団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1105号01面06)(2023/02/13)


団結街道


 暗闇の中で「いつ来るかわからない」状況を利用して怖がらせる娯楽であるお化け屋敷。「強制執行」と娯楽を並べる不謹慎さは承知の上で、「いつ来るかわからない」緊張感は似ている▼千葉地裁・多見谷寿郎裁判長(当時)は判決で、NAAが賃貸借契約の解除を市東さんに求めることは強制執行することとは別だからNAAが市東さんを訴えること自体に問題はなく、「強制的手段は取らない」の公約にも違反しないと言った▼逆に言えば、判決が確定しようがそれを執行するかどうかは別の判断。仮に、執行前に会社が倒産でもすれば転用計画は消滅し、農地を取り上げる必要性はなくなる。倒産した会社が判決通りに農地を取り上げていいとはならない▼判決と執行の関係で最もシビアなのが死刑だ。一度執行されれば取り返しがつかない。市東さんが耕す農地も市東さんの命そのものであり一度奪われてしまえば取り戻せない▼無実であるにもかかわらず何十年も獄に捕らわれ「いつ来るかわからない」執行の恐怖にさらされ続けながら再審・無罪を訴え続けた袴田巌さん。無実を百も承知で再審決定を遅らせる国家権力を許すことはできない▼国家・資本の深い闇を照らす強烈な明かりが必要だ。「明るく」闘う三里塚がその先頭に立とう。「太陽がまぶしかったから」(カミュ『異邦人』)と殺人の理由にできるのは小説の中だけ。闇は光に勝てない。お化け屋敷を見よ。
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