被告・国は釈明せよ 騒音下住民が被害訴え 成田夜間飛行差し止め訴訟
被告・国は釈明せよ
騒音下住民が被害訴え
成田夜間飛行差し止め訴訟
成田空港夜間飛行差し止め請求訴訟の第2回口頭弁論が3月19日、千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で開かれ、傍聴に駆けつけました。
この裁判は、成田市、横芝光町、芝山町、茨城県稲敷市の住民が国を相手取って成田空港の深夜早朝(午後9時から午前7時)の離着陸禁止を求めているものです。
成田空港会社(NAA)が29年に朝5時から深夜1時まで運用時間を延長しようという中で、周辺住民が団結し、機能強化にNOを突きつけている重要な闘いです。
冒頭、原告の成田市の住民が意見陳述に立ちました。
騒音によって家族の憩いの場が奪われ、十分な睡眠が取れないために子ども世代が次々と自費で地元を離れていく状況に怒りを表明し、子や孫と同じ地域で暮らせるように「眠れる夜と静かな朝」を取り戻したいと訴えました。
さらに、「深夜の貨物便で眠れず、慢性的な睡眠不足で命が危険にさらされている。しかも、機能強化の根拠とされる4者協議会の合意の実態は、住民不在で騒音下住民を無視するものに他ならず、多数決、交付金で基本的人権を奪うことは許されない。裁判長はぜひ現地に来て騒音被害の実態を体感してほしい」と呼びかけました。
続いて、海渡雄一弁護団長があらためて国に対し釈明を求めました。
前回の原告のみならず裁判所からの要求にも答えず、運用時間はNAAが勝手に決めていることで国には権限がないとして、逃げることはは許されないことについて具体的に突きつけました。
岡田裁判長は国に対して、「航空行政権の範囲はそんなに狭いものなのか。大阪空港では国交大臣の告示で発着制限について定めている」と指摘し、原告の求釈明に答えるよう迫りました。国はなお時間がかかると逃げようとしましたが、しぶしぶ、次回期日6月25日の10日前に書面を出すことを約束しました。住民の必死の訴えが裁判所を動かし、国を追いつめていると実感しました。
(土屋栄作)