農楽まつり 東峰の畑で盛大に開催 農地死守、軍事空港粉砕へ 反対同盟の不屈の闘魂を共有

週刊『三里塚』02頁(1140号01面01)(2024/07/22)


農楽まつり 東峰の畑で盛大に開催
 農地死守、軍事空港粉砕へ
 反対同盟の不屈の闘魂を共有

(写真 萩原富夫さんの音頭で団結ガンバロー三唱【7月7日】)

(写真 反対同盟旗を先頭に南台農地からデモに出発)

(写真 いなのとひら・のとこば)

(写真 心を込めて歌う安田淳敏さん)

(写真 冷えたスイカがふるまわれた)

(写真 農地守る決意固める反対同盟)


 日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が7月28日に都内で開かれ、中国との核戦争を想定した、米軍と自衛隊の指揮連携強化、武器の共同生産、米軍の核を日本に配備する「拡大抑止」などが具体化されようとしている。さらに日米共同軍事演習「レゾリュート・ドラゴン」が行われる。「基地が攻撃されて使えない」という想定で民間空港も使われる。いつ中国との戦争(核戦争)が始まってもおかしくない情勢だ。8・6広島闘争に立とう。原爆ドーム前集会に総決起しよう。軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争を貫く三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する「農楽まつり」が7月7日、成田市東峰で開かれ、首都圏を中心に180人が参加した。
 午前10時、南台農地に色とりどりの旗、のぼりを掲げて集合。反対同盟事務局の太郎良陽一さんが、南台農地決戦が迫っていることを説明し、この地に宿る「反対同盟の闘魂を守り抜き闘おう」と訴えた(発言要旨別掲)。力強くシュプレヒコールを上げ、直ちにデモに出発。宣伝カーから婦人行動隊の宮本麻子さんが、成田空港会社(NAA)による農地強奪攻撃を弾劾するアピールを一帯にとどろかせた。
 機動隊の規制をはねのけてデモは第3誘導路のトンネルをくぐり、市東さん宅前を通過。天神峰農地だった場所は昨年の強制執行以来、高いフェンスで囲われ、中は荒地にされたままだ。この光景がデモ隊の怒りをかきたてた。デモは東峰地域に進み、まつり会場の萩原富夫さんの清水の畑に到着。この畑もまた敷地内で空港の完成を阻んで存在している勝利の拠点だ。炎天下のデモを貫徹して木陰に避難した参加者たちに、冷たい飲み物やかき氷、焼きそば、豚汁が提供され、参加者の体力を回復させた。
 婦人行動隊の木内敦子さんの司会で正午に開会。主催者あいさつとして事務局の伊藤信晴さんが、「成田の機能強化は軍事空港建設。岸田打倒の嵐のような実力闘争を」と一同を鼓舞した。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が立ち、「反対同盟とともに車の両輪として勝利まで闘う」と宣言。大幅賃下げと格差社会が進む中で、軍事を一切に優先する国家改造攻撃に屈服した連合の「春闘」を批判し、ストライキで闘う意義を強調し、11・3全国労働者総決起集会への参加を呼びかけた。
 関西実行委の連帯あいさつに続き、反対同盟顧問弁護団が決意を述べた。一審だけで18年続いてきた耕作権裁判がいよいよ結審を迎え、年度内に判決が出されることを報告し、勝利へ全力を尽くすことを誓った。さらに機能強化攻撃粉砕のために、周辺住民の決起を促すことを約束した。
 音楽トリオ「いなのとひら・のとこば」がトークも交えながら政府の悪行を切る曲を演奏した。
 宮本さんがカンパアピールを行い、「農地死守、軍事空港粉砕を」と呼びかけた。

初参加の学生に熱い拍手

 参加者からのリレートークの最初に、元京都大同学会委員長の安田淳敏さんがマイクを握り、「反対同盟の歌」、「ソリダリティ〜団結」(星野文昭さん解放の歌)、「青空」(ブルーハーツ)の3曲を熱唱した。京大時代の安田さんを知る学生たちから手拍子と声援を受けた。
 さらにシャンソンの歌唱や発言が続いた。
 婦人民主クラブ全国協議会の鶴田久子さんは、戦前に権力に屈服し戦争協力した女性団体の歴史を総括し、戦争絶対反対を貫く決意を表した。
 全学連の長江光斗書記長が発言に立ち、「今日初めて三里塚現地に来た学生は立ち上がって」と促すと、白いヘルメットをかぶった学生が次々と起立した。全学連の躍進に、参加者は新たな時代の到来を感じ、熱い拍手を送った。長江書記長は、沖縄での米兵による少女暴行事件を激しい怒りで断罪し、反対同盟・萩原さんと辺野古現地闘争を闘ったことを報告。「今日は盧溝橋事件から87年。2千万アジア人民を殺りくした戦争をさらに巨大な規模で繰り返すことを許さない」と宣言し、8・6広島へ全力で闘うと誓った。
 全国農民会議共同代表の小川浩さんは、日本農業が存続の危機に直面していると訴え、「稲作農家の農業収入は20年、21年とも時間あたりたったの10円! 食料・農業・農村基本法の改悪の本質は、有事の食料確保、農民の戦争動員」と弾劾し、三里塚と連帯して闘う決意を表明した。

