9・30耕作権裁判&デモへ 「第3滑走路建設やめろ」 菱田地区工事に怒りの声浴びせる

週刊『三里塚』02頁(1143号01面01)(2024/09/09)


9・30耕作権裁判&デモへ
 「第3滑走路建設やめろ」
 菱田地区工事に怒りの声浴びせる

(写真 高谷川改修工事を弾劾し、シュプレヒコール【8月28日】)

(写真 山武署の妨害許さず怒りのこぶし)


 三里塚芝山連合空港反対同盟は8月30日、全国の闘う仲間に10・13全国集会の招請状を発した。呼びかけに応え、成田市赤坂公園に大結集しよう。市東さんの南台農地をめぐる耕作権裁判が9月30日、結審を迎える。18年間の裁判ではっきりしたのは100年耕す農地を成田空港会社(NAA)が奪うことはできないということだ。NAAが明け渡しを求める南台農地すべてに耕作権が成立している。千葉地裁包囲デモに結集し、勝利判決をもぎとろう! 8月28日、成田空港機能強化の工事現場を確認するフィールドワークが反対同盟主催で行われた。
 午前10時、成田市天神峰の市東孝雄さん宅前に集合し、最初にこの日の目的地である芝山町菱田地区の状況などについて事務局の伊藤信晴さんからの説明を受けた。
 「菱田地区はかつて反対同盟の拠点であったが、成田用水(成田空港の肝いりで行われた水田の基盤整備事業)による激しい切り崩しを受けて、現在『空港反対』を表す人はごく少数になっている。だが今、一方的に決められた第3滑走路建設によって立ち退きを迫られ、より激しい騒音にさらされることへの住民の怒りが噴出している。今日の行動でその怒りと結びつきたい。そして、第3滑走路建設阻止は、市東さんの農地を守る闘いでもある」
 続いて市東さんがあいさつした。「千葉県知事は、経済的には成田空港頼み一辺倒の姿勢だ。26日に首相官邸で国家戦略特別区域諮問会議が開かれ、岸田は『国際的な航空物流拠点として成田空港の機能強化を進める』と確認した。そんな思惑が実際うまくいくかわからないが、結局は成田を軍事空港として使う、そういう流れになっていくだろう。いま米不足の問題でも国は『備蓄米があるから大丈夫』などと言うが、現にスーパーなど店頭からなくなっている。今日は、菱田の現状を見てわれわれの闘いの姿勢を示そう」

84年激突の地で

 参加者は車両に分乗し、菱田地区の田んぼが見渡せる中郷十字路に着いた。
 伊藤さんがマイクで語った。「1984年9月27日、反対同盟は成田用水工事の重機搬入に抗議してこの地で実力闘争に立った。市東東市さん(孝雄さんの父、故人)は当時ほぼ70歳で、同盟は『この闘争には参加しなくてよい。敷地内として農地を守ってください』と説得しようとしたが、本人はそれを拒んで断固この闘いの先頭に立ち、機動隊の暴行でけがを負いながら不当逮捕された。東市さんは敷地内外の一体感を示し、反対同盟の闘いの礎を築いた。われわれの原点とも呼べるこの地で、きょうのフィールドワークを貫徹しよう」
 山武警察署の私服警察官が100㍍以上離れた場所からこちらをこそこそうかがっているのを尻目に、「空港拡張実力阻止、工事強行許すな」の横断幕とのぼりを掲げ歩き出した。共同墓地の脇を過ぎて道を進むと、山あいの一角で空港関連の警備会社に守られて林の伐採と整地作業が行われていた。
 宣伝カーの拡声器から力強く声を響かせ、全員でシュプレヒコールをたたきつけた。「C滑走路建設準備工事阻止!」「高谷川改修工事を許さないぞ!」「物流基地構想粉砕!」
 警察があわてて駆けつけてきて「道路をふさぐな」「移動しろ」などと規制しようとするが、これをはねのけて弾劾の声を上げ続けた。
 さらに一行は「国鉄専用道路」を進み、高谷川拡幅改修工事現場が見下ろせる地点に着いた。本格工事で発生する土砂が「高谷川などに流れ込まないため」の対策として、幅40〜70㍍の「沈砂池」を4カ所設ける工事で、総工費約2億3650万円。NAAによって昨年12月に着工された。
 だが、いま目の前では鉄板フェンスに囲われて重機が1台。工事としては動きを止めている。周囲は草が伸び放題。参加者は怒りを燃やし、こぶしを上げた。またしても山武署の警察官が排除を試みるが、反対同盟の不動の決意の前に気圧され黙りこんだ。
 再び中郷十字路に戻り、この日の勝利を確認してシュプレヒコールを上げた。
 戦争と農地強奪を許さず、市東さん耕作権裁判の勝利(9・30最終弁論)、10・13全国集会を闘いとることを固く誓い合った。

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