成田空港機能強化 本格着工実力阻止へ 「白紙撤回」署名集めよう

週刊『三里塚』02頁(1137号01面03)(2024/06/10)


成田空港機能強化
 本格着工実力阻止へ
 「白紙撤回」署名集めよう


(写真  NAAが公表したC滑走路新設地区の全体工事計画図)

(写真 東関東自動車道地下道化工事トンネル完成時のイメージ図)

(写真 B滑走路北延伸工事を徹底弾劾する現地調査【4月24日】)

自然環境と生活を根本から破壊

 成田空港会社(NAA)は、「成田空港の更なる機能強化 滑走路整備計画の概要について」の改訂版を4月に公開した。
 東関道を迂回させB滑走路の北延伸のためのトンネル化工事と本体工事の着工を予定している。さらに、C滑走路建設では北側貨物地区の工事用道路および空港周回管理道路などの着工攻撃に踏み出そうとしている。NAAの概要改訂版は、これを前にしたキャンペーンに他ならない。

地形・地質・水系に壊滅的な打撃

 そこで改めて鮮明に示されていることは、拡張工事の自然破壊・環境破壊の激しさだ。膨大な地域の地形・地質・水系に壊滅的な打撃が加わる。軍事空港建設のための成田空港拡張工事の本格着工を実力で阻止しよう。
 NAAが改訂版で公表したB滑走路地区、C滑走路地区の工事数量は、おおむね次の通りだ。
(1)B滑走路延伸地区
1、東関東自動車道地下道化工事(※箱型函渠〔かんきょ〕工事)を行う。
・切土 8万立方㍍
・盛土 8万立方㍍
2、B滑走路延伸部造成工事(用地造成工事で)
・切土 約59万立方㍍
・盛土 約197万立方㍍
・土砂運搬 約162万立方㍍
3、進入灯橋梁設置工事
・ 延長 約570㍍
※函渠とは、道路・水路などのために盛土あるいは地盤内に設けられる構造物。
(2)C滑走路地区
1、用地造成工事
・切土 約1940万立方㍍
・盛土 約1620万立方㍍
・地盤改良(圧密促進)
約28㌶
・地盤改良(固結工法)
約26㌶
2、舗装工事
・滑走路アスファルト舗装約16万平方㍍
・滑走路コンクリート舗装約6700平方㍍
・誘導路アスファルト舗装約15万9300平方㍍
・誘導路コンクリート舗装 約4万8800平方㍍
・過走帯・ショルダーアスファルト舗装
約21万600平方㍍
 この本体工事に先立って、場周・保安道路工事、場周道路トンネル工事と国道296号付替え道路箱型函渠工事などが行われる。
 また、C滑走路造成に合わせた重要施設工事として、高谷川付替え工事とC滑走路北側トンネル工事がある。高谷川付替え工事は、暗渠・水路は1㌔をこえ、貯水池建設を伴う。C滑走路北側トンネル工事は、滑走路下の菱田地区の町道を廃止するにあたり、新たに京成線千代田芝山駅から多古町五辻までの基幹道路として滑走路を横断するトンネルを作るものだ。
 その他、C滑走路南側管理用道路、高谷川付近芝山町補償道路、圏央道東側多古町補償道路など、計15㌔、用地造成だけでも180万立方㍍の工事が必要とされている。

「人間が住めぬ場所」へと変質

 このように成田拡張工事は、空港敷地の1198㌶から2297㌶への拡張だけにとどまるものではない。付随工事、さらには騒音地区の拡大や物流基地構想による周辺農地の改廃も含めれば、影響の及ぶ地域はその数倍となる。まさに北総一帯に人間が住むことができない自然破壊・農村破壊が進められようとしているのだ。
 反対同盟が呼びかける国交省あての「地球環境の破壊と気候変動をもたらす、すべての空港拡張計画の白紙撤回を求める署名」と千葉地裁あての「成田空港の拡張反対署名」を全力で集めよう。

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