団結街道
週刊『三里塚』02頁(1139号01面07)(2024/07/08)
団結街道
漫画「はだしのゲン」を初めて手に取ったのは中学校の図書室。社会の授業で原爆によって浴衣の市松模様が皮膚に焼き付いた子どもの写真を見たのがきっかけだ。人気でなかなか借りられず、代わりに他の戦争漫画もずいぶん読んだ▼日本軍が食料の供出に抵抗する中国人家族を殺害し、その家を焼き払った際、甕(かめ)の中に隠れていた子どもが生きていたことを知った若い日本兵が、こっそりと逃がしてやった。その子を故郷にいる弟と同じようにかわいがり面倒を見ていたのだが、最後は、懐いていたように見えた助けた子どもに銃で頭を撃ち抜かれるシーンが胸に刺さった▼数年後、日干しレンガ作りで得たわずかばかりの賃金で暮らすアフガニスタンの子どもを取材したテレビ番組を見た。「日本の子どもにメッセージを」と言われたその子は、「お互い毎日の労働は大変だけど、がんばろう」と。アフガニスタン侵略戦争を開始した米政府を支持し、自衛隊を派遣する日本の子どもに向けて、そう言ったのだ。帝国主義国と被抑圧国のあまりに非対称的な現実に衝撃を受けた▼「原爆被爆者も加害者である」と明言し、「一度目はあやまちでも/二度目は裏切りだ/死者たちへの誓いを忘れまい」と様々な詩で繰り返し訴え、闘いに立ち続けた原爆詩人の栗原貞子さん。車いすで8・6ヒロシマ大行動にも毎年参加されていた。今夏、原爆ドーム前を埋める大結集を!