「機能強化工事進まず」 猛暑の中、第120回一斉行動
「機能強化工事進まず」
猛暑の中、第120回一斉行動
三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は7月16日、120回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
午前8時30分、さわやかな青空が広がる成田市天神峰の市東さん宅前団結街道で朝の打ち合わせを行った。
芝山町白枡の伊藤信晴さんが冒頭、地元の農業の崩壊的現実と一体で進められる機能強化攻撃について暴露・弾劾した。 続いて、現地の仲間から反対同盟ニュース第115号の要点について解説があった。1面は、大盛況となった農楽まつり報道。2面は、オランダのアムステルダム・スキポール空港が環境問題を理由に冬ダイヤから発着枠削減することを高裁が認めるなど航空機の削減が世界的トレンドであること。3面は、「重要土地利用規制法」で民間空港が初指定されたこと。4面では、補償費用が少ないために移転先を探すことに苦労し、移転の同意は間違いだったと語る住民、町民無視の芝山町政への怒りを語る住民の声が掲載されている。
打ち合わせの最後に市東さんが、同盟ニュースの中身に触れつつ、「台湾有事」をあおって戦争準備が進められている状況への危機感を表し、「暑い中大変だが、成田の軍事空港化阻止の訴えを住民に届けよう」と激励した。
参加者一同、反対同盟ニュースを手に各担当地域へと飛び出した。
あまりの暑さで屋外で作業している住民は少ない。それでも空梅雨で畑が乾ききる中、たっぷりの水を必要とする大和芋や里芋に水をやったり、作業場で軽作業に励んでいる農家もいる。屋内外で活動する住民に手渡しでニュースを届けた。
移転対象地域の住民は、「来年まで畑は耕作していいと言われている」「金が入ったからか多くの人が田んぼをやめてしまったね」と慣れ親しんだ田畑が失われていくことを愁えた。「もう90歳になる。国・NAAが言うほど機能強化はうまくいかない。生きているうちにはできないだろう」との声もあった。
圏央道工事の現状や、機能強化の一環として進められている多古町側から空港の下を通し芝山町にぬける連絡道路についての情報が、住民から寄せられた。
24年度完成予定だった圏央道。地質調査でヒ素が検出されたり、トンネルの天井が崩れたり、未買収用地が残っているために完成予定時期すら示せない状況へと追い込まれている。圏央道は機能強化関連の工事資材を運ぶ道路としてもあてこまれていたため、機能強化の遅れも避けられない。
農楽まつりの成功を喜ぶ住民は「機能強化は簡単にはできない。まだまだこれからだと思っている」と反対同盟の闘いに期待を寄せた。
婦人行動隊の宮本麻子さんは担当区域で、いつも友人に同盟ニュースを配ってくれている住民と「お互いに身体に気を付けてがんばりましょう」とエール交換。
横芝光町の住民からは、「反対運動やっているのか。まだがんばっているんだな。応援する」と声をかけられた。
夕刻、猛暑で汗だくになりながらも、心地よい充実感を感じつつ一日の行動を終えた。