「物流拠点建設」に怒りの声 第118回周辺一斉行動に立つ

週刊『三里塚』02頁(1112号02面01)(2023/05/22)


「物流拠点建設」に怒りの声
 第118回周辺一斉行動に立つ

(写真 118回目の一斉行動朝の打ち合わせ【14日】)

 反対同盟と支援連絡会議の仲間は5月14日、118回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅前団結街道奥で朝の打ち合わせ。
 東峰の萩原富夫さんが強制執行と闘った6人の仲間に対する不当弾圧を弾劾し、共にG7広島サミット弾圧を粉砕する決意を明らかにした。7月2日には、「天神峰現地闘争&農楽まつり」を開催すると提起した。
 事務局の太郎良陽一さんは、支援連と共に反対同盟も仲間の奪還に向け情宣活動を行うと翌日の奪還行動への参加を表明。天神峰カフェ常連の労働者の闘いを紹介し、「労農連帯を広げよう」と呼びかけた。
 今回の反対同盟ニュースは、強制執行と闘った6人への不当逮捕を弾劾し、5・22耕作権裁判への参加を呼びかける内容だ。また、空港周辺の多古町で進められている物流拠点建設の批判を掲載。周辺住民の声では騒音移転地域の多古町の農家の声を紹介している。
 打ち合わせを終えた参加者は担当地域へと飛び出した。空港周辺の農家はサツマイモの植え付け作業の真っただ中。並行して、落花生の種まき、芽出しした里芋植え、人参の収穫なども行われていた。
 同盟ニュースを見た芝山町の住民は物流拠点建設への動きに次々と怒りを表明した。
 「空港のまわりは倉庫だらけになるだろう。周辺住民の声で多古町の人が言っているように私らも死ぬまでここでと思っている。だからみなさんの闘いに共感できる。がんばってください」「県知事や町長の手引きだというが、何でオーストラリアの不動産会社が入ってきて農地を買いあさることができるのか。ここで暮らしてきた人のことなんか何も考えていない」
 多古町の農家も「かなり広い土地を売ってくれという攻撃がきている。地域の人みな気持ちが不安定になっている」と具体的攻防について情報を寄せてくれた。
 2月の強制執行とその後の5・11弾圧についても多くの住民が横暴なNAAへの怒りを表明した。「空港はもうダメだ。ゴールデンウィークの客だってピークから比べると全然戻ってはいない。農地をつぶして空港拡張して、戦争で物価の高騰、国の借金も世界最大。そのうち食えなくなる。イモを食べるしかない。年金もダメ。そんなので殺されてはたまらない」「3カ月経っての弾圧はひどい。空港のやり方にはついていけない」
 岸田政権が進める大軍拡・成田の軍事空港化への危機感も高まっている。「これからの戦争はドローンとかミサイルで空からくる。成田は格好の標的になるだろう」
 もっとも農業に適した土地と農林省(当時)も認めていた北総地域を破壊する農業消滅への危機感も強い。
 青年は「米価が安くてほとんど利益がでない。耕運機の故障でライスセンターから借りたら1・5倍に値上げしていた。仲間で機械を調達して使っているけど、維持費もかかるし大変だ」
 数年前まで空港の駐車場でアルバイトしていたという男性は「この間、空港に行ってきたけど、ぜんぜん利用客は戻っていない。空港のリムジンバスの駐車場は以前の3分の1だし、多くの駐車場も閉鎖されたまま。ゴールデンウィークだから騒いでいるだけ」と冷静に分析し、「今の政府はだめ。みな2世議員ばかりで能力がないし、自分のことしか考えてない」と憤った。
 芝山町はさびれる一方で孤独死も少なくない。空港利権に群がる人への怒りもあった。こうした中で、反対同盟の考え方もあると知人に同盟ニュースを配布してくれている人もいる。
 期待の大きさを実感し、周辺住民の怒りと共に6人の仲間の奪還に向けて全力を上げることを誓い行動を終えた。
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