イスラエルよ、アメリカよ! ガザの人々を殺すな パレスチナ人民との連帯のために Q&A

週刊『三里塚』02頁(1123号02面01)(2023/11/13)


イスラエルよ、アメリカよ!
 ガザの人々を殺すな
 パレスチナ人民との連帯のために Q&A

(写真 エルサレム近郊のユダヤ人入植地ハル・ホマ)

(写真 インティファーダ1987年)

(写真 戸村一作反対同盟委員長【1978年3・30集会で】)

武装解放闘争としての10・7

Q 10月7日、ハマスなどのパレスチナ武装組織がイスラエルに対し、ガザから数千発ものロケット弾を撃ち込み、1千人以上の戦闘員が突入して一斉攻撃しました。これはテロとして非難されるべきですか?
A いや、そうではない。これまで米国を後ろ盾にしたイスラエルがパレスチナに対して行った無数の非道な襲撃・迫害・虐殺の歴史を、今こそ直視しなければならない。10・7は、塗炭の苦しみを味わわされてきたパレスチナ人民が、やむにやまれぬ思いで一矢報いた反撃のゲリラ戦であり武装解放闘争だ。
Q 10・7以降、イスラエルがガザへの無差別空爆を繰り返す中、双方の死者が1万人を超えたと報じられていますが。
A 10・7でのイスラエル側死者が1400人、その後のガザの死者は6倍超の9千人以上。一方的に見境のない殺りくを続けるのがイスラエル・ネタニヤフ政権の側であることは明らかだ。
Q 「イスラエルの自衛権」とは何ですか?
A イスラエル当局は被害者のような顔をして、「テロリストの攻撃から自分たちを守る権利がある」と主張する。米欧各国もそれを認める。そんな権利があってたまるか! パレスチナ側からの抵抗や反撃を口実に、圧倒的軍事力で破壊と虐殺を重ねることへの凶悪な開き直りが「自衛権」の正体だ。
Q シオニズムとは何ですか?
A パレスチナ人=アラブ人をパレスチナの地から暴力的に追い出して、ユダヤ人国家「イスラエル」を打ち立てることを正当化するための、旧約聖書の神話に基づく荒唐無稽(こうとうむけい)で独善的なイデオロギーと活動だ。もともとユダヤ社会の主流的考えでもなかった。
 だが欧米各国は、国内のユダヤ人差別問題を国外へ「厄介払い」するためにシオニズムに同調して移住を促進した。特にナチスは1930年代、シオニズム主導者と協力してドイツのユダヤ人の排斥・移民を進めた。
Q 現在のイスラエルはどんな国ですか?
A パレスチナ抑圧の上に、米国の巨大な経済・軍事援助によって成り立ち、常に戦争を構えて中東地域を武力で威圧する超軍事国家と言える。

拡大を続ける入植地の現実

Q パレスチナ人が今住んでいる地域は?
A かつてパレスチナ人は、今はイスラエル領土にされた全域に定住していたが、1948年のイスラエル建国宣言とその後の中東戦争で70万人以上が追放され難民となった。現在イスラエルの占領下で「ガザ」と「ヨルダン川西岸」とがパレスチナ人自治区とされ、周辺国でも多くのパレスチナ人が難民として暮らす。彼らには故郷への帰還権がある。
Q そのガザにイスラエルは今、猛烈に爆撃を行っていますね。
A ガザは200万人以上が住む人口密集地で、死傷者の7割が女性と子どもと言われる。07年からイスラエルによって封鎖され、どこにも逃げ場がない。食料・燃料・医薬品などを外部支援に頼るが、今はそれも検問で制限されている。
Q ハマスはガザで支持されているのですか?
A ハマスは87年の第1次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)の中から生まれ、「自治」「和平」の名での屈服を拒否し、「イスラエル国を認めない」との姿勢を貫くことで人民の信頼を得てきた。06年のパレスチナ議会選挙で、「穏健派」のファタハを抑えてガザでも西岸地区でもハマスが勝利した。だが米欧日もイスラエルもこの勝利を認めず、ハマスはガザ地区に追いやられたが、医療・保健・教育などの公共サービスを自主的に運営してきた。
 対照的に西岸地区の「パレスチナ暫定自治政府」アッバス議長(ファタハ)の権威は失墜している。
Q ヨルダン川西岸はどんな場所ですか?
A 名目上はパレスチナ人自治区なのに、ここにはイスラエル人の大量の入植地(住宅、施設、耕作地)がパレスチナ人を迫害し襲撃しながらつくられ、今も拡大している。「国際法違反」と非難されても耳を貸さない。入植者は47万人。軍もその侵略行為に加わりためらいなく発砲する。高い塀、監視塔、検問所が造られ、パレスチナ人の交通と生活を分断し阻害している。
 今はガザが世界の注目を浴びているが、イスラエルは西岸地区の完全な支配、パレスチナ人完全一掃をもくろんでいるとも言われる。

米帝国主義の中東軍事支配

Q アメリカはなぜイスラエルをあれほど強力に支持するのですか?
A 米からイスラエルには通常予算で毎年40億㌦(6千億円)の軍事支援がなされ、さらに今回は緊急予算を合わせて180億㌦もの軍事支援が行われる。イスラエルの22年軍事費230億㌦の約8割だ。米国内のイスラエル・ロビー、ユダヤ系財閥、キリスト教右派などの存在(票と資金)が、大統領選挙、議会選挙の行方を左右することはよく知られる。
 だが本質的には、アメリカ帝国主義自身の中東支配にとって軍事国家イスラエルが必要なのだ。イスラエルの戦争犯罪は米帝自身の犯罪だ。
Q 日本政府の立場は?
A 日本は中東産油国などにも配慮する「バランス外交」から、あからさまなイスラエル支持に転じようとしている。それはガザ虐殺への加担だ。
 イスラエルに拠点を置く日本企業は現在92社。NTT、富士通、サカタのタネなどが近年拠点を開設した。
 3月に幕張メッセで開かれた「武器の見本市」ではイスラエルの兵器メーカー14社が出展した。
 昨年8月、浜田防衛相(当時)は10年ぶりにイスラエルのガンツ副首相兼国防相と会談し、防衛協力推進の覚書に署名。日本はイスラエルと組んで、ハイテク武器兵器の共同開発を推進中だ。
Q 私たちがなすべきことはなんでしょうか?
A このパレスチナの歴史と現実を学び、パレスチナ人民との連帯を発展させ、今やイスラエルの暴力支配と戦争に終止符を打つ時だ。日本帝国主義のイスラエル支援を許してはならない。そして日帝自身の戦争準備を阻止し、岸田政権を打倒しよう。

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