「空港拡張に絶対反対」 住民に戦争への危機感募る 第124回周辺地域一斉行動

週刊『三里塚』02頁(1124号02面01)(2023/11/27)


「空港拡張に絶対反対」
 住民に戦争への危機感募る
 第124回周辺地域一斉行動

(写真 市東さん宅作業場で朝の打ち合わせ【11月12日】)

 反対同盟と支援連は11月12日、124回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。小雨がパラつく中、ユニットハウス内でのビラ折り作業後、成田市天神峰の市東孝雄さん宅横の作業場で朝の打ち合わせを行った。
 冒頭、市東さんがあいさつ。「連日の闘いお疲れさまです。明日の耕作権裁判は大詰めを迎えています。戦争情勢の中、周辺を回ればいろんな攻撃や声があると思います。できることを地道にがんばりましょう」
 続いて、伊藤信晴さんが芝山町の現状を報告した。さらに現地の仲間が反対同盟ニュース第119号を解説した。
 イスラエルによるパレスチナ人民大虐殺への抗議が全世界で巻き起こる中、ギリシャのアテネ国際空港内のデモを取り上げている。また、10日から開始された陸・海・空3自衛隊の統合演習の中身を暴露、弾劾。今回初めて民間空港での戦闘機離着陸訓練が強行されたことを許さず、全国の反戦・反基地の闘いと連帯し、成田の空港拡張を阻もうと呼びかける内容だ。行動方針は12・18耕作権裁判と地裁デモだ。
 打ち合わせを終えた仲間は、同盟ニュースを手に担当地域へと出発。
 不安定な天気の中、サツマイモの出荷作業やニンジンの掘り取りに精を出す農家もあったが、全体的に外で作業している住民は少なかった。
 ウクライナ(欧州)、パレスチナ(中東)、中国・台湾(東アジア)の3正面で、戦争の火がさらに燃え広がろうとしている中で、反対同盟が一貫して戦争反対を訴え、行動してきたことが決定的な意味を持つ情勢に入っている。多くの住民が戦争への危機感を表明し、成田の拡張攻撃との一体性を見ぬいていた。
 「このままだと世界戦争になる。おれは絶対に嫌だし、拒否する。前の戦争で天皇の名でどれだけ苦しめられたことか。また来てくれ」「空港はもうできているのに、戦争のためにもっと広げるなんてとんでもない。戦争は絶対にダメ」「何とかして止められないか。戦争になったらと考えると、空港拡張は絶対に反対」「国の責任者がイスラエルを支持しているなんて許せない。ウクライナ、パレスチナでの戦争をやめろと言いたい。資本家だけがもうかる社会を変えたいと思うが、中国みたいな社会も私は嫌だ。共に生きられる社会が必要」
 「毎回のニュースを楽しみにしている」という移転地域の住民は、「これからのことは若い者に任せているのでもう仕方ないけど、本当はここを離れたくない」と語った。「なかなか口に出しては言えないけど、本心は空港反対の人はよほどいると思う」「病院で知り合った人が、畑も売って、移転してきた。一反部の平屋だけど、庭は草がぼうぼうで荒れている。金をもらっても家族がばらばらになり一人暮らしになっている。人間何が幸で何が不幸かわからないね」
 この日も多くの住民から、成田の拡張に反対する新署名が寄せられた。参加者は、住民の戦争反対の思いと一体となって闘う決意を新たにした。
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