沖縄と連帯し、農地死守・軍事空港粉砕を 5・13耕作権裁判・デモに集まれ 機能強化工事を実力阻止しよう

週刊『三里塚』02頁(1135号01面01)(2024/05/13)


沖縄と連帯し、農地死守・軍事空港粉砕を
 5・13耕作権裁判・デモに集まれ
 機能強化工事を実力阻止しよう

(写真 反対同盟を先頭に芝山デモに出発【3月31日】)

(写真 日本経済新聞千葉版【4月17日付】)


 4・28沖縄デー集会に800人が結集し、ヘルメットで武装した学生・青年のスクラムデモが渋谷の街を席巻。多くの若者が拍手と歓声でこたえた。この成功に続き5・15沖縄闘争の大爆発を勝ち取ろう。沖縄と連帯し、農地死守・成田軍事空港粉砕を闘う三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける成田空港拡張反対署名とすべての空港拡張計画撤回署名を集めよう。5・24空港拡張差し止め裁判に集まろう。市東さんの農地強奪阻止の耕作権裁判が大詰めだ。5・13耕作権裁判・千葉地裁デモに大結集しよう。すべての戦時下弾圧粉砕を。8・6広島暴処法弾圧と闘う5人、懲役20年の極反動判決と闘う大坂正明さんの奪還へ全力を挙げよう。

「侵略戦争同盟」結ぶ日米

 4・10日米首脳会談は、日米同盟の「中国侵略戦争同盟」への大転換を図るものだ。早速、木原稔防衛相は5月2日からの米ハワイ訪問で、オースティン国防長官らと会談し、首脳会談で合意した「指揮統制機能の連携強化」に向け、自衛隊と米軍の部隊の配置から運用、装備品の開発まで担う役割や連携策(基地や公共インフラの共同使用)を再検討する具体策の検討を始めた。今月中の2プラス2で決定されるとされるが、とんでもない大攻撃だ。
 日本帝国主義が自らの延命をかけて中国侵略戦争に突き進む中、労働者人民を戦争に駆り立て、経済・政治のすべてを戦争遂行のために再構築する攻撃が進んでいる。これとの対決は、自国政府打倒の思想と闘い抜きにはありえない。「戦争をしなければ生き延びられない帝国主義こそ死すべき」という祖国敗北主義と内乱的・武装的闘いが求められている。
 沖縄では、石垣港へのミサイル駆逐艦寄港に反対する全港湾のスト決起、中城湾の3・10ミサイル基地資材搬入阻止闘争が闘われた。このような中でうるま市の陸自訓練場建設計画も、住民の反対で「白紙撤回」に追い込まれた。既成勢力を乗り越える新たな実力闘争をつくりだそう。
 三里塚闘争は、国家暴力に屈せず、半世紀を超えて農地強奪と巨大空港=軍事空港建設に非妥協に対決し、全国の労働者人民と共闘し、団結と闘いを守りぬいてきた。戦時階級闘争に突入する中、すべての大衆闘争が学ぶべき教訓に満ちている。沖縄闘争とともに、三里塚闘争の勝利を勝ち取ろう。
 三里塚現地では、市東さん農地攻防と機能強化攻撃との闘いが白熱化している。市東さん耕作権裁判は人証調べを終了し、最終弁論への取りまとめ手続きに入る。人証調べでは、成田空港会社(NAA)は反論らしき反論を何一つ言えなかった。当然である。市東家が100年耕してきた農地を「空港のものだ、明け渡せ」とする提訴自体がデタラメだからだ。被告として市東さんをおとしめ、精神的屈辱を与え屈服させるのが彼らの悪らつな意図だったがそれは破産した。5月13日以降結審までの3回の裁判を攻勢的に闘おう。千葉地裁に結集しよう。

成田の没落と兵站基地化

 NAAは、4月25日に23年度空港旅客数を発表した。国際線を利用した人は全体で2744万人余りと、コロナ禍前の19年度の8割程度。外国人旅客の増加をキャンペーンしているものの、そのうち日本人の国際線の旅客数は678万人余りとコロナ禍前の半分しか回復していない。田村明比古社長は、24年度は「中期経営計画で掲げる3900万人、またはこれを上回る回復を期待したい」と述べているが、絶望的だ。
 今年の大型連休でも成田から出国する旅客数は、18年の9割という。利用客減少は、円安による海外旅行が減少しているからだけではない。より構造的な問題で、キャリア国際便が羽田に移行し、LCC誘致は中国・アジア経済の停滞で破産している。羽田のおこぼれに延命を求める成田没落の姿が鮮明だ。
 その取り戻しのために、この間のマスコミを使った「新成田空港キャンペーン」が繰り返されている。4月17日付日経新聞は、「29年に新滑走路」「成田周辺の開発構想進む/新駅誘致や宅地造成、若者移住狙う」と報道した。いずれも針小棒大に書き立てた願望記事だ。しかもその内容は、「空港の発展にあぐらをかき、待てば人が来る時代は終わった」「空港がにぎわっても今停滞気味」「空港が拡張しても街の魅力がなければ移住者は増えない」と、周辺自治体に空港にもっと協力することを強制するだけで、展望を示すことができないでいる。
 さらにNAAは「新しい成田空港」構想検討会を4月12日、東京都内で開いた。検討会は、3つある旅客ターミナルの集約や貨物地区の整備などを盛り込んだ中間案を2023年3月にまとめて以降、1年近く中断していた。今回は、再開2回目。貨物施設構想と鉄道の空港乗り入れ部分(JRと京成線)の複線化を提案した。今回の会合では、空港の近隣で開発が進むグッドマン・グループの物流施設と一体運用する案を具体化させた。貨物空港として生き延びようとするのがNAA田村の思惑だ。すでに千葉県は、空港周辺一帯を農地法適用除外の特例地区にする物流基地構想なるものを想定している。成田空港は、ますます物流=軍事兵站(へいたん)基地としての姿を浮かび上がらせている。

現地攻防いよいよ正念場

 農地をつぶし、農村を破壊し、周辺住民を騒音地獄にたたき込む空港機能強化の反人民性は明らかだ。
 反対同盟は4月24日、拡張工事弾劾の2回目のフィールドワークに決起し、B滑走路延長工事現場に突入し、ダンプ運搬を止めた。これを引きつぎ、連月の闘争に決起しよう。機能強化の工事は、B滑走路延長では東関道の切り回し工事に続き、東関道部分と本体工事(切土約59万立方㍍、盛土約197万立方㍍、土砂運搬約162万立方㍍、滑走路アスファルト舗装約2万9500平方㍍)に入る。さらにC滑走路建設では、①北側造成工事、②C滑走路南側管理用道路整備工事、③工事用仮設道路整備工事が予定される。①は、24年度下期からの開始予定で、入札を今年度第2四半期中に行う。③の工期は、今年の6月から、②の入札が6月というものだ。
 機能強化攻撃との闘いはいよいよ白熱段階に突入した。「農地死守・実力闘争」の旗を高々と掲げ、24年三里塚夏攻防に決起しよう。その力で全裁判闘争に勝利しよう。市東さんの南台農地を守りぬこう。

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