7・7農楽まつりへ 反対同盟東峰 萩原富夫さんに聞く 市東さんの南台農地守ろう

週刊『三里塚』02頁(1138号01面01)(2024/06/24)


7・7農楽まつりへ
 反対同盟東峰 萩原富夫さんに聞く
 市東さんの南台農地守ろう


 国会では野党の屈服・協力に助けられ入管法改悪、食料有事法など戦争法が次々と成立させられている。今こそ戦争と腐敗の岸田政権打倒の実力闘争をたたきつけよう。7・14国鉄集会の成功から今夏8・6広島へ攻め上ろう! 三里塚では、6月5日、B滑走路延長工事を弾劾するフィールドワークを貫徹した。さらに芝公園で開かれた改憲・戦争阻止!大行進主催の6・9全国集会で反対同盟の伊藤信晴さんが宮本麻子さんと共に登壇し、巨大な反戦闘争を巻き起こし、内乱的決起で軍事空港建設を阻止しようと訴えた。7・7農楽まつりに結集し、今夏の市東さん農地裁判と機能強化阻止の闘いに総決起しよう。反対同盟の萩原富夫さんにお話を伺った。 

沖縄との連帯を貫いて

―――5・15沖縄闘争お疲れさまでした。
 全国農民会議・沖縄結成のとき以来なので9年ぶりの沖縄訪問でしたが、以前とは雰囲気が全然違いました。やっぱり学生が元気いいのがいいですね。沖縄の青年も。何でこんなに元気なんだと思うくらいテンションが高くて。
―――辺野古座り込み現場での発言は大きな反響を呼び起こしました。
 自分もそうした若者の影響も受けたんでしょうね。辺野古座り込みは初めてでしたが、ああいう実力闘争の現場に行くと気合いが入ります。実力闘争ということではやっぱり三里塚。辺野古で闘っている人たちに向けて沖縄への連帯の気持ちを強く伝えたいと思いました。
 その上で、本土でがんばらないといけないわけだから、ここには三里塚に来てくれている人、広島・長崎とか本土で闘っている人がたくさん来ているよ、ということも伝えたかったので一生懸命しゃべりました。
―――強制執行との大激突を闘いぬいていたことも大きかったですよね。
 昨年2月の現場の攻防について、自分自身の考えが至らなかったこともあり不十分だった点もあるけど、やはりああいう闘いをやっていたからこそ、ある意味では自信を持って、自分たちは本土で闘っていると言えた。
 辺野古では毎日のように、お年寄り中心ではあるけど、がんばっている。毎日は来られないけど、今日は一緒に闘いたい。本土でも軍事空港粉砕、戦争阻止で一生懸命がんばっていると。それが沖縄闘争を一緒に闘ったみんなの思いでもあるだろうと強く感じました。

「新しい成田空港」構想

―――成田空港会社(NAA)がぶち上げる「新しい成田空港」構想の具体化に向けた動きが急ピッチで進んでいます。
 検討会の第9回会合が6月6日に開かれ、NAAは改めて現在の3つあるターミナルを全部つぶしてワンターミナルに集約し2030年代前半に供用する案を提示。鉄道も敷きなおし、新駅を作る。分散した貨物地区も1カ所にすると。さらに旅客・貨物施設だけでも8千億円は必要と試算。田村明比古社長は「NAAは100%国所有の会社」と民間企業の仮面をかぶった国策会社であることを隠すのではなく、むしろ押し出すことで構想を進めるてこにしています。
 さらに17日には千葉県、周辺9市町、国、NAAの4者意見交換会(非公開)が開かれ、「(構想に)異論は出なかった(合意した)」として、NAAは最終案を7月に国に提示すると言っています。熊谷俊人知事はインタビューで「成田は国際物流拠点。これは国家プロジェクトだ。産業拠点を作り上げることは経済安全保障上、極めて重要」「政府はもっと主導性を発揮せよ」と尻押ししています。
 そもそも第3ターミナルの開業が2015年4月で、キャパを1・6倍にする大拡張工事を22年にしたばかり。なのに、すぐぶっ壊して造り変えるというのは、普通の会社ではありえない。
 採算は度外視で成田を根本的に作り変えようとしている真の狙いは、米軍・自衛隊にとって使いやすい空港にすることで、そういう国家意志が働いていると見ないといけない。
 戦争体制づくりの動きとタイミング的にもほぼ一致しています。
 22年末に浜田靖一前防衛大臣が、平時から民間空港での軍事訓練を進めるとし、軍事利用に制限がある空港として沖縄の下地島と成田を名指しして、反戦運動・空港反対運動への敵意をあらわにしました。さらに安保3文書改定などを経て、今年4月、16の民間空港・港湾を「特定利用空港・港湾」に指定し、滑走路延長などの整備を進めています。
 航空需要が回復してきたと言っても、現在の年間発着可能回数30万回に遠く及ばず20万回そこそこ。しかも主要な国際便は成田から羽田に移動。その羽田の滑走路の長さは3300㍍と3000㍍が1本ずつと、2500㍍が2本。成田で今2本も作ろうとしてる3500㍍の滑走路なんて軍事以外では、まったく必要ないんです。
 来春にも日米の統合作戦司令部がおかれようとしている横田基地の滑走路が使えなくなった場合に備えて、成田の拡張が進められている。そうでないと、あんな大規模にもう1回造り変えるすさまじい計画が出てくるはずがない。たとえ需要が埋まらなくても有事に備えて、できるだけ余裕をもった状態にしておきたいのでしょう。
 そういう戦争政策と直接対峙し勝利している拠点として三里塚の重要性は増してきています。

