北総の空の下で がれきと宝物 人の石垣と城築く
週刊『三里塚』02頁(1108号02面07)(2023/03/27)
北総の空の下で
がれきと宝物
人の石垣と城築く
3月16日と18日、市東孝雄さん、萩原富夫さんと現地支援総力で押収された荷物の回収作業を行いました。手続きを経て裁判所から空港会社へ渡った大量の段ボール箱、農機具類、破壊された建物ややぐらの残骸の山から必要なものと使えるものを分別して、新しく建設した育苗ハウスと倉庫に運びました。当面は農作業と並行して山積みの荷物整理が続きますが、日常の必需品を取り返してほっと一息ついた感はあります。心残りは、市東さんが正月中からせっせと作りためた切干大根の大袋4つが見つからなかったこと。執念をもって探したのですが作業場のがれきに埋もれてしまったのか…。
1カ月を経て、改めてこの決戦で手に入れた宝物の大きさを実感しています。空港会社が囲い込みのために必要な物資と警備体制を想定して周到に準備した3カ月間に、私たちは〝人の石垣と城〟を築き上げました。寒中焚火を囲みシュラフに包まれながら、〝同じ釜の飯を食う〟仲間の連帯の強さが、執行当日遺憾なく発揮されました。翌朝ゴロゴロと取り残された機動隊の盾が現場を雄弁に物語っています。何より市東さんの肉声が電波に乗って全国に届いたことで、支援の輪が格段に広がりました。
「への字誘導路」を強制している南台農地の裁判が今年待ったなしの決戦になります。原発推進転換政策と闘う12年目の福島、軍事要塞化に抗する沖縄、反戦を闘う世界の労働者が三里塚を注視しています。
北里一枝