北総の空の下で 飢餓・食料・農業 生きて闘うために
週刊『三里塚』02頁(1136号02面08)(2024/05/27)
北総の空の下で
飢餓・食料・農業
生きて闘うために
5月は野菜の定植が進み、畑に活力がみなぎる季節です。春だけの限定野菜も次々に入ります。三つ葉、早生玉ねぎ、エシャロット、スナップエンドウ、空豆等々。多種類を露地栽培で輪作する産直農業は毎年違って当たり前。食べる側も届いた野菜に季節や天候を感じながらともに歩むのが産直です。
ラファからの報道で「逃げながら5日間で食事は1食だけ」と言う痩せた男性の映像が瞼に焼き付いています。人為的に強制される飢餓ほど残酷なものはありません。食べ物があふれているかに見える日本でも、生活の困窮から必要な栄養が摂れない世帯が急増中とのこと。グルメ番組を楽しんでいる間に、政府は戦争を見すえた食料政策の制度化を進めています。芋・芋・芋に米魚野菜少々、肉と卵は月1回! 農家には芋の増産が強制されます。日本はいつから食料を輸入に頼る国になってしまったのか? 明治以後日本はアジアを植民地化して製糖・製粉・精油の政商が外貨を稼ぎ、資本主義国家を建設しました。戦後は米国の言うなりと言われますが、日本企業と政府も自らの利益のために砂糖小麦粉油推進運動を展開しました。欧米がアフリカなどで環境と農業を破壊して換金作物を作り巨利を得たのと同様、日本の自給農業は潰されていきました。
食べることは生きることです。戦時下で生きて闘うために、世界の労働者と連帯する農民のネットワークを作って、自前の食料を生産しよう。
北里一枝