「2+2粉砕!」会場に迫るデモ

週刊『三里塚』02頁(1141号01面02)(2024/08/12)


「2+2粉砕!」会場に迫るデモ


 日米2プラス2粉砕闘争が7月28日、改憲・戦争阻止!大行進東京、大行進首都圏実行委員会の呼びかけで行われ、東京・芝公園に280人が結集した。集会後、会場の外務省飯倉公館に迫るデモを貫徹した。

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2+2
 「核使用」公言し共同声明
 日米軍事一体化を許すな

 日米両政府は7月28日、都内で外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開催した。「拡大抑止」を強化するとして閣僚級会合も初めて開かれた。日米同盟を核軍事同盟へ大転換させ、中国侵略戦争を核戦争として遂行する準備を断じて許すことはできない。
 今回の共同声明は、次のようなものだ。
①【拡大抑止】米国は核を含むあらゆる能力を用いた日本防衛への揺るぎない関与を表明。
②【在日米軍】米国は在日米軍を「統合軍司令部」に再構成。自衛隊の「統合作戦司令部」のカウンターパートになる。
③【中国】「他者を犠牲にし、自らの利益のために国際秩序をつくり変えようとしている」と批判。「最大の戦略的挑戦」と位置づけた。
④【沖縄】事件防止のための在日米軍の取り組みを前向きに評価。在日米軍再編への関与を表明。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を含め、早期の全面返還に向けた取り組みを加速。
⑤【防衛協力】中距離空対空ミサイル(AMRAAM)と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の生産能力拡大へ、共同生産の機会を追求。
⑥【サイバーセキュリティー】増大するサイバー脅威に対応。
 ①について。2プラス2では、核による「拡大抑止」の協議の閣僚級への引き上げが行われた。「拡大抑止」とは、中国やロシアの米国の同盟国への核攻撃を抑止するという口実で核の「報復を実施」=明確化することにある。
 日米は2010年に「日米拡大抑止協議」を設置した。これは、外務、防衛両省、米国の国務省と国防総省の幹部らが参加、核準備の方法など、日米同盟の具体的な協力分野を話し合うものだった。今回の閣僚間の協議への引き上げは、これらの具体化の仕上げであり、核兵器の配置・発動の詳細決定に至るものだ。中国侵略戦争が、日米の共同の戦争として秒読み段階にきたことを示している。

在日米軍再編し連携を強化

 ②について。今回の2プラス2では在日米軍の指揮権強化と日米の指揮統制の連携強化策が主要な議題となった。中国への侵略戦争が目前に迫った、ということだ。
 米国は、新たに「統合軍司令部」を発足させる。日本には陸海空軍と海兵隊を合わせて5万5千人ほどの米軍がいるものの、東京・横田基地の在日米軍司令部は、部隊の運用権限や作戦指揮権を持たず、ハワイのインド太平洋軍の司令部が権限を持つ。これを再編し、実戦を担う在日米軍の作戦指揮権を「統合軍司令部」に持たせる。
 日本は、自衛隊法を改正し、自衛隊の「統合作戦司令部」を新設する。24年度末に240人規模で創設し、陸海空自衛隊の一元運用を担う。先に述べた米統合軍司令部は、自衛隊新設の「統合作戦司令部」のカウンターパートとなる。日米軍の一体化と戦争遂行のための軍改革を進める。

沖縄を再び戦場にさせない

 ④沖縄の2プラス2での記述は、特別の意味を持っている。これは、少女暴行事件を居直り、沖縄県民の怒りを踏みにじるものだ。中国侵略戦争の最前線は、南西諸島が想定される。沖縄を再び戦場とする日米の宣言は、絶対に許せない。
 ⑤、⑥も重大だ。サイバーや宇宙など新領域、ミサイルなどの防衛装備品の共同開発・生産も決定した。防衛省は28日、パトリオットを米軍に30億円で売却する契約を結んだ。さらにサイバー攻撃を予兆の段階で食い止める「能動的サイバー防御」をもって、日米で重要インフラなどを守る体制を強化するとした。その対象は、国民生活の全領域に拡大されるものとなるが、さしあたり特定公共インフラとされる港湾・空港・鉄道などの運輸輸送関係または電気・通信事業が、サイバー防衛の名目で政府の統制のもとに置かれることを意味している。
 公共インフラの軍事利用の要が自衛隊と米軍による民間空港の使用だ。中国侵略戦争阻止の最前線で闘う三里塚に駆けつけ、市東さんの農地を守り抜こう。
(大戸剛)

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