明日も耕す 農業問題の今 「農業は環境破壊の犯罪だ」 国際会議で資本家が絶叫

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週刊『三里塚』02頁(1129号02面04)(2024/02/12)


明日も耕す 農業問題の今
 「農業は環境破壊の犯罪だ」
 国際会議で資本家が絶叫


 1月26日通常国会が始まった。食料・農業・農村基本法改悪案をはじめ農業関係の6法案の審議が予定されている。戦時体制づくりを許さない国会闘争が重要だ。だが、世界ではさらにとんでもない論議が行われている。
 1月15日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)がスイス東部のダボスで開幕し、世界の政財界トップ=ブルジョアジーの強盗どもによるさまざまな論議が行われた。
 そこで出た発言を看過することはできない。
 「アジアのほとんどの地域では、いまだに水田に水を張る稲作が行われている。水田稲作は温室効果ガス、メタンの発生源だ。メタンはCO2の何倍も有害だ」(バイエル社ビル・アンダーソンCEO)
 稲作そのものの否定だ。水田の水張り問題では、日本でもメタン発生の抑制のために、中干し期間の延長が取り沙汰されている。だがこれは生物多様性を育む稲作の多面性を見ないケチつけだ。その先に「乾田化すれば雑草対策で除草剤=グリホサート(自社製品ラウンドアップ)の需要増」という意図が透けて見える。(バイエルは2018年モンサントを買収)

農漁業を否定!

 「農業や漁業は『エコサイド』(生態系や環境を破壊する重大犯罪)とみなすべきだ」(ストップ・エコサイド・インターナショナル代表) エコサイドというのはジェノサイドに引っかけた言葉だ。
 問題視されるべき農業や漁業は、大規模化・工業化した農漁業だ。そのあり方を見直すのではなく、農漁業の営み自体を否定しようとしている。
 また、あるパネルディスカッションでは、パネリストたちが遺伝子組み換え微生物(害虫を殺したり栄養素を生産する)を歓迎し、他方で、消費者が加工食品を受け入れるよう「再教育」する必要があるとの意見で一致したという。
 昆虫食や人工肉といったフードテックによる代替的食料生産が必要だ、持続可能で気候変動に優しく、これからの未来をつくるというのだ。

国際労農連帯を

 プライベートジェット機で参加しているような大金持ちの連中が(昨年の会議では発着1040機=自動車35万台分のCO2排出)、したり顔で農業を悪者にしているのだ。
 行き詰まった帝国主義は、生き残りをかけて世界戦争に突き進むだけでなく、世界を壊し、地球を壊してきた矛盾を労働者農民に押しつけ、農業そのものをつぶして新たな世界秩序・食料支配を築こうとしている。
 だが、ヨーロッパ各地では農民のトラクターデモ連日のように闘われている。気候変動の原因を農業に押しつけ、政府が農業への補助金を削減したり、規制を強化したりしていることが大きな怒りを生み出している。 
 ブルジョアジーによる農業つぶしとの闘いは、今や世界的な闘いだ。
 世界の農民、そして労働者と連帯して帝国主義を打倒しよう。
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