北総の空の下で 能登震災と戦争 許せぬ「民族浄化」
週刊『三里塚』02頁(1128号02面05)(2024/01/22)
北総の空の下で
能登震災と戦争
許せぬ「民族浄化」
元旦の朝が穏やかに明けました。郵便局ビラ配り、雑煮とおせちで朝食、年賀状を書きながらゆっくりと過ぎる午後の時間…。毎年変わらない一日のはずでしたが、夕方能登地震のニュースが飛び込んできました。この規模の地震が人口密集地で起きていたら…。直後的にはそう思いましたが、日に日に死者と行方不明者が増えてゆく現実に、政治が見捨ててきた過疎地の実態があぶり出されました。東京新聞20日付「本音のコラム」——体育館に避難した86歳が体調を崩し死亡。布団で寝かせてやりたかったという遺族の言葉に涙が出た。米国産兵器を爆買いして在庫整理に貢献するお金はあるのに——その通りだと思います。
災害よりさらに人為的に、命と日常を奪うのが戦争です。囲いの中の人々を根絶やしにするガザの「民族浄化」は理不尽の極致です。なぜ世界に発信されながら虐殺は続くのか? 知るためにぜひともお勧めしたいのが早稲田大学教授岡真理著『ガザとは何か』です。パレスチナ人民に対する「民族浄化」は75年前のイスラエル建国時から連綿と続いていたのです。ナチスの「民族浄化」から生還したユダヤ人を、パレスチナの土地を奪って入植させ、中東支配の要にした欧米こそイスラエルの後ろ盾です。
10・7は現実を世界に知らしめて生き抜くための蜂起です。アメリカに追随し、中東の石油で日常を享受してきた私たちに対する、命がけのアッピールです。
北里一枝