第131回空港周辺一斉行動 戦争には絶対反対 「新成田空港」構想に怒りの声
週刊『三里塚』02頁(1139号01面05)(2024/07/08)
第131回空港周辺一斉行動
戦争には絶対反対
「新成田空港」構想に怒りの声
(写真 一斉行動朝の打ち合わせ【30日】)
反対同盟と支援連絡会議の仲間は6月30日、131回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅前の団結街道奥に集合した仲間は朝の打ち合わせを行った。
最初に市東さんが「今日は蒸し暑くなりそうなので、水分を十分とりながらがんばって」と、一同を励ました。続いて芝山町白枡の伊藤信晴さんが、「地方消滅について芝山町はもちろん多古町でも横芝光町でも話題になっている」と周辺の状況について述べた。
さらに、今回用意された反対同盟ニュース第126号で詳しく取り上げられている「『新しい成田空港』構想」について、参加者から意見が出し合われた。
「成田空港会社(NAA)はどれだけ金がかかろうと大改造をやると言っている」「千葉県は圏央道から今度の新ターミナルに直結するインターチェンジを作るよう国に求めている」「県も町も国のテコ入れを期待し、自分たちでは他産業などを考えたりすることもなく、ただ成田空港にべったり」
打ち合わせを終え一同、反対同盟ニュースを手に担当地域へと飛び出した。
この日は、ややぐずついた空模様だったが、サツマイモの苗を植え終えた農家が機械の整備をしたり、ジャガイモの収穫作業にいそしむなどしていた。
「新しい成田空港」構想では、圏央道が通る空港東側に貨物地区が集約される。さらに、空港隣接地との一体的運用、土地利用の弾力的活用などと称して、空港の外側の田畑までも奪おうという攻撃がかけられている。多古町ではオーストラリアの不動産会社・グッドマンが貨物基地を造る計画が進められている。
「71年代執行があったときは高校生だった」という多古町の住民は、「自分のところにも倉庫関係のことで土地を売ってくれないかと打診してきたことがあった。農業を続ける環境がどんどん悪くなっている」と怒りをあらわにした。
さらに、岸田政権の戦争政策にも強い危機感を表明した。「羽田に大きな航空会社はどんどん移転しているわけだし、やがてこの空港は貨物専用と軍事共用空港になる可能性は否定できないよな。財源もないのに防衛費を2倍にしてどうするんだ。我々の老後の年金や社会保障がどんどん削られていくことは必至。戦争はどんなことがあっても反対しなければ」
芝山町の再移転を強いられる地区の住民も、反対同盟が一貫して主張している軍事空港反対の主張に賛意を示し、「成田ニュータウンに住んでいる娘夫婦にも話す」と、追加のチラシを求めた。
騒音拡大による移転対象となった地区の住民は、「NAAからは移転してもしなくてもいいと言われている。まだ家のローンが残っており移転費用にはローンが含まれないからしないつもりだ。近隣の人も移転しないだろう」と、苦々しい胸の内を述べた。
同盟ニュースを見た成田市の住民は「NAAの一方的な構想に過ぎない。住民や地域のことを何も考えていない」と怒りを表明。ハウス内の整理をしていた別の農家からは「市東さんは元気にしていますか。がんばってください」と応援の声。
参加者は、住民の怒りがますます高まっていることを実感し、敵の攻撃は巨大だが必ず墓穴に転化する決意を新たにした。