「空港拡張とんでもない」 新署名呼びかけ住民と交流 第121回一斉行動

週刊『三里塚』02頁(1119号01面03)(2023/09/11)


「空港拡張とんでもない」
 新署名呼びかけ住民と交流
 第121回一斉行動

(写真 一斉行動朝の打ち合わせ【8月27日】)


 反対同盟と支援連の仲間は8月27日、121回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
 通り雨が降る中、朝8時30分に成田市天神峰の市東孝雄さん宅脇ビニールハウスで朝の打ち合わせを行った。
 最初に東峰の萩原富夫さんがあいさつ。
 「9月もいろいろと忙しいですが、成田空港の拡張に反対する新たな署名を呼びかけます。今日もがんばりましょう」
 芝山町白枡の伊藤信晴さんが、同盟ニュース第116号の周辺住民の声を紹介した。
 「騒特法は、騒音対策の補助を出すという騒防法とは違い、土地の利用を規制するための法律だ。騒音下に人が住まないようにするもので、芝山町の人口減少の大きな要因の一つだ」
 市東さんは月末に納入予定のユニットハウスについて触れ、「狭いのでみんなは入れないですが、雨でも事務作業はできます」と、闘う拠点を取り戻しつつあることを確認した。
 打ち合わせを終えると雨も上がり、一同担当地域へと飛び出した。
 成田ではサツマイモの選別・出荷作業に追われる農家、芝山では散水をしている農家が多かった。おしなべて畑に水が足りず作付けに苦労しているとの声がよく聞かれた。
 空港近くに住むある農家は「少し離れると雨が降っているのにこの辺りでは降らない。空港の存在が影響しているに違いない」と。これは市東さんはじめ空港近くで営農する農家に共通した実感だ。そのため「空港の拡張なんてとんでもない」と憤る農家がほとんどだ。
 移転地域の住民からは、「家を解体し、新築するにも手元に金がない。NAAは早く出て行けというが、とても無理だ」との声。
 また、理不尽な社会のあり方を根本から変えるために反対同盟が闘っていることへの尊敬と期待が高まっている。
 「市東さんの裁判はどうなっている? 職場で事実と違うことをあげつらい処分されたことを訴えようとしたら上司に止められた。権力をかさにきて不当なことを押し付けるやり方にはとことん腹が立つ。自分が裁判で闘えなかった分も反対同盟にはがんばってもらいたい」
 「ビラを読むのを楽しみにしている。他では書いてないことを書いてあるから。大変だけどお互いがんばっていきましょう」
 「今の政治状況に対し、孫の世代が自覚的に動いている。自分も若い人たちの目線に立ってやっていきたい」
 環境基準を超えるヒ素が検出されるなど一部施工区間で工事がストップしている圏央道の工事状況についても情報が寄せられた。
 圏央道の完成が遅れれば第3滑走路建設の工事も予定通りには進まない。粘り強く闘うことで空港建設を阻むことができる。そうした確信をますます深めて一日の行動を終えた。
 この日の行動で周辺住民から33筆の新署名が寄せられた。

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