行で天神峰農地を取られましたが、体が続く限り今の農地を耕して闘っていきます」

労農連帯今こそ

 そして群馬からの長年の支援にお礼を述べた。
 続いて全国農民会議の小川浩共同代表が発言し、三里塚闘争の初期から支援に赴いた自らの来歴をも語りながら、現在の「米不足」情勢の中で闘う労農連帯を構築することを力を込めて訴えた。米農家の労働が「時給10円」と言われる中で、「労働者とともに戦争反対の声を上げなければ、農業は戦争に利用され、農民は戦争に動員される」と危機感を表し、三里塚とともに闘う決意を述べた。
 市東さんとともに参加した三里塚現地闘争本部員2人もマイクを握り、9・30耕作権裁判最終弁論の傍聴、10・13三里塚全国集会への結集を熱烈に呼びかけた。
 会場からの発言に続き、群馬合同労組の組合員が三里塚連帯の思いのたけを述べながら、市東さんに「群馬・市東さんの農地を守る会」の会費とカンパを手渡した。
 最後に守る会の大塚正之さんが10・13三里塚―11・3日比谷への具体的参加方法を案内し、市東さんとともに闘い抜く決意を表明した。

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