「力尽くし戦争止める」 国と空港に住民の怒り募る 第133回一斉行動

週刊『三里塚』02頁(1143号01面04)(2024/09/09)


「力尽くし戦争止める」
 国と空港に住民の怒り募る
 第133回一斉行動

(写真 一斉行動打ち合わせ【8月25日】)


 反対同盟と支援連絡会議は8月25日、133回目の空港周辺情宣一斉行動を行った。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅の反対同盟会議室前に結集し、朝の打ち合わせ。
 最初に、反対同盟事務局の伊藤信晴さんが芝山町の最新動向と17日横芝光町での騒音問題講演会の報告をして、28日に取り組むフィールドワークを提起した。市東さんは、「暑いので体に気を付けて」と激励のあいさつ。これを受けて各自担当地区のビラ配りに入った。
 今回配布した反対同盟ニュース第128号は、9月30日に行われる耕作権裁判(最終弁論)&千葉地裁包囲デモへの参加を呼びかける内容だ。2面では、成田での滑走路閉鎖事故続発の報道、3面ではオスプレイの配備と拡張に反対する佐賀空港の闘争を紹介した。今回の目玉は4面の「地域住民の声」だ。子どもが泣くほどの騒音で同居をあきらめざるをえなくなった茨城県稲敷市の住民と、横芝光町で開かれた航空機騒音に関する講演会に参加した芝山町の住民の声が掲載された。(要旨別掲)
 周辺地域では、残暑が厳しい中、サツマイモ掘りが始まるとともに、稲の刈り取りなどが行われている。戸別訪問では、常に市東さんの農地裁判を気にしてくれている芝山町の町民に久しぶりに会えた。向こうから現状を聞かれる。「結審から判決、仮執行がつけば決戦態勢。阻止すべく全力を挙げている」と答えると、裁判官と空港会社に対して「やり方が汚い」と怒りを表明した。
 また、トラクターの整備をしていた農家は、「空港の拡張で金をもらっても一時だ。移転した人たちは、かなりの人が短い余生だった」と離農した移転組を評し、「自分は生きている限り畑を耕し続ける」と語った。
 ある支持者のところでは、お茶をいただきながら、8・6広島闘争の話で盛り上がった。「原爆ドームには行ったことがある」「若い人たちがスクラムを組んで頑張ったのは、本当にうれしい」と喜び、「戦争は絶対だめだ。始まる前に、力を尽くして止める。そのためにがんばることだ」ときっぱりと語った。
 政府の農業政策にも怒りの声が上がる。ある集落では、約半数が田んぼをやれなくなっている。それを引き受けている農家は、「今年は米価が上がるようだが、この先もという保証はない。高齢でできなくなるか、機械が壊れたら、コメ作りをやめる。後に続く人がない」と現状を語り、「輸入食料なんて、自分の国に余裕がなくなれば、いくら金を出したって売ってくれなくなる。国の偉い人の考えていることは、全くどうしようもない」と農政を批判した。
 今回の一斉行動は、10・13全国集会を頂点とする秋の闘いを呼びかける取り組みとなった。
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騒音に憤る住民の声

生きる権利ある
 茨城県稲敷市住民Mさん
 毎日、11時40分頃に飛行機が飛び終わるのですが、眠りにつけるのは2時前後に。毎日が不眠に悩まされ、体が重く感じるようになっています。
 騒音を長く浴びると、病気になる人がいると聞きました。事実、私は5年ほど前に心房細動になり、心臓の手術をしました。2年半前にがんになり、抗がん剤の治療も行いました。長男は「騒音でうるさい土地よりも静かな環境で子どもを育てたい」と言って、4年前に家を出ていきました。私たちに、生きていく権利はあるはずです。人として健康に生きていくためには、8時間の静穏時間は絶対に必要ではないでしょうか。残り少ない余生を、夜だけは静かに寝かせてはいただけないでしょうか。
夜間飛行中止を
 芝山町住民Nさん
 横芝光町町民会館大ホールで開かれた「航空機騒音から健康を守る」講演会に参加しました。私が驚いたのは、WHO(世界保健機関)の最新の欧州夜間騒音ガイドラインでは夜間航空機騒音の勧告値は40デシベル(図書館の中)ということです。騒音コンターは平均値に過ぎないから注意が必要で、平均騒音レベルが40デシベルであっても10%以上の住民が睡眠妨害を受けることが調査で示されたのです。夜間飛行は中止以外ありません。

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