北総の空の下で
　許せぬ農地破壊
　第２Ｒへ反撃開始

　19時45分「道路封鎖！」の一報に、私は宣伝カーへと駆けつけます。車の周りを蛇腹フェンスで囲まれて間もなく、10㍍先の市東宅入り口で阻止線を張るスクラムに、機動隊がなだれ込みました。　「機動隊・執行官は帰れ！　農地を守るぞ！」宣伝カーから声を限りに呼応します。市東宅周辺で実力攻防が続く中、県道側から投光器車両３台が持ち込まれ、まぶしいくらいの明かりの中で、重機が県道沿いの看板や樹木を次々に破壊していきます。宣伝カーから「作業員・ガードマンは帰れ！　権力の手先になるな！　農地に入るな！」と対峙します。整地したところからパイプを打ち込んで、畑に持ち込まれた鉄板フェンスがはめ込まれていきます。フェンスが強制収用実力阻止の大看板近くまで来た３時55分、鉄柵で囲った高所作業車が２台高さを調整しながら機動隊を載せて近づきます。上で籠城する全学連の戦士２人に、宣伝カーと市東さん宅側の仲間から「頑張れー」「頑張れー」のコール。激しい抵抗に、機動隊は引いては攻め引いては攻めを繰り返します。２人が不当逮捕された後も、気温０度の中で攻防は朝まで続きました。
　15日午前２時から30時間の攻防の後、私が市東宅側に合流できた９時には、市東孝雄さんはすでに畑でした。17日に出荷予定の里芋と人参を、弁護士を通して取り返すなど精力的に行動して「営農再建の第２ラウンド、反撃開始だ」と、意気盛んです。
北里一枝