帝国主義を打倒しよう

―――世界気象機関が「5年以内に産業革命前の平均気温を1・5度上回る確率は8割」と発表しました。国連のグテーレス事務総長は「気候地獄に向かう高速道路から降りる出口を。20年代に勝敗は決する」と。
 戦争(準備)で気候変動対策なんて吹っ飛んじゃっているけど、戦争と同じ全社会・世界的な問題であり関係ない人は一人もいないですよね。最近でもカナダで大火事が起き、ブラジルでは大雨。日本では鶏肉の値上げの方が大きく報道されているけど、気候変動の結果ですよね。
 この間、図書館で肉食・畜産のために森林を伐採し、原住民を虐殺して、アメリカの開拓が行われてきたという本をたまたま見ました。かつての日本の満蒙開拓、アジア侵略も同じですが、食料確保と称して金もうけのために、農民から食料、農地を奪い、邪魔になったら殺してしまう。人を人とも思わぬすさまじいことをやってきたのが帝国主義です。農民がいたところを追い出して入植する。今イスラエルがやっているのもそうですよね。
 環境問題、食料問題もすべて資本主義・帝国主義の問題です。三里塚のように帝国主義打倒の立場でともに闘おうと呼びかけたいですね。

畑の土に触れてほしい

―――最後に、7・7農楽まつりへのアピールを。
 自分は農業の素晴らしさとかをとうとうと語るような主義者ではもともとないんだけど、リアルな生活感や農業をしている姿に触れてもらうことで、社会の中で大切なものが三里塚にはあるんだと認識してもらう機会になればいいなと思います。土に触れるのは楽しいものです。芋掘りでも体験してもらいたいところだけど、土で汚れちゃったら大変だから、畑での宝探しくらいはいいかなと検討中です。
 昨年は、福島の椎名千恵子さんが「かんしょ踊り」を指導、披露してくれてとてもよかったです。ぜひ学生さんにも何か出し物を考えてもらえるとうれしいですね。
 ささやかですが冷たい飲み物などを用意してお待ちしています。

(写真 7・7農楽まつりへの参加を呼びかける反対同盟作成のカラービラ)


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お待ちしてます
 市東孝雄さん

 昨年に続き、2回目の農楽まつりです。萩原さんがしっかりアピールしてくれたので特に言うことはありませんが、今後もこの地で農業を続けながら闘っていきますのでよろしくお願いします。
 昨年は雨が少なくて里芋がダメ。今年はラニーニャだとかで気候はますますおかしくなっています。家の前の畑を二反歩ほど取られましたが、作物の種類や数を減らしたくないから、工夫しながら何とか畑を回しています。ズッキーニは今年は風がないので、出来がいいです。今掘っている玉ねぎ、ジャガイモが何とか秋頃までもつといいけど......。
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7・7農楽まつり
 7月7日(日)午前10時市東さんの南台の畑集合
 萩原さんの清水の畑までデモ
 正午 農楽まつり ※昼食持参願います
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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