「闘いは明るく楽しく」

 ひときわ大きな拍手に迎えられて、市東孝雄さんが発言した。「三里塚闘争58年。やはり三里塚はまず勝つこと、みなさんと共に勝利することを心がけています。疑問を持ったら声を高らかに上げていく。そうでなければ、今の政府には本当にめちゃくちゃにされます。そして闘いは明るく楽しく。やはり上を向いて闘わないといけないと思う。これからも共に闘っていただきたい」。市東さんの変わらぬ決意を参加者全員が共有した。
 最後に反対同盟が前面に並び、東峰の萩原さんがあいさつした。「全国各地で反戦闘争を巻き起こし、パレスチナの虐殺や、ウクライナ・ロシアの戦争、日本が中国と戦争をすることを止めよう」と力強く訴え、自ら音頭をとって団結ガンバローを三唱した。
 その熱気のまま全員で、反対同盟の歌を高らかに歌い上げ「誇りも高き農地死守」の誓いを新たにした。

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発言から 中国との戦争止めよう

成田は戦争と搾取の拠点だ
 反対同盟事務局員 太郎良陽一さん

 この南台の畑はご存じの通り、耕作権裁判で結審を迎える状況に入っております。すでに畑の一部は、市東さんの農地法裁判、請求異議裁判の不当判決で強制執行が可能な状況になっておりますが、奴らはまだ手を出せておりません。
 耕作権裁判いかんによって、強制執行との決戦がまたここに出現することがあり得ます。
 この畑のように、かつてと同じ現地の状況が残っているところはありません。市東さん、萩原さんを中心にして、東峰、天神峰は残っておりますが、反対同盟の拠点であった菱田地区はC滑走路建設のために、見るに堪えない状況が襲いかかっています。反対同盟が生き生きと闘った場所であるにもかかわらず、空港にされるという本当に悔しい限りの状況になっております。
 私は途中から参加ですけども、かつての反対同盟が、自分の農地は絶対に空港にさせない、家族も渡さない、そして部落も解体させない、そういう熱い思いで闘いぬいてきた。その根本的な三里塚闘争の農民の闘魂が、この畑にあるんだということを皆さんにわかってほしいなと思います。
 こんな戦争のための空港、経済発展のため資本が海外進出していく拠点、国内の労働者を搾取していく拠点としての空港建設を、絶対許さないと闘いぬいた反対同盟の闘魂を守りぬいて、今後とも闘っていきたい。

空港機能強化策を粉砕する
 反対同盟事務局員 伊藤信晴さん

 沖縄の少女暴行事件を米軍も日帝も隠し続け、あろうことか岸田はこれを知りながら沖縄「慰霊の日」式典に参加し、あいさつをした。今一番感じることは嵐のような実力闘争、岸田を許さない闘いが必要だ。
 1971年の第1次代執行の時に、「北総20万人決起」を掲げて、1月から情宣に入って3月23日から代執行に入ったわけですが、当初周辺住民の意識はあまりぱっとしませんでした。われわれが砦(とりで)を武器にして徹底的に闘いぬいたときに民衆は決起しました。今の時代は、私たちが思い切り闘えば決起する情勢です。
 機能強化は2013年、第2次安倍内閣が発足した頃に、あらゆるタブーを破って検討に入りました。安倍は、国家戦略特区を使って空港近くに国際医療福祉大学を造りました。私はこの病院は、ベトナム侵略戦争激化の中で王子野戦病院を作ろうとした思惑と同じだと思います。
 1993年、北朝鮮が核保有に動いた際、米帝は成田のすべてのホテルをどれだけ収容できるのか調べました。
 一昨年浜田元防衛大臣は民間空港軍事使用論をぶち上げました。それは、住民と「軍事使用しない」という約束を破壊することであり、私たちに対する挑戦です。ここでひるむことは三里塚58年の歴史の中で許されない。今、私たちに課せられているのは、腐りきった岸田を打倒する嵐のような実力闘争です。沖縄をはじめとする全国の反戦反基地闘争とつながって、その力で市東さんの農地を守り、空港の機能強化策を粉砕したい。

全国で反戦闘争巻き起こせ
 反対同盟敷地内東峰 萩原富夫さん

 今日は天気に恵まれ、本当に楽しい時間をありがとうございました。
 先日、暑い中でしたが辺野古に初めて座り込み、発言もさせてもらいました。三里塚の闘いを沖縄のみなさんに伝え、沖縄と共に軍事空港粉砕をがんばるぞとお伝えできたと思います。
 「食料安保」について思うのは、生きるためにはわれわれのように農家と消費者が直接つながる産直でお互いに支えあう関係を築くことですよ。
 米の値段も農家から買い取るときは1万円もせず、売るときは2万円にしちゃう。流通ばっかりもうけて。農家は本当に頭にきています。
 農業は確かに金もうけになりません。空港は何千億円をかけても、経済のためになるといいますが、そういう経済一辺倒のあり方でいいのか。森林伐採し、砂漠化を進めてきたくせに温暖化を農家のせいにする。とんでもないやつらですよ。
 そして、戦争をやってふたたび食料を中国からぶんどる。そういう時代、体制が実際に進んでいる中で、断固として三里塚闘争を闘っていきましょう。
 全国各地で反戦闘争を巻き起こしてパレスチナの虐殺、ウクライナ・ロシアの戦争を絶対に止める。日本が中国と戦争をすることを止める。沖縄の人たちを絶対に犠牲にしない。そういう闘いを一生懸命がんばっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

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