団結街道裁判 小泉成田市長の陳述書を批判 証人尋問は5月10日に
団結街道裁判
小泉成田市長の陳述書を批判
証人尋問は5月10日に
千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で3月1日、団結街道裁判が開かれた。
団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は、天神峰の農家・市東孝雄さんにとって、自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ、日々の農作業に必要不可欠の道路であった。市東さんだけでなく、一般的にも利用者が多い重要な交通路であった。その団結街道を成田市は、2010年6月に夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、土地を格安で成田空港会社(NAA)に売り飛ばすという暴挙に及んだ。その違法性を徹底的に追及し、廃道処分の無効を明らかにするのがこの裁判だ。
この廃道決定の最高責任者である小泉一成成田市長が、証人として次回期日に出廷する。その証言に先立つ市長の陳述書が、2月22日付で裁判所に提出された。
だが、これがあまりにもひどい。書き並べられているのは、NAAとの協議や市議会にかける上での手続きの無味乾燥な経過ばかりだ。道路廃止という住民にとって重大な決定をなぜ行ったのか、道路法第10条における廃道の要件に適しているかどうかについて責任者としていかに判断したのかという肝心なことに、まったく触れていない。そして許しがたいことに、「1970年当時の成田市長と空港公団総裁との間で廃道を決めていた」ことを持ち出して「廃止は前提」と居直り、空港の利害を代弁して「容量拡大へ向けた誘導路の整備」の必要を押し出している。これでは証人としてまったく用をなさなかった、市の元土木部長中村壽孝の証言と似たり寄ったりだ。
この日の法廷で弁護団は小泉陳述書を弾劾し、補充の陳述書の提出を被告・成田市に強く要求した。裁判長も「4月までに出せるなら出して」と促すが、市の代理人は気のなさそうな返事をするのみ。
小泉市長の証人尋問は、次回5月10日(金)午後1時30分開廷。さらに次々回7月16日には、萩原富夫さん、市東孝雄さんの原告本人尋問だ。
閉廷後の報告集会で、弁護団は市長尋問で真実を究明する意欲と決意を明らかにした。
全学連の今井治郎さんが連帯発言に立った。8・6広島闘争に対する暴処法による5人逮捕を弾劾し、「実力闘争を禁圧する弾圧であり絶対に許さない。昨年2・15強制執行に対し私たちは実力で闘ったが、その闘いを知って立ち上がった学生が全学連に合流している。自らの体を張って闘うことに訴求力がある。学生は大挙して三里塚に駆けつける」と決意を表明。参加者が拍手で応えた。