機能強化を全面批判 弁護団が更新意見陳述 空港拡張差止裁判
機能強化を全面批判
弁護団が更新意見陳述
空港拡張差止裁判
千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で6月2日、空港拡張差し止め裁判が開かれた。
この裁判は、反対同盟が被告の国とNAAに対し、B'滑走路の2500㍍への延長、第3誘導路建設の違法を追及し、さらに現在「空港機能強化」として進められるB'の再々度の北延伸による3500㍍化、C滑走路(第3滑走路)新設等の工事差し止めを求める裁判である。
裁判長交代に伴う更新手続きとして反対同盟顧問弁護団が意見陳述に立ち、最初に市東孝雄さんの天神峰農地に対する強制執行を弾劾した。
「差し止め裁判」の重要論点は、第一にNAAによる基本計画の無視だ。B'の3500㍍化と第3滑走路建設は、成田の敷地面積を2倍に拡張するものであり、こんな基本計画の大幅逸脱は許されない。
第二に被告らは、「市東は自分の意思で帰還し空港敷地内に住んでいるから騒音をがまんすべきだ」などと暴論を吐き、市東さんの原告適格を否定している。「市東の土地は強制収用で取られるべきだったのだから、法的保護は受けられない」とまで言っている。
第三に、これら空港の変更許可に至るまでに、具体的にいかなる行政庁の組織や部局がどのように判断したのか。担当責任者を明らかにするよう再三釈明を求めてきたが、被告・国はこれを拒否している。
空港機能強化論自体が誤りだ。右肩上がり航空需要予測は、感染症の脅威、世界戦争の危機の時代において夢想に他ならない。コロナ禍前でも成田の年間発着回数は26万回程度。機能強化のために4260億円というむだな設備投資を行うというのか。世界的食料危機のもとで、農地をつぶし3本目の滑走路を建設する変更許可処分など、絶対に認められない!
次回期日を9月8日として閉廷した。