「新しい成田」構想粉砕へ フィールドワーク 工事現場を徹底弾劾

週刊『三里塚』02頁(1141号02面01)(2024/08/12)


「新しい成田」構想粉砕へ
 フィールドワーク
 工事現場を徹底弾劾



(写真 B滑走路北延伸工事に怒りを叩きつけた【7月24日】)

(写真 すでに運用中の東関東自動車道切り回し道路)

(写真 滑走路北延伸予定地を整備する重機と誘導灯)


 成田空港機能強化工事現場のフィールドワーク(現地調査)が7月24日、反対同盟の呼びかけで行われた。
 ミンミンゼミが鳴く天神峰の市東孝雄さん宅前に集合し、打ち合わせを行った。事務局の伊藤信晴さんが「工事を進められて黙って見ているわけにいかない」と檄を飛ばした。市東さんは「暑いからみんな気を付けて」と参加者の健康を気遣った。現闘の同志は「機能強化=第3滑走路建設は順調に進んでいない。われわれの闘い方次第で止められる」と述べ、千葉県の青年労働者は「実際に現場を見ることが大事だと思い、今日は来た。ともに闘います」と元気よくあいさつした。
 車両に分乗して十余三の成田市民農園近くに再集合。すでに土砂を運搬するダンプカーが、ひっきりなしに行き交う道を、横断幕・のぼりを高く掲げて歩き出した。反対同盟宣伝カーには婦人行動隊の宮本麻子さんが乗り込み、「機能強化反対! 第3滑走路建設粉砕! 工事をやめろ」のシュプレヒコールをリードした。
 第二四本木橋(しほんぎばし)を渡ると、眼下に東関東自動車道の切り回し道路が姿を現していた。工事は進行中だが、すでに下り車線は新道路で運用されている。この一帯をB滑走路北延伸のために途方もない量の土で埋め立て、東関道をトンネル化する、それに先立つ仮設道路だ。「工事を今すぐやめろ!」のシュプレヒコールを怒りを込めてたたきつけた。警備員がたたずんでいるが、視線をそらしてうつむくだけで手出しもできない。
 一行は北延伸工事造成現場へと進んでいった。土がえぐられ赤い地肌をさらしている中をパワーショベルが動き、ダンプが走っている。参加者は怒りを込めて、「工事は環境破壊だ、今すぐやめろ! 農地強奪に手を貸すな!」の叫びを響かせた。成田空港会社(NAA)の車が現れたが、降り立った社員は近寄ることもできずこちらの様子をうかがっているだけだ。
 施工者の大成建設の仮設宿舎に向けて、農民と労働者の連帯が今求められていることを宮本さんが訴えるが、門扉は閉ざされたまま。B滑走路へ着陸するジェット旅客機が、5分おきに上空を横切っている。
 参加者は県道115号線を北上し、延伸予定地東側から工事現場に向けて再び弾劾のシュプレヒコールを浴びせた上、出発点まで戻って炎暑のもとでの行動を終えた。
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 NAAは今、できてもいない第3滑走路を前提にして「『新しい成田空港』構想」なるものを打ち出し、1ターミナル化を唱え、新誘導路建設、貨物地区整備、交通アクセス改変など、既存施設の破壊・撤去と新施設建設を金に糸目をつけず進めようとしている(見積もり8000億円)。それが「完成」する2030年代には、年間で発着数50万回、旅客数7500万人、貨物取扱350万㌧となるとうそぶくが絶対に不可能だ。現在の戦争情勢のもとで、日本帝国主義が成田の巨大滑走路の軍事利用へ突き進むことは明らかであり、それが機能強化と「新しい成田」の本質だ。
 機能強化粉砕・成田廃港へ向けて闘おう。

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