「空港に未来はない」 芝山町政に住民の怒りの声 第123回周辺一斉行動に立つ

週刊『三里塚』02頁(1122号02面01)(2023/10/23)


「空港に未来はない」
 芝山町政に住民の怒りの声
 第123回周辺一斉行動に立つ


 123回目の空港周辺情宣一斉行動が10月22日、反対同盟と支援連絡会議によって取り組まれた。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅横の団結街道の奥に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った(写真)。冒頭、萩原富夫さんが10月全国集会の大成功へのお礼を述べ、「反対同盟ニュースを持ってその息吹を住民に届けよう」と呼びかけた。そして、来年の旗開きを1月14日(日)に行うと確認した。
 今回用意された反対同盟ニュース第118号は、10・8全国集会での反対同盟事務局4氏の訴えを全面的に紹介する中身となっている。昨年よりも参加者が増え、成田ニュータウンを縦断する長いデモ隊列の写真が印象的だ。また地域住民の声として、「眠れる夜と静かな朝を迎えたい」(芝山町)、「金持ちのための空港拡張には協力し、庶民の公共交通機関を切り捨てる行政は許せない。国や行政の横暴と闘う反対同盟に共感する」(成田市)の2つの声を取り上げている。さらに、成田空港の拡張に反対する署名への協力を呼びかけるカラー刷りの新リーフも新たな武器として配られた。
 打ち合わせを終えた参加者は同盟ニュースとリーフを手にそれぞれの担当地域へと飛び出した。
 この日は、雲一つない青空で澄んだ空気が心地よい。多くの農家がサツマイモの収穫・出荷に精を出していた。
 気候変動に危機感を持つ成田市のあるサツマイモ農家は、「高温と水不足で大きい芋が少ない。収量は例年の7〜8割。この周辺は里芋(水不足だと不作になる)を作ってないのでまだ何とかなってるが」と農業の未来への不安を語った。
 また、農家の間でも戦争への危機感が広がっている。「最近のニュースを見ると戦争が近づいていると実感する。空港の拡張の狙いが見える」「戦争と空港拡張はダメ。若い人たちの参加が大事だ」「同盟ニュースを読んだ。署名に協力したい」
 以前に空港の中で働いていた住民は「空港に未来はない」ときっぱり。
 芝山町の移転地域の住民は、圏央道の遅れについての情報を寄せてくれた。さらに、残された神社の移転や移転先の区割りをめぐって住民同士が対立させられている状況に心を痛め、「この地区では、芝山町内への移転よりも成田市や佐倉市への移転の方が多い。町民を町から流出させ町をつぶすのか」と町政への怒りを語った。
 また、他地区の住民からも町政への怒りの声が寄せられた。
 「芝山町はすたれていくばかり。町長も議員も町の将来を真剣に考えている人はいない。年を取って車の運転ができなくなると生きていけない」「寺からの永代供養の話が来ている。墓守りする者もいない。意地でも百姓を続ける」「2度目の防音工事の申請が始まったが、外側の工事は含まれず、内装のドアや障子をかえるのみ。しかも、工事を始めてから『一部自己負担してくれ』と。詐欺のようだ」
 この日も、数多くの空港拡張反対署名が寄せられた。参加者は、粘り強く闘われてきた一斉行動の影響力の大きさを実感し、一日の行動を終えた。

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開拓組合道路で草刈り

支援連絡会議の仲間は10月18日、B滑走路東側の開拓組合道路の草刈りを行った